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かみあわない主張が飛び交う理由 〜人間がたどる「発達の螺旋」(インテグラル理論)〜

かみあわない主張が飛び交う理由 〜人間がたどる「発達の螺旋」(インテグラル理論)〜

無駄な小競り合いをなくして、「全体」を意識するようにしていく

昨今、混乱した世の中でいろいろな主張がSNSに飛び交っているようです。

それらが全くかみあっていない理由とは、何なのでしょうか。

その理由を説明するために、「インテグラル理論」で用いられている「発達の螺旋(スパイラル)」というものが役に立ちそうなので、紹介します。

「インテグラル理論」とは、アメリカの思想家ケン・ウィルバーが提唱した、人間や世界など万物について解明しようとした理論で、人間はどのように発達していくのか、そして組織や国家や宗教なども含めて、複雑な世界の構造を読み解こうとする研究です。

参考書籍:インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル/ケン・ウィルバー

この記事の目次

発達の段階が異なる人々が共存している

ケン・ウィルバーは「発達の螺旋」において下記に述べるような段階を定義しています。

発達の段階が異なる者同士は互いに攻撃し合い、議論がかみあいません(後述の「第1層」の段階においては)。

このことを理解していると、全くかみあわない論理で攻撃してくる人がいても、少なくともその場で無駄な争いをすることは避けられるでしょう。

発達?そんなもので人間の優劣をつけるな!差別だ!」と反射的に思った人は、「グリーン」の段階かもしれません。

まず、今回のコロナ騒動に関して、第1層の人々の思考パターンの例を挙げてみましょう。あえて極端に。

ベージュ「死にたくない!他人のことなんか知らん!マスクも買い占めだ!そして転売で日銭を稼ぐ!」

パープル「あえてマスクをつけないで、根性と祈りで耐え抜きましょう!」(という人もいれば、迷信に基づいて過剰な対策をする人もいる。)

レッド「俺様がマスク買い占めてきたから、お前らに配ってやるぞ!」(転売ヤーではなく、地方領主みたいな感じ。一見よさそうだが、自分の領民のことしか考えていない。)

ブルー「マスクをしないなんて道徳的に考えられない!そういうやつがいるから世界は悪くなるんだ!」(普遍的な根拠はなく、自集団の道徳をおしつける。)

オレンジ「WHOが科学的な根拠のもとに、マスクはあまり予防効果なしと言っているから、私はマスクをつけません。」(いまWHOも信用できませんけどね。)

グリーン「マスクが行き渡らない人に人権を!クルーズ船の中の人にも人権を!検査を拒否するのも自由のはず!なんなら転売ヤーにも人権を!そして私も幸せになりたい!」(という人もいれば、正反対の人もいて、みんな違ってみんないいよねってやつ。)

といった感じかなと想います。行動自体はあくまで一例で、正反対のことをする人もいます。ひとまず思考パターンの例としてみてください。

各段階には日本人の中には少ないものもあり、ピンとこないものもあるかもしれませんが、なんとなく周りをみると、この人はこの段階にあたりそうだなあというイメージができるかと思います。

書籍にはもっと詳しく書かれていますが、ざっと各段階の特徴を紹介します。

1.古代的・本能的な段階:ベージュ

基本的な生存活動の段階。食べ物、水、暖かさ、セックス、安全を重視する。必要であれば「生存のための集団」を形成して生命を永続させようとする。

具体例:最初期の人間社会、生まれたばかりの子ども、老衰した高齢者、飢餓状態にある大衆など

2.呪術的・アニミズム的段階:パープル

呪術的な思考。さまざまな恵みや災いは、善い霊や悪い例などの精霊によってもたらされていると考える。部族的集団を形成し、先祖には霊が宿っており、その霊によって部族がひとつに結びついていると考える。

具体例:儀式的行事を行う家族、信仰や迷信をもつ文化、運動競技のチーム、部族的な企業、ギャング集団など

3.「力のある神々」の段階:レッド

部族集団と区別された「自己」が初めて出現する。力強く、衝動的で、自己中心的で、勇敢である。封建的なリーダーが、服従し労働することと引き換えに、下層の者たちを保護する。

具体例:反抗的な若者、封建的な王国、ギャング集団のリーダーなど

4.神話的秩序の段階:ブルー

人生には意味があり、目的があり、方向性がある。その結末は、絶対的存在ないし絶対的秩序によって決められている。絶対的秩序が定める行動規範には従わなければならない。その秩序の根底には、何が正しいか正しくないかという原理が存在する。

