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セルフケアの情報収集と実践のコツ

セルフケアの情報収集と実践のコツ

症状の正体に気づき、根本的な改善、そしてさらなる進化へ

私がセルフケアの記事を書くとき、以下のような流れで考えることが多いです。この流れは心身の健康や進化のための基礎にもなりますので、情報収集・実践する際に意識すると役立つかと思います。

  1. 目標:改善したい症状を見定める
  2. 基礎理論:症状の正体をつかむ
  3. 標治:症状の改善・対症療法を行う
  4. 本治:根本的な原因の改善を行う
  5. 習慣化:心身をうまくコントロールできるようにしていく

それぞれの過程について、少しコツなどを補足していきます。

ちなみに「標治」「本治」は、東洋医学で用いられる考え方です。

基本的には根本原因の治療である「本治」が重要ですが、本治には時間がかかる場合もあり、急を要する症状の改善として標治も同時に行う「標本同治」で行われることが実際には多いです。肩こりや腰痛といった症状を改善しつつ根本的な癖を直すことを目的とするヨガなどは、標本同治を行うためにも有効なセルフケア方法かと思います。

写真出典:基本としくみがよくわかる東洋医学の 教科書/平馬直樹 (監修), 浅川 要 (監修), 辰巳 洋 (監修)

この記事の目次

目標:改善したい症状を見定める

なんとなく不調を感じていたり、なんとなく痛いところがあったり、体を動かしにくかったりするけれど、「実際にどこに症状があるのか気づいていない」ということも意外と多いです。

まずは心身を客観的に観察して、今現在の症状にしっかり気づくことから始めます。

体の症状に気づく方法

たとえば仰向けになったり椅子に座ったりしてリラックスした状態で、注意深く身体の各部分を観察するボディスキャンを行ってみるのも良いでしょう。

また、身体の各部分を触ったりセルフマッサージしたりしてみるのも、気づきのきっかけになります。少し揉んだり押したりしてみると、実はすごく固まっていたり痛かったりすることに気づくことも多いです。(とくに下の写真のあたり、肩甲骨につながっている小胸筋前鋸筋は固まっていることに気づきにくい筋肉ですね)

心の症状に気づく方法

心に不調がある場合は、どんなことを考えたときに心がモヤっとするのか、といったことに気づきを向けてみましょう。心が「自分自身」であると錯覚しがちですが、私たちは心を「客観的」に観察することもできます。

そういう意味でも「真我」の意識というものが別にあると考えられ、その意識から客観的に、心身と周りの世界を眺めるようにイメージすると良いでしょう。真の自分が、この世界というゲームをプレイしているという感覚です。

心の動きを客観的に観察しながら、どういう「刺激」に対して、どういう「反応」を無意識的にしてしまっているか、それにまず気づければ、セルフケアの道は明るく開けていきます。

参考:ヴィパッサナー瞑想とは?|洞察力を高める「観」の瞑想

基礎理論:症状の正体をつかむ

症状に気づいたら、それがなぜ生じているのかに気づきを向けます。

症状の正体に気づかないままセルフケアしていても、なかなか改善しないかもしれません。

体の中にあるつながり・ネットワークを意識

たとえば筋肉が凝り固まっているトリガーポイントは、離れた場所にも関連痛を引き起こします。そのように、問題のある箇所以外のところに痛みが出るということも多いです。

経絡や筋膜でつながる体内のネットワークは、全体でバランスを取ろうとするため、問題がある部分から遠く離れたところに症状を生むこともあります。

経絡・ナディや筋膜のつながり(アナトミートレイン)などの知識があると、どこに原因と症状があるのかに気づくヒントになるかもしれません。

参考:経絡・経穴・ナディ・マルマ・チャクラ研究

偏りのない視点で判断できるようにするために

症状のある部分にだけ気を取られていたり、一般常識にとらわれていたりすると、本質を見誤ることもあります。

また、あまりにたくさんの情報が出回っているので、惑わされることもあるでしょう。

なるべく曇りの無い眼で、身体の内外のつながりも意識しながら、症状の正体を判断しましょう。

気づきを曇らせているのは、思い込みや執着といった様々な煩悩です。

煩悩を払い、曇り無い眼にしていくためには、マインドフルネス・瞑想などの練習や、様々な「浄化法」も有効です。

「浄化」などは絵空事だろうと思ってしまう人は、体の凝りや思考の偏りの原因は脳や神経を伝わる電気的なものであると考えてみて、「浄化」はその帯電した静電気を払うというイメージで物理的に考えてみるのも良いかと思います。そう考えると、電磁波が体にどんな影響を与えるのかといった話にもヒントが見えてきます。

