「現代ヨガの父」ことクリシュナマチャリア氏の主著である「ヨガマカランダ(ヨーガ・マカランダ)Yoga Makaranda」を読み進めてきました。
この記事では、これから読み始める方向けに、目的別にどこから読んだらいいかなどをまとめていきます。
引用部分は、特に記載のない限り以下の英語版(2006年)Yoga Makarandaを出典とします。
この記事の目次
ヨーガマカランダを読む目的
ヨーガマカランダを読もうとする人は、ある程度以上ヨガについて学びを深めた方が多いかと思います。
読む目的としては、以下のようなものがあるかと思います。
- クリシュナマチャリア氏に興味がある
- ヨガポーズ(アーサナ)の歴史に興味がある
- ハタヨーガ・クンダリニーヨーガなどに興味がある
- ヨガの学び方のヒントを得たい
それぞれについて、どこから読み始めると良いか、また読む上でのアドバイスなどをまとめていきます。
クリシュナマチャリア氏に興味がある場合
クリシュナマチャリア氏に興味がある場合は、第1章冒頭部分をよく読んでみると良いかと思います。
ヨーガマカランダ概説【2】1.1節 なぜヨーガを修習するのか
現代ヨガを広めた重要人物として、「アイアンガー」氏はそれなりに有名ではありますが、それでもヨガをしている人のほとんどは知らないかもしれません。
また現代ヨガの中では「アシュタンガヨガ」は世界中で人気があり、実践している人の中には、アシュタンガヨガを広めた「パタビジョイス」氏を知っている人が多いかと思います。
クリシュナマチャリア氏は、アイアンガー氏とパタビジョイス氏の師匠であり、現代ヨガの歴史においてはとても重要な人物ということになるでしょう。
学術的には評価の分かれる人物ではあるようですが、そういった先入観を除いて、クリシュナマチャリア氏をある一人の「ヨガの先生」として捉えてこの第1章を読んでみると良いかもしれません。彼がヨガを教えていた時代の人々がどのような状態だったのか、人々がどのようにヨガについて考えていたのか、その中で彼がなぜヨガを教えて広めたいと思ったのか、といった空気感が感じられます。今この時代にヨガを教えているインストラクターの方々にも、良いヒントとなるかもしれません。
ヨガポーズ(アーサナ)の歴史に興味がある場合
ヨガポーズ(アーサナ)の歴史に興味がある場合は、写真付きで紹介されているアーサナ一覧を見てみると良いかと思います。
ヨガを学んでいると、いくつもの流派があり、それぞれポーズの名前が異なったり、同じポーズでも微妙に形が異なったり、どれが正しいヨガなのだろう?という疑問が生まれることがあります。
日本で一般的に行われているヨガの多くは、アイアンガー氏が「ハタヨガの真髄」でまとめているポーズがベースになっていることが多く、「太陽礼拝」についてはパタビジョイス氏が「ヨーガ・マーラ」で示しているアシュタンガヨガの太陽礼拝Aがベースになっていることが多いようです。
そのため、彼らの師匠であるクリシュナマチャリア氏のポーズは、現代ヨガの歴史を知る上で重要かと思います。一通り見て比較してみると、ほとんど現代ヨガと変わらない形が見られます。
さらに多くのアーサナについて知りたい場合は、ヨーガマカランダのパート2も見てみると良いかと思います。
ハタヨーガ・クンダリニーヨーガなどに興味がある場合
ハタヨーガ・クンダリニーヨーガなどに興味がある場合には、チャクラやナディのことや、ハタヨーガの浄化法についてなど、多くの情報が書かれています。
ヨーガマカランダ概説【12】3.5-3.6節冒頭 ナディ、シャットクリヤ(6つの浄化法)の概要
クリシュナマチャリア氏は、冒頭で「たくさんのヨーガの古典を研究した」として古典の名前を列挙しており、その中にはハタヨーガの教典も多く含まれています。
チャクラの数は、現代では一般的に「7つ」などの数が挙げられることが多いですが、クリシュナマチャリア氏は「10個」のチャクラについて簡単に紹介しています。
参考:チャクラ研究まとめ|チャクラの位置・数・覚醒方法・整え方

浄化法に関しては、ハタヨーガプラディーピカーではシンプルな6つだったものが、ゲーランダサンヒターなどではさらに多くなって詳細にやり方が分類されており、クリシュナマチャリア氏はこの詳細なやり方のほうで紹介しています。
参考:ゲーランダサンヒター概説1.12-1.44 〜シャットカルマ、ダウティ〜
ハタヨーガ・クンダリニーヨーガで重要な行法となっているムドラーについては、20種類のやり方が簡潔に紹介されています。
さらにプラーナーヤーマや瞑想法について知りたい場合は、ヨーガマカランダのパート2にも記されています。
ヨガの学び方のヒントを得たい場合
ハタヨーガの教典の多くは、アーサナやムドラーなどの技法に入る前に、修行を行う上での心構えや環境の準備などについて詳細に示しています。ヨーガマカランダでも、そのあたりについて詳細に示しているので、現代ヨガを学んだり教えたりする上でのヒントになるものがあるかと思います。
ヨーガマカランダ概説【11】3.1-3.4節 ヨーガに適した場所・時期・食べ物・行動
現代ヨガの基本となっている8支則や、そこに含まれるヤマ・ニヤマなどについても詳しく解説しています。
こういった内容も、基本的にはヨーガスートラやハタヨーガプラディーピカーといった教典にならったものが主となっているようです。
全体的な印象と注意点
クリシュナマチャリア氏は、世界中で多くの人々にヨガを教えてきた中で、様々な人々に出会って、ヨガに対する色々な考え方に直面してきたのでしょう。第1章ではその様子が細かく記されています。
そんな中で、クリシュナマチャリア氏の教えにはやはり「伝統を重んじる」という姿勢が感じられます。
その「伝統」の中には、研究者たちが言うようにクリシュナマチャリア氏によって「作られた歴史」もあったのかもしれません。そのあたりは、注意深く捉える必要があるかと思います。
ヨーガマカランダは、「教本」として捉えるとしたら、まとまりがない部分があったり、ツッコミどころがある部分もあるせいか、なかなか日本語訳されなかったり、世界でも「必読!」といった評価はない本ではあります。
ただ、先にも書きましたが、クリシュナマチャリア氏を一人のヨガの先生として捉えた場合、色々な苦労や工夫をしながら人々に教えてきたのだろうなぁという雰囲気が、ヨーガマカランダからは感じ取ることができると思います。
その空気感が、ヨガを深く学ぶ方や教える方にとっては、良い刺激やヒントとなるかもしれません。





