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ウッターナーサナ(立位前屈・強い前屈のポーズ)の効果とやり方・図解

ウッターナーサナ(立位前屈・強い前屈のポーズ)の効果とやり方・図解

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前屈が深まるコツ・方向性を学ぶ基本ポーズ、ピラティスの前屈との比較も

太陽礼拝の流れの中にも出てくる、立位前屈の基本ポーズ。

ウトゥが「強く」、タンが「伸ばす」の意味。
シヴァナンダヨガではパダハスターサナと呼ばれることもあります。

この記事の目次

ウッターナーサナの主な効果

  • ハムストリングス・大臀筋ストレッチ
  • 背中のストレッチ
  • 腸腰筋強化・大腿四頭筋強化(強く前屈した場合)
  • 血行促進・肩こり改善
  • 代謝UP・デトックス

ハムストリングスを伸ばして腹筋(インナーマッスル)を強化し、代謝UPにつながります。心臓より頭が下に来るので、逆転ポーズにもなり、首肩周りの血行を促進します。脇の下をリラックスし、肩こりを改善します。

ウッターナーサナの禁忌・注意点

ハムストリングスを痛めている場合は避けましょう。

首に痛みなどある方は、ブロックを3個ほどかさねてそこに頭を置く方法もあります。

ウッターナーサナのやり方

太陽礼拝のウルドゥヴァハスターサナから入る形で説明します。

1)ターダーサナで立ちます。吸いながら両手を空へ伸ばし、手を向かい合わせにして、肩はすくめないように脇の下を伸ばします(ウルドゥヴァハスターサナ)。足裏でしっかり床を押しながら、背骨をまっすぐ伸ばします。

2)吐きながら、頭頂をなるべく遠くへ通すように背骨を伸ばしたまま前屈していきます。背骨は丸めず、股関節から動かします。
腕の使い方は、まっすぐ前から通してくるやり方(背骨を伸ばす意識が高まる)と、スワンダイブするように開いて外側に円を描くやり方もあります(背骨を伸ばす意識は少なくなるが胸を張って気持ちよく飛び込める)。両手の間隔は肩幅、置く位置は柔軟性に合わせて、最終的には足の真横を目指していきます。

3)お尻が後ろに飛び出ないように、なるべく体重を前に。足裏4点でしっかり床を押します。首の後ろが縮んでいる場合が多いので、頭頂を真下に向けて背骨を1個1個間をあけていくように背中をリラックスします。5呼吸キープ。

静止するのではなく、呼吸に合わせてだんだん深めていきます。
呼吸は胸式呼吸。吸う息でお腹を引き入れて背中を伸ばし、吐く息で余計な力を抜いて頭頂を重力にまかせて下におろしていきます。

4)吸いながら、できるだけ背中を伸ばしたまま上半身を起き上がらせて両手を空へウルドゥヴァハスターサナに戻り、吐きながら腕をおろしてターダーサナに戻ります。頭がくらくらする場合など、強度を落としたい場合は、背中を丸めて下から背骨を積み上げていきながら起き上がります。

ピラティスのスパインストレッチフォワードとの比較

ピラティスのスパインストレッチフォワードは、背骨を丸める前屈です。丸めることによって、背骨1個1個の間を広げていき背骨の柔軟性を高めるアプローチです。骨盤は前傾せず、直立したままです。

ヨガのウッターナーサナやパスチモッターナーサナは骨盤を前傾させていき、主に股関節の柔軟性を高めます。

組み合わせて行うことで、より体幹が自在に使えるようになりますので、私のレッスンではたまに両方行ってみたりします。

スパインストレッチフォワード

パスチモッターナーサナ(坐位前屈)