参考:祓詞(略拝詞)と浄化&チャージ

参考:パワースポットの効果・選び方について|補瀉(チャージと浄化)を元に考察

参考:根府川ヨーガ道場 滝行合宿体験記

標治:症状の改善・対症療法を行う

今現在の心身にあらわれている症状は、とても重要なサインです。

前項で書いたように、症状が感じられる部分ではないところに原因がある場合もありますが、それらは必ず「なにかでつながっている」はずです。

症状と原因をつなぐネットワーク

筋膜のように物質的に見えるもの、経絡・ナディを流れる「気」のような微細なもの、量子的に離れた場所に一瞬で影響するものなど、いろいろな次元・周波数帯のつながりがあります。

それらは体の内外をもつないでいて、そこを情報やエネルギーが流れています。

たとえば筋膜は、その薄さからして筋肉に直接力を与えて動かすほどのものではないので、以前はただ筋肉を包む袋のようなものとして考えられて、重要視されていませんでした。しかし、筋肉がいまどのくらい緊張しているかといった情報を筋膜が伝達していることが分かり、それは体全体のバランスに関係していると考えられるようになって、ようやく重要視されるようになりました。

まだまだ、科学でわかっていないつながりが、体内外にはたくさんあるのでしょう。

そのようなつながりがたくさんあることを意識し、症状のある場所をたよりにしつつ、全体を、場合によっては周りの世界も含めて観ながら、根本的な原因を探っていくようにしましょう。

ただ、その根本的な治療には時間がかかることもありますので、今気になっている症状への対症療法的な処置をすることも多いでしょう。急を要する場合もあるかと思います。

そのために、症状を緩和するようなセルフケアも知っておくと良いでしょう。

症状・原因に合わせた対症療法

先ほどの次元・周波数帯を意識するなら、物質的な対症療法としては筋肉マッサージや筋膜リリース、気を整える微細な対症療法としては鍼灸やアーユルヴェーダの治療、量子的な対症療法としてはヒーリング(幅広いものではありますがざっくり言うならば)、といった感じで原因に応じて処置を選ぶ必要があります。

実はどこから始めても、全体に影響しますので、改善には向かっていきます。その回復のスピードや精度は、やり方によってかなり異なるでしょう。

自分でできる範囲で注意深く行うか、信頼できる人に施術してもらうなど、いろいろな道がありますが、まず基本的な原理を理解した上で慎重に道を選ぶのが良いでしょう。

参考:セルフケアにも活用できる、ヒーリングや整体の「手技」の種類

対症療法と自己治癒力

対症療法的な処置を続けていても、根本的な治療にはならないことも多いですが、ひとまず症状を軽減しながら過ごしている間に、自己治癒力によっていずれは治る、ということもあります。

しかし、たとえば強めの薬を使ったり急激な骨の矯正を行ったりといったやり方で症状を緩和しようとすると、他の歪みや偏りを生んでしまって、後でより深刻な症状になって突然現れるという可能性もあります。

その場しのぎのための処置だとしても、なるべく根本的な改善を邪魔しないような、自然なやり方で進められると良いかと思います。

本治:根本的な原因の改善を行う

基本的に不調の多くは、心身の「偏り」が原因です。

「偏り」自体は、私たちが生きて行動するために必要なものです。前に偏らなければ、歩き出すこともできません。

しかし「慢性化した偏り」は、いろいろな病気や症状を引き起こします。

根本的な治療は、この慢性化した偏りを整えるという方向性で行われることが多いでしょう。

たとえば先ほどのトリガーポイントも、悪い姿勢が続いたりして負担のかかる筋肉が偏っていたために生じます。ディープストロークマッサージなどでトリガーポイントが一時的に消えても、いずれまた生じてしまうことでしょう。

姿勢・物質的な偏りを整える

人はたくさん目を使って情報を得ようとするため、やはり頭・首は前へ傾いていき、ストレートネックと猫背になります。

背骨の配置がおかしくなると、重要な神経の働きも悪くなり、ホルモンバランスが崩れ、内臓にも影響が現れ、脳の働きも悪くなります。

姿勢の崩れは、多くの不調を引き起こし、結果的に大きな病気や死へとつながる可能性もあります。

参考:正しくアゴをひくと、猫背が直り始め、おなかがへこむ

姿勢の改善には、固まっている筋肉を緩めるストレッチや、弱っている筋肉を強くするトレーニングなども有効です。これらは、状況によって何を行うべきかが異なるので、自分の姿勢の崩れの状態をまず把握して、適切なものを選びましょう。

現代ヨガやピラティスといったエクササイズを行うことは、バランスよく姿勢を整えるための筋肉を使える効果的なひとつの道かと思います。

ただ、現代人にとってもっと大事なのは、「うまく脱力すること」かもしれません。背骨が伸びるためには、脱力することが必要になります。その点では、体をリラックスモードに切り替えるための呼吸法なども有効になります。

