片鼻呼吸法のバリエーションの一つ、スーリヤベダナ・プラーナーヤーマ(太陽の呼吸法・スーリヤベーダナ・スーリヤベーダ・プラーナヤーマ)。スーリヤは「太陽」、ベーダは「分ける」などの意味。
アーユルヴェーダにおけるドーシャバランスを整える効果があり、特にヴァータを鎮めるために用いられる呼吸法です。
≫ドーシャとは?(アーユルヴェーダ)
スーリヤベダナプラーナーヤーマの効果
主に、下記のようなヴァータのアンバランスによる不調を改善します。
- 体が冷える
- 気持ちがせかせかする
スーリヤベダナプラーナーヤーマの禁忌・注意点
心臓病・高血圧の方は避けましょう。
妊娠中の方は、息を止めずに行いましょう。
スーリヤベダナプラーナーヤーマのやり方
1セットの流れは
右から吸う→止める→左から吐く
止める秒数は、最初の1セットは1秒程度にし、通常時は12〜16秒程度にします。
1)シッダーサナ、パドマーサナ、スカーサナ、ヴィラーサナなど、瞑想にも適した長時間キープできる坐法で坐ります。背骨が直立して伸びていれば、どんな坐法でも大丈夫です。左手は親指と人差し指を結んでチンムドラーを組むか、楽な形で太ももの上に置きます。右手は人差し指と中指を曲げて、ヴィシュヌムドラーを組みます。
2)まず右手を鼻の前に挙げて構え、両鼻から大きく一息、吸って、全部吐き出します。
3)薬指と小指で左鼻を押さえ、右鼻から4秒かけて吸います。最初にたくさん吸いきらず、4秒全部かけて細く長く吸います。
4)左鼻を押さえたまま、親指で右鼻も押さえ、1秒とめます。
5)左鼻を開き、8秒かけて吐き出します。吐くときも最初にたくさん吐かないように、8秒全部かけて細く長く吐き切ります。
6)同じ流れで、止める秒数を12〜16秒程度に伸ばして行います。止めているときにムーラバンダ→ジャーランダラバンダの順番でバンダをかけることで、より内部のエネルギーを高めることができます。バンダを解くときはジャーランダラバンダ→ムーラバンダの順に解きます(≫バンダのやり方)
7)5〜10セット程度行い、最後に右手をチンムドラーに戻して、右太ももに戻して、両鼻の呼吸に戻します。
スーリヤベダナプラーナーヤーマのコツ・練習法
慣れないうちはバンダは無しで練習したり、秒数を短くしたりしてみましょう。
吸う・止める・吐くの秒数の比率は、1:4:2にすることを目指します。
さらに高度なやり方としては、息を吐ききったあとに止めて、ウディヤーナを行う方法もあります。
この場合はあまり長い時間止めないように、最初は1〜2秒から始めて、長くても8〜10秒程度にしましょう。
左右往復して行う片鼻呼吸法、アヌローマ・ヴィローマ(ナディショーダナ)もあわせて練習しましょう。
スーリヤベダナの逆で、左→右の方向で行う片鼻呼吸法をチャンドラベダナプラーナーヤーマ(月の呼吸法)と呼び、体温を下げて体の働きを鎮めるために使われる場合もありますが、教典によってはこれは行ってはならないと指示している場合もあり、多くの場合はアヌローマ・ヴィローマとスーリヤベダナが行われています。