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「現代ヨガの父」クリシュナマチャリア氏の主著「ヨガマカランダ」の概要

「現代ヨガの父」クリシュナマチャリア氏の主著「ヨガマカランダ」の概要

現代ヨガの父は、どんなヨガを描いていたのか

ヨーガスートラに代表される古典ヨーガ、体を主に扱うけれども現代のヨガとは大きく異なるハタヨーガなどについてこれまで扱ってきましたが、それでは現代ヨガというものは誰が始めたのか?

日本における現代ヨガの元になったのは、主にアイアンガー氏によって定義されたアーサナと思われます。

アイアンガー氏の著作「ハタヨガの真髄」(Amazon)

そして、「現代ヨガの父」と呼ばれているのが、アイアンガー氏の師匠であるクリシュナマチャリア氏です。

クリシュナマチャリア氏の弟子としては他に、アシュタンガヨガ(アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガ)を確立したパタビジョイス氏がいます。

パタビジョイス氏の著作「ヨガ・マーラ」(Amazon)

アシュタンガヨガのアーサナと、アイアンガー氏の定義したアーサナには共通のものが多く、それらはクリシュナマチャリア氏によって伝承・考案されたものと推測されます。

しかし、クリシュナマチャリア氏に関する日本語の資料はとても少ないのが現状です。

クリシュナマチャリア氏がどのようなヨガを構築して広めようとしていたのかを知ることは、現代ヨガを理解するために役立つと思いますので、氏の主著とされている「ヨガマカランダ(ヨーガ・マカランダ)Yoga Makaranda」の概要を紹介していこうと思います。

Makarandaは「花の蜜」などの意味です。

この記事の目次

ヨガマカランダの目次・構成

  • 前書き・参考文献
  • 1.序論
  • 2.ヨガーンガ(ヨガの支則)の探求
  • 3.ヨガービヤーサ(ヨガの行法)について
  • 4.アーサナについて

ヨガマカランダは上記のような構成になっています。

ざっと内容を紹介します。

前書き・参考文献

クリシュナマチャリア氏は、マイソール国王のKrishna Raja Wadiyar IVにヨーガ療法の力量を買われ、庇護を受けてヨーガの普及につとめました。前書きの中にも、王への敬意が示されています。

前書きの最後には、Yoga Makarandaを執筆するにあたり参考にしたとされる文献のリストがあります。

現代ヨガには5000年の歴史があるなどとよく言われますが、これが「つくられた伝統」であると批判される原因のひとつが、この参考文献リストの中にあります。

クリシュナマチャリア氏が確立したと言われるヴィンヤサヨガは、数千年前の文献であるヨガコールンタ(Yoga Korunta)にすでに記されていたと主張されていますが、その文献はバナナの葉に書かれていて、アリに食べられてなくなってしまったと言われます。しかも、Yoga Makarandaで示されている参考文献リストの中には、Yoga Koruntaは入っていません。このあたりが、西洋のヨガ研究者らにつっこまれまくって、「つくられた伝統」であるという説が有力となりました。

また、クリシュナマチャリア氏がとくに重要しているのがヨーガスートラとヨーガヤージュニャヴァルキヤ(Yoga Yajnavalkya)という教典であるとされていますが、このヨーガヤージュニャヴァルキヤの歴史もかなりあいまいなようです。ヨーガヤージュニャヴァルキヤにはハタヨーガプラディーピカー(15〜17世紀ごろ)などにも見られるハタヨーガの技法がたくさん書かれていますが、これが成立したのが紀元前の時代であるという主張がされ、ハタヨーガがそれだけ昔からあったという伝統をつくりあげるために利用されたようにも思えます。

真実はいまのところわかりませんが、どうも歴史に関してはあやしいことだらけです。

ひとまず、伝統があるかどうかは別として、クリシュナマチャリア氏がどのようなヨガを伝えようとしたのかを見ていこうと思います。

1.序論

序論は「Why should Yogabhyasa be done?」という見出しから始まります。abhyasa(アビヤーサ)とはヨーガスートラやバガヴァッドギーターにも出てくる「修習」「常修」「修行」などの意味の語です。

参考:ヨーガスートラ解説 1.12-1.14 〜心を制御する2つの方法・修習と離欲〜

ヨガをすると心身にどんな変化があるのか、どのように修行するべきか、どんな人がヨガをするべきか、といったことが序論で語られています。

また、序論としては唐突な感じがしますが、ナディ(気道)やチャクラに関する説明も述べられていて、ハタヨーガに基づいたヨガが示されていることが感じられます。

参考:チャクラに関する研究まとめ1 〜ハタヨーガとチャクラ〜

その後、プラティヤーハーラ・ダーラナー・ディヤーナについて語られ、基本的にはアシュターンガ(8支則)に基づいたヨガが展開されていくことが示されます。

参考:8支則について

2.ヨガの支則に関する探求

ヨガのアシュターンガ(8支則)に関する記述が1章・2章にわたって述べられています。2章では冒頭でヤマ・ニヤマについて語られ、修行を行う上での基本的な心構えなどが詳しく述べられています。

ここで示されるヤマ・ニヤマはヨーガスートラの5項目ずつのものではなく、ハタヨーガプラディーピカーなどで示される10項目ずつのものが採用されています。

参考:ヨーガスートラが示す、第1支則「ヤマ」を実践する意味
参考:ヨーガスートラが示す、第2支則「ニヤマ」を実践する意味

3.ヨガの行法について

冒頭では、ヨガの修行を行うのに適した環境や、食生活、推奨される行動・避けるべき行動などの具体的な注意事項が述べられます。

その後、ナディ(気道)やシャットカルマ(浄化法)、プラーナ・ヴァーユ(気の流れ)についての解説があります。

参考:ハタヨーガプラディーピカー概説 2.1〜2.6 〜プラーナーヤーマの目的〜
参考:ハタヨーガプラディーピカー概説 2.21〜2.38 〜シャットカルマ(6つの浄化法)とガジャ・カラニー〜

プラーナ・ヴァーユについての解説のあと、ムドラー(印)の解説があります。

この説明の流れは、ハタヨーガの古典とは少し異なるもので、ハタヨーガプラディーピカーやゲーランダサンヒターではアーサナが一通り解説されたあとにムドラーが示されていますが、ヨガマカランダではムドラーが先に示されています。

ムドラーが先に示されている意図としては、ナディを浄化してプラーナをコントロールしクンダリニーを上昇させるというハタヨーガの目的を達成するためには、人によってはムドラーの実践だけで充分でありアーサナは補助的なものであるという意図があったのかもしれません(深読みしすぎかもしれませんが)。

4.アーサナについて

現代ヨガでもおなじみのアーサナの数々が、写真付きで示されています。現代ヨガの実践者にとっては、ここを見るだけでもとても参考になるでしょう。

微妙に現代ヨガと形が異なるものもあり、弟子のアイアンガー氏・パタビジョイス氏が若干のアレンジを加えたことがわかります。

一代にして、結構アレンジが加わってしまうヨガ、伝統とは一体。それとも、世界に合わせてヨガの行法も変化していくという考え方こそが伝統なのかもしれません。

今後、各章の重要そうな部分について紹介していこうと思います。

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