参考:呼吸法入門

微細な偏りを整える

姿勢が偏る前に、意識(意志)が偏ります。たとえば、前を見たい・前にあるものを触りたいと思えば、頭と手と肩が前へ偏ります。その状態が慢性化すれば、悪い姿勢が定着します。

「気」は「意」に従う、と言われますが、その「気」が体を作り、機能させている生命エネルギーなので、意の偏りが起これば体にも不調が現れます。

「気」というものにも、細かく言えばいろいろな種類・周波数帯のものがあり、そのバランスで心身は成り立っています。

その偏りは、多くの場合「欲求」によって生まれます。

偏りをニュートラルにもどすには、前方のスクリーンやスマホや外の世界への欲求を抑えて、内側に集中を向けるといった技法が有効です。それを行えるひとつの道が、瞑想ということになるのでしょう。

参考:気は意に従う

偏りに気づくためのヒント

アーユルヴェーダの考え方なども、偏ったドーシャバランスを整えるという方向性で考えられています。東洋医学にもほとんど同じような考え方があります。

ドーシャという言葉にもいろいろな意味があり、一般的には体質を左右するものとしてアーユルヴェーダでは考えます。「不純なもの」「増えやすいもの」という解釈もあります。食事や行動や思考などによって増減し、それによって体質が偏っていくと考えられています。

用語辞典:ドーシャ doṣa

偏りに気づくために、ドーシャ診断や脈診などで自己診断の機会を作るのも良いかと思います。基本的には、偏っている側の症状が出ているなら、逆側の性質のヨガをする・逆側の性質の食事をするなどしてバランスを取るという考え方で、本治の方向性を決めていきます。

参考:ドーシャ診断・アーユルヴェーダ体質チェック(ヴァータ・ピッタ・カパのバランス)

違和感を頼りに、方向性を定める

具体的な本治の方向性は、現在の偏りによって決まります。

偏りの診断や認識が間違っていると、より偏っていってしまうかもしれません。

ただ、間違った方向に行っている場合は必ず「違和感」があるはずです。

「違和感」を頼りに、注意深く偏りを感じ取りながらバランスを整えていくようにしましょう。正しい方向に進んでいれば、気持ち良い「快」の感覚があるはずです。

バランスを整え、偏りのない感覚を磨いていくには、センタリングやグラウンディングといった瞑想法(観想法)も有効です。

参考:センタリング瞑想のやり方・効果・コツ

参考:グラウンディング瞑想のやり方・効果・コツ

たとえば、もしなにか治療を勧められて、それを選ぼうか迷ったときも、まずセンタリングなどの瞑想をしてなるべく思い込みを捨ててニュートラルな思考にしてから、曇りない眼で判断できるようにしていけると良いかと思います。

習慣化:心身をうまくコントロールできるようにしていく

慢性的な偏りを解決し、再び偏りが慢性化しないようにするには、根本的に「生き方を変える」といった必要があるかもしれません。

慢性化した偏りの根本原因

慢性化した偏りの根本原因は、多くの場合「執着」であり、そこには「自分が拠り所にしていたもの」が関わっていることが多いです。そのため、そこを変えるには抵抗を感じる人の方が多いかと思います。

仕事に文句ばかり言っている人ほど、その仕事に執着が強かったりします。なかなかそこを変えられないのでしょう。

簡単なことではないかもしれませんが、もし根本的に改善して自分の心身をより自由にコントロールできるようにしたいならば、いままで拠り所にしていたものを、勇気を出して手放す必要があるかもしれません。

偏りを抱えながら生きていくのも人生

とはいえ、そこにこだわりを持って、抱えている症状とともに行きていくのも、また人生です。

「長生きするべし」とか「健康でいるべし」とかいう基準も、普遍的なものではありません。短く不健康に生きながら何かを成し遂げた人々もたくさんいるでしょう。

理解した上で、自分の道を選んでいくと良いでしょう。もし他人からは不健康に見えたとしても「自分で選んでコントロールできている」ということになります。

自分の責任で、自分で選んだ道を生きている人は、清々しく見えるものです。

「今やるべきこと」に収束する

結局のところは「今やるべきこと」に気づいているということが大切です。

そのために、「執着」をはじめとした煩悩を、ひとつずつ手放していく必要があるのでしょう。

そして気づきが磨かれていくと、少しずつ微細な世界が見えてきて、人間のさらなる進化といったものが見えてくるのかもしれません。その鍵を握っているチャクラやクンダリーニといった微細なものに、興味が向いてくる人も出てくるのでしょう。

いろいろな場面で、私の経験が役立つように、可能な範囲でコラムを書いたり、レッスンをしたりしていければと思います。

参考:セルフケア研究|心身を整え進化するためのヒント

参考:チャクラ研究|位置・数・覚醒(開く)方法・整え方

参考:クンダリーニ(クンダリニー)研究|覚醒方法・危険性・クンダリーニとチャクラの関係

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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