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気づきは、磨ける

気づきは、磨ける

苦労して行き着いたものをも、手放す勇気

今、何をするべきか。

いろいろな「健康法」や「瞑想法」と呼ばれているものも、これに気づくためのヒントにすぎません。

健康になること、瞑想をすることが、人間としての最終的な目標ではないはずです。

人それぞれ、仕事の能率を上げる、スポーツの成績を上げる、◯kgやせる、といった直近の具体的な目標もあることでしょう。それらを成すためにもまず何をするべきかを気づく必要がありますし、あるいはその目標が本当に今成すべきことなのか?ということも気づく必要があります。

千里の道も一歩から。その一歩一歩となる「今、何をするべきか」に気づくためには、「今、やらなくてもいいのにやってしまっていること」に気づいて、手放していきます。

体の動きなど目に見える行動に限った話ではありません。心も「今、考えなくてもいいのに考えてしまっていること」、つまり雑念にまみれています。これを減らすことが、集中力を高めることでもありますし、リラックスすることでもあります。雑念は、意外にとても多くのエネルギーを浪費します。

やらなくてもいいことに気づいて、それらを減らしていくことで、仕事や運動をしている時には「今、やるべきこと」にたくさんエネルギーを注ぐことができたり、リラックスしたい時にはエネルギーを浪費せず蓄えることにつながります。

気づく能力、最近マインドフルネスと呼ばれているモノは、そもそも自分の中に備わっているものであり、それを覆い隠している余計なフィルターがたくさんあります。

たとえば「先入観」「好き嫌い」「思い込み」といったものがフィルターの代表例でしょう。

精度の高い気づきというのは、それらの覆いを捨てることができたときに得られます。

なので、気づきを「手に入れる」「身につける」(外から)というよりは、「磨く」(内にある)という表現がフィットしているように思えます。

フィルターは人それぞれ異なるので、気づきの働き方も人それぞれ。しかもその瞬間の心や体の状態や環境などによって異なってきます。

たとえば同じ言葉を聞いても、人それぞれ、その時々によって捉え方は異なります。

たとえば同じツイートを見て、批判する人と擁護する人が現れるのも自然なことです。

たとえばヨガのアーサナを練習しているとき、「私はこの動きが苦手だ」「私は過去、この動きができたことがない」「私の体はこんなふうには動かない」といった先入観があると、動くべきものも動かなくなってしまいます。

練習を積んで、気づきが少し磨かれた状態になると、たとえば「開脚ができないのは、内転筋が硬いからだ」といったような、少し精度の高い気づきが生まれてきます。

精度の高い気づきは「今、何をするべきか」に繋がります。たとえばこの場合は「内転筋の柔軟性UP・外転筋の強化をしよう!」となります(解剖学や筋肉の知識が必須というわけではありません。それらもヒントのひとつです)。

しかし、この気づきがもし間違っていた場合や、あるいは気づいた後にたくさん練習をして内転筋はすでに十分柔軟になったのにまだ開脚ができないといった場合、苦労して行き着いたはずの「内転筋が硬い」という発想もただの「先入観」になってしまい、本当は股関節外旋ができていないのが原因なのに、内転筋のストレッチばかり練習してしまっている、といった事態になってしまいます。

今その瞬間の「ありのまま」に気づくためには、苦労して行き着いたものをも、勇気を持って手放す必要があります

全ての先入観を捨てなければ、ありのままは観ることができません。

先入観を生み出すのは、過去に得た知識や、他者との比較など、いろいろな原因があります。

では、知識など得なければいいのか?他者とは関わらないほうがいいのか?というと、そんなこともありません。全ては「気づきを磨くためのヒント」になります。それを答えであるかのように盲信しないこと、しがみつかないこと。

世界も自分も常に変化しています。ある瞬間にたどり着いた「答えらしきもの」にしがみついていては、「今、何をするべきか」を見失ってしまいます。

とはいえ、全ては経験です。気づいて手放すということも、経験すれば少しずつうまくなります。

うまくできなかったことも経験。無駄なことなど全くありません。

人間はわざわざそういう経験を積んで進化するようにつくられている、のかもしれません。

「生まれた理由」「今なにをするべきか」についての話

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

高橋陽介

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