オンライン個別レッスン 目的別メニュー
マインドフルネス瞑想のやり方・練習法

マインドフルネス瞑想のやり方・練習法

瞑想を練習することで、仕事や恋愛のやり方も変わる?

マインドフルネス瞑想について、伝統的な瞑想やヨガとの関連性を含めて解説してみます。

小難しい説明も多いので…「とりあえず瞑想を始めてみたいので、初心者向けのやり方を知りたい」という方は、下記の記事から読み始めてみてください。
≫瞑想の始め方・続け方メモ

この記事の目次

「止」と「観」の瞑想があります

瞑想には伝統的に「」のサマタ瞑想と「」のヴィパッサナー瞑想があります。
ほとんどの瞑想法は、これらのどちらか一方か、組み合わせによって行われています。

止観を分けて定義しているのは主に仏教における瞑想で、ヨガの瞑想法は明確に止観が分けられているわけではないのですが、両者はとても近い要素を含んでいます。言葉としての歴史はヨガ(ヨーガ)のほうが古くブッダもヨガを実践して悟りに至ったというように言われることもありますが、その後のヨガに仏教が与えた影響も多く、両者は影響し合いながら現代まで伝わってきたようです。

止と観の瞑想がどうちがうのか?どんな順番でやったらいいのか?と質問をいただいたので、瞑想を行っていく流れや、それによってどんな良い変化が現れてくるかについて、マインドフルネス瞑想として一般に行われている瞑想法との関連性も交えて書いてみます。

坐り方については、こちらを参考にしてください。
≫ヨガのいろんな「あぐら」の坐り方

≫椅子の美しい坐り方・基本姿勢

まずサマタ瞑想で今の心の波立ちを止める

いろいろな始め方がありますが、まず「止(サマタ)」の瞑想を行い、いまの心の波立ちを止めることから始めるのが一般的です。
「無になる」わけではなく、なにか対象に対して集中を連続させ、それ以外の思考や雑念を止めます(「無心」というより「一心」に近いかも)。

そのための集中対象はなんでもよく、波立ちを生んでいるものなどに合わせて選びます。たとえば身体が冷える、病気を抱えている、などであれば身体が温まるような光を体内にイメージして呼吸を深め、下腹に熱を生み出していくなどといった瞑想法を用います。ただただ集中したいということであれば、呪文・マントラなどを頭の中で唱え続ける方法もあります。

マインドフルネス瞑想の本でも「慈しみの瞑想」「コインや植物など物に集中する瞑想」などの瞑想法が紹介されていますが、これらはサマタ瞑想が元になっていると思われます。
他にもサマタ瞑想にはとても色々な方法があり、具体的な瞑想法はクラスでお教えしていますが、また別記事でも書きたいと思います。

様々な感覚を探し、明確に観察できるようにするヴィパッサナー瞑想へ

心が湖のように穏やかになったら、「観(ヴィパッサナー)」の瞑想へ進みます。

自分の体の内側へ意識を向けて観たり(マインドフルネスでは「ボディスキャン」と呼びます)、音や温度など、外から入って来る刺激を発見します。

その感覚に対して心乱されず、本質を観ることができるよう、客観的な表現で隙間なく実況中継・ラベリングします(例:「寒くてつらい」ではなく「気温が低い」など)。勢いよく、思考の生まれる隙間を与えないようにラベリングしていく。雑念が内側から生まれたら、「雑念・雑念・雑念」と3回ラベリングして一旦片付けます。

練習を積むと、感覚に対して自動的に生まれていた反応(マインドフルネスではそれによる思考や行動を「自動操縦」などと呼び、これは手放したい「心身の癖」です)が出現する前に一呼吸置いて、自分を客観的に観察できるようになります。

瞑想を練習することで、日常的に「止観」ができるように

止観それぞれ別々・あるいは組み合わせて、練習を積むことで、瞑想中に限らず、日常的に「止」をしながら「観」ができるような状態になっていきます。対象に対して集中をしながら、自分と対象の変化を、主観を交えずに明晰に観察します。

「集中」は努力して対象に「向かっていく」イメージですが、それを自然に努力なく糸のように連続し対象とつながっていき、「対象の方から来るようになる」状態が「瞑想」であり、さらに対象の立場での気持ちがわかるようになり「対象と一体化」したような状態が「三昧」です(すごくざっくりなイメージ)。