具体例:愛国心、伝統的な道徳観を支持する多数派の人々、騎士道の行動規範、儒教時代の中国、ヴィクトリア朝時代のイギリスなど

5.科学的達成の段階:オレンジ

群集心理から脱して、個人として真理や意味を探求し始める。その方法には、一般に「科学的」と呼ばれる方法がとられる。

具体例:法人型国家、中流階級、唯物論/物質主義、植民地主義など

6.「感受性豊かな自己」の段階:グリーン

共同体主義的であり、人間らしい絆を重視し、エコロジーへの関心が高く、ネットワーク的に思考する。平等主義的な傾向が非常に強く、階層的な見方に反対し、多様性を重視する多元的相対主義。思いやり、気遣いにあふれている。

具体例:人権問題、ダイバーシティ推進運動、エコサイコロジーなど

7.統合的な段階:イエロー

無数の多様なシステムを結びつける統合性を探求するようになる。柔軟であること、自発的であること、機能的であること。差異や多元性は統合され、自然な流れをつくる。

8.ホリスティックな段階:ターコイズ

世界全体を包括するホリスティックな体系を生み出す。普遍的な秩序は存在するが、それは外面的な規則(ブルー)でも集団の絆(グリーン)でもなく、生命や意識の中に表現されるものである。

発達とはなんなのか

インテグラル理論では、人間は以上のような段階を経て発達すると述べられていますが、発達とは一体なんなのか。ケン・ウィルバーは、発達とは「自己中心性の減少」と「意識の拡大」であると定義しています。

自己中心性と意識の規模に応じて、上記の段階を3つに分類するとしたら、以下のようになります。

  • 自己中心的:ベージュ・パープル・レッド
  • 自集団中心的:ブルー
  • 世界中心的:オレンジ・グリーン・イエロー・ターコイズ

また、グリーン以前を第1層、イエロー以降を第2層と呼び、ここに重要な線引きをしています。

第1層までは、それぞれが自らの世界観こそが唯一正しい最善の見方であると考えているので、もし攻撃されればその段階特有の方法で反撃します。つまり(独力では)他の段階を十分に尊重できない、ということです。

第2層以降では、より全体を見ることができ、全ての段階に役割があるということを理解し、螺旋全体を見て考えることができます。

第2層への発達は極めて重大だとしていて、第2層の人間はまだ人類全体の2%程度とのことですが、今後増えていくであろうとしています。

ケン・ウィルバーは、特にこの境目にあるグリーンがどのような性質を持っているかということを詳しく述べています。というのも、イエロー以降に進むためには、グリーンという土壌が不可欠だからです。

グリーンは、グリーンより前の段階に対しても、後の段階に対しても、批判的になります。多様化、多元的相対主義を掲げるあまり、何が真実なのかはその人次第、「お前はお前、わたしはわたし」ということになり、それは偏った「自己愛」へとつながり、また集団として見れば「自由とは、終わりなき会合のことである」といった格言が示すような状況になります。

なんとなく、こういう人、こういう集団、今の日本人によく見られる気がします。忖度。

第2層では、ここから重大な一歩を進み、多様化・差異を認識した上で、より全体を統合するような姿勢になっていくということです。

そんな中、どうすればいいのか

全体を意識するべきなのか、自分や自集団だけでも生き残ろうとするべきなのか。答えは未だ一つには定まりそうにありません。

まずは、上記のように「自己中心性」に応じて「段階」の違いがあるのかもしれないな、ということだけでも理解しておくと、無駄に争ったりクソリプを送ったり、炎上に巻き込まれたりすることも少なくなるでしょう。

これらの話をヨーガの教えで解決するとしたら、実は「アヒンサー(自分にも、周りにも、苦痛を生まないこと)」で片付いてしまいます。

参考記事:「非暴力」と「誠実」が世界を変える

自分や周りの狭い社会だけでなく地球全体(宇宙まで?)へと意識を拡大していき、アヒンサーを徹底的に実践することができれば、全体の統一的な幸せが実現できるのだと思いますが、これがなかなか難しい。

本当に大切な実践法は、言葉で表すことは簡単なのです。本当に、徹底して、実践できるかどうかが重要です。

しかし「アヒンサー!(非暴力を実践せよ!)」だけ言われても、具体的になにをしたらいいかわからない人も多いでしょう。禅なんかは「只管打坐!(ただ座れ!)」だけで、さらにシンプルです。

なので、インテグラル理論も一つのヒントですし、それぞれに合った実践法を選べば良いと思います。もちろん、異なった実践法を選んでいる人を攻撃してはいけません。それが宗教戦争などにつながります。

それぞれに合った道で実践して、そして全体のことを考えられるようになっていけば良いと思います。

どんな道を選ぶにしても、やはり私は「気づき」が大切だと思います。

目の前にある分かれ道のどれが正しいのか、そしていま進んでいる道が正しいのか、判断するには気づきが必要です。

気づきは、磨ける

参考書籍

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