呼吸は大事。「息の仕方」がすなわち「生き方」であるとも言われる。
このページでは、普段の呼吸を深める方法と、目的別に行う特殊な呼吸法を紹介していく。
呼吸が大事な理由
「息の仕方は、いきかた(生き方)である」というように、呼吸の仕方は、その人の生き様を表現している。
呼吸の仕方が変われば、人間も変わる。
呼吸の深い人は、思慮も深い。
長い息をする人は、長生きする。
普段の呼吸(自然な呼吸)のコツ
普段の呼吸は、なるべく完全呼吸に近づける。
完全呼吸は、胸もお腹も全部使って呼吸する。
テンポは、できるだけゆっくりにする。
呼吸を数えてみる(数息観)
1分間タイマーをセットして、呼吸の数をかぞえてみると、呼吸の練習をしていく上で役立つ指標となり、また心身をうまくコントロールするきっかけにもなる。
平均的な呼吸の数は1分間に15回程度と言われる。その場合、1呼吸に4秒かけていることになる。
ただ、平均を目指せば良いというわけでもなく、ゆっくりなら良いというわけでもない。
自分の今の心身の状態と、呼吸のテンポがリンクしているということを理解しておけば良い。
いま気持ち良いと思うテンポで、呼吸をする。
もっと落ち着きたいと思うなら、さらにゆっくりにする。というように呼吸のテンポをコントロールすることで、間接的に心身をうまくコントロールできるようにしていく。
そうすると、いままでコントロールできていなかった心の癖や、内分泌系・ホルモン、免疫や消化といった身体の裏方の機能も、呼吸を通じてコントロールできるようになっていく。
呼吸の数をかぞえることに集中すると、「数息観」と呼ばれる瞑想法につながる。
イメージを伴って呼吸法を行うと、効果は大きく変わる
気(エネルギー)は、意志に従って動く。
単に身体の動きとして呼吸法を行うだけでなく、イメージを伴って行うことで、気を整える効果が加わる。
ヨーガでは呼吸法などを含む行法をプラーナーヤーマと呼ぶ。プラーナは「気」、アーヤーマは「抑制・コントロール」などの意味であり、気を扱うことが本来の目的である。
例えば腹式呼吸を行うならば、吸うときに下腹部に新しい清々しいエネルギーが満ち、吐くときに使う古されたエネルギーが出ていくようなイメージを加えたりする。このようにイメージを加えた腹式呼吸を「丹田呼吸」と呼ぶこともある。
変性意識状態に切り替える呼吸法
おそらくヨガや瞑想を行う人は、何かを変えたいと思っているのだろう。
変化したいと思いつつ、その変化を邪魔する心身の癖がたくさんある。
そういった癖、思い込みや執着を破壊するには、変性意識状態に入る呼吸法を知っておくと役立つ。
瞑想でよく用いられる呼吸は、少なくとも1呼吸に10秒以上はかけると言われることが多い。
長い呼吸をすることで、脳波は自動的に切り替わり、変性意識状態を導き出すこともできる。
この状態は思い込みを破壊しやすい状態でもあり、暗示のかかりやすい状態でもあるため、注意深く行う必要がある。
目的別 特殊な呼吸法
基本的な呼吸の練習・心身の切り替え
四角い呼吸法(ボックスブリージング・サマヴリッティプラーナーヤーマ)のやり方
リラックスする、消化・排泄・生殖系などを整える
ヴィンヤサヨガやピラティスなど、体幹トレーニングやエクササイズをするときの呼吸
自律神経を整える、内分泌系(ホルモン)・免疫系を整える
片鼻呼吸(アヌローマ・ヴィローマまたはナディショーダナ)のやり方
邪気を吐き出す、行動的になる、カパを下げる
冷静になる、イライラを抑える、ピッタを下げる
体を温める、ヴァータを下げる
うつ病、耳鳴り、頭痛の改善
ブラーマリー・プラーナーヤーマ(ハミングビーブレス・蜂の呼吸法)のやり方