瞑想を続けることで、最終的にこの三昧を目指していくことになります。一体化する対象は、人それぞれで良いのです。
(この3段階の前に、ヨガでは5つの準備段階があります。≫ヨガの目的・基礎知識

たとえば「柔軟性が必要なヨガのポーズを、軽々と行う自分」と一体化するには、自分自身の心身に対して集中→瞑想→三昧するということですね。

仕事や恋愛も、自然に相手の気持ちになれる

先ほどの「集中→瞑想→三昧(この3つの流れを綜制と呼びます)」の具体例を挙げるとすれば、たとえば仕事の顧客や恋愛の相手などに向かって集中し(ぐいぐいアプローチするということではないです…)、主観を入れずに絶え間なく集中を連続していくことで相手からの視点が見えてきます。そして相手が求めているものがわかり、自分の状態を整えて行動することで自然と向こうからやってくるようになります(営業とマーケティング、の話にも近いものがありますね)。

もし、相手の求めているものがいまの自分に備わっていないとき、そのときは仕事を無理に受けない・恋愛ならば身を引く、ということですね。無理に引き寄せるのではなく、自分の状態が整ったら自然に向こうからやってくるものだと思います。

さらに相手と利害が一致して、相手にダメージを与えることは自分にもダメージになる、相手が喜んだら自分も嬉しい、お互いwin-winになる、といったイメージです。

それぞれ生きてきた環境によって、色々な考え方があると思います。無理に変える必要はないですが、たまに客観視してみたくなったとき、瞑想の方法は非常に参考になるかと思います。

マインドフルネス瞑想の簡単な練習方法例

「いつ、どれだけ瞑想をやったらいいですか?」という質問もよくいただきますが、一番簡単なサマタ瞑想の練習としては、朝や夜にできるだけ深い呼吸(5秒で吸って5秒で吐くぐらいを目安に)をすることに集中しながら5〜10呼吸する、というだけでも十分な練習になります。
慣れてきたら、3分間→5分間→10分間→20分間と時間をのばしていきましょう。

長時間瞑想するときは、

1)坐りやすい坐法で、背骨を伸ばして坐る(理想は蓮華座(結跏趺坐・パドマアーサナ)ですが、背骨が伸びていればどんな坐り方でもOK)
2)仕事はいったん忘れて、携帯電話は電源を切るか機内モードに
3)過ごしやすい温度・湿度に調整
4)サンダルウッドなど集中力を高めるアロマを使う
5)集中が高まると時間を忘れてしまうので(そういう経験はありますよね)タイマーをセット

などして場を整えてから始めると良いでしょう。

長時間瞑想するようになると、股関節の柔軟性やまっすぐな背骨・強い体幹が必要になることがわかってきます。昔の人々は、そのためにいろいろなヨガのポーズ(ハタヨガ)を考えだしたようです。

深い呼吸をするためには、体のかたまっているところに意識を通していく必要があります。
呼吸に集中し雑念を払うことが出来たら、呼吸を深めていく過程で、たくさんの気づきが見つかってくるはずです。その気づきに対して、「あー、首肩がかたまっていて、呼吸が浅くてつらい」という主観は交えずに、「右肩の背中側がかたまっています」というように客観的にラベリングしていくのがヴィパッサナー瞑想の練習です。この練習をしていくことで心身の癖を手放していくことができ、シンプルで生きやすい自分が現れてきます。

意識的に瞑想の練習を日常に取り込んでいくことで、少しずつでも必ず心身に変化があるはずです。時には、昨日できたことができない日もあるかもしれませんが、その変化も楽しみながら、方向は間違っていないことだけは確認しながら、続けてみてください。

≫瞑想の始め方・続け方メモ

≫色々な瞑想法がつくり出された理由を考えてみる 〜ヨーガ・サマタ・ヴィパッサナー・マインドフルネス〜

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

高橋陽介

コラムをお読みいただきありがとうございます。より深めたい方にはオンラインプライベートレッスンを行っています。

LINELINEでのお問い合わせはこちら

レッスン料金 レッスンスケジュール

※記事内容は執筆当時の情報・見解によるもので、現時点では有効でない場合がございます。

※記事内容を参考にされて生じたトラブルなどについては、自己責任にてお願いいたします。

サイト内検索

コラムを探すページへ