ウッターナーサナを深める方向性

  • 背中の一箇所だけが丸くならないように(胸や首だけが丸くなって猫背になってしまうことが多い)、背骨全体がゆるやかなカーブを描きながら下へ伸びていくようにする。
  • 膝をなるべく伸ばし、お尻は後ろへ飛び出さないように、顔をスネの下の方へ近づけていく。
  • 両手は足の真横あたりに置けるようにしていく。両手の幅は、太陽礼拝ではプランクポーズダウンドッグと同じになる。

ウッターナーサナのコツ・練習法

よくあるウッターナーサナの間違いを挙げてみます。

  • ×お尻が後ろに飛び出てしまっている
  • ×アゴが上がって、首の後ろに力が入ってしまっている
  • ×脇の下・脇腹・お尻の側面、体側に力が入ってしまっている
  • ×お腹と、もも前に力が入っていない

お尻が後ろに飛び出てしまっている

壁にお尻をつけて、カカトは壁からこぶし1つぶんくらい離して、その状態で練習してみましょう。前へ前へと体重を移していく感覚が練習できます。

体重は前へ移していきますが、なるべく指先だけに乗らないように、足裏全体で地面をとらえるようにします。

アゴが上がって、首の後ろに力が入ってしまっている

猫背の人に良く見られる特徴です。つまり、これを気をつけていれば猫背も直ります。
アゴを少しひいて、顔をスネに近づけていくようにします。背中〜首の後ろ側をリラックスして、頭頂を真下に向けていくようにします。

脇の下・脇腹・お尻の側面、体側に力が入ってしまっている

体の裏側(背側)が伸ばされるので、表と裏だけに意識が偏りがちですが、体側の緊張もポーズの深さに影響します。

脇の下・脇腹・お尻の側面など、体側の緊張にも気づきを向けましょう。

お腹と、もも前に力が入っていない

前屈は、太もも裏(ハムストリングス)やふくらはぎ・お尻など体の裏側の筋肉を伸ばす動きです。一方(裏側)を伸ばすためには、他方(表側)を縮める必要があります。

ハムストリングスの逆側にあたるのが、もも前(大腿四頭筋)とお腹のインナーマッスル(腹横筋・大腰筋)です。
これらを縮めるためには、呼吸が重要です。胸式呼吸で、吸う時にしっかりお腹を引き入れて骨盤と肋骨の間を広げるように、お腹を細く長くしようとします。

だらーんと静止して、これ以上ムリーとあきらめるのではなく、一呼吸ずつしっかり筋肉を使って深めていくようにしましょう。

どうやったら深まるのかサッパリわからないうちはなかなかモチベーションも上がりませんが、方向性がわかると、だんだん深めていけるので楽しくなります。

太陽礼拝の中でも1回1回深まっていくのが実感できますので、早いうちにしっかりポイントを教わっておくのが良いと思います。

≫アシュタンガヨガの太陽礼拝A

アジャスト例(インストラクター向け)

  • 背中側から、骨盤を左右から両手で支えて前傾方向へ導く。
  • ハムストリングスの柔軟性が足りず背中が丸まり過ぎている場合は、膝を曲げてお腹を太ももにつけてから膝を伸ばしていく方法を指示する。
  • 首や肩に力が入っている場合は、やさしく触れて力を抜かせて、下方向へ背骨を伸ばすのを導く。

シークエンス例

  • 太陽礼拝ではこのあと、吸いながら目線を斜め前に送って腰から背骨を持ち上げるアルダウッターナーサナ(半分の前屈)へつなぎます。
  • パダングシュターサナパダハスターサナなどの前屈ポーズにつなぐこともできます。
  • 前屈したまま両手を真横につくようにして上半身をねじる形につなげることもできます。
  • 両手をしっかりついて、バカーサナなどのアームバランスにもつながります。

≫パダハスターサナ

≫バカーサナ

アーサナ名の表記バリエーション

【日】ウッターナーサナ、ウッターナアーサナ、立位前屈
【梵】Uttanasana, Padahastasana
【英】Standing Forward Bend

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

高橋陽介

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