ねたままでできる、蓮華座(パドマーサナ)の練習法。
まず「足を鼠径部に置けない」という方向けのやり方です。
「足を鼠径部に置けるようになったけど、膝が床まで降りない」という方は、下記の記事で解説しています。
≫蓮華座(パドマーサナ)の練習法2 〜股関節を内回しして膝を下ろす〜
蓮華座とは?という方は下記の記事を参考にしてください。
この記事の目次
足が鼠径部に置けない原因として考えられること
足が鼠径部に届かない場合、膝がしっかり曲げられておらず、ふくらはぎと太もも裏にスキマがある場合が多いです。
蓮華座は、膝をしっかり曲げた状態で股関節を回す動きなので、膝が曲がっていない状態(太ももとスネがバラバラに動いている状態)で練習すると、膝を痛めることになります。
膝がしっかり曲げられない原因としては、下記のようなものが考えられます。
- 太もも前がカタい
- 足首がカタい・まっすぐ伸ばせていない
- スネの骨が外に回っている(がに股・O脚)
- その他、骨格上の問題など
膝がしっかり曲げられたら、今度は「かかとをおへそに近づける」という動きを行います。
これができない場合の原因としては、
- お尻の筋肉(大臀筋)がカタいので脚をお腹に引き寄せられない
- 股関節を外回しする柔軟性が足りない
これらの問題を解決するためのストレッチなどを紹介していきます。
ただし注意点としては、股関節・膝・足首にかかえている癖は人それぞれであり、文字の情報や見本だけを頼りに実践しようとすると、場合によっては真逆のことをやってしまうことがあります。怪我をしないように、最適な道を歩むためには、個別にやり方の指導を受けるのが一番です。
もし膝が痛い場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
参考:あぐら・蓮華座・割座をしたり歩いたり走ったりするときに、膝の内側が痛いときのヒント
太ももの前側を伸ばし、足首を調整するストレッチ
太もも前と足首をのばすためには、スプタヴィラーサナ(仰向けの割座)が有効です。足首の向きも重要です。普段がに股の人は、つま先が外側を向いてしまいやすいので、つま先はまっすぐ後ろ方向へ向くようにしてから深く座るようにします。
両脚で行うのが難しい場合は、片脚ずつ練習しましょう。
1)長座の姿勢で坐り、右脚を曲げてカカトをお尻のすぐ脇に置き、足首をまっすぐのばし、なるべく両方のお尻をつくようにします。難しい場合は右のお尻は少し浮いていても構いません。
2)両脚の太ももを平行にして膝が離れすぎないようにしながら、手か肘を背中側の床について上半身を背中側に倒していきます。気持ち良い範囲で倒れます。
3)腰が反らないようにお腹を引き締めて坐骨をカカトのほうに向けつつ、膝が浮かないようにしっかり床に押していきます。上半身が床に近づくほど、太もも前(大腿四頭筋)が伸びます。
4)肘や手をついて起き上がり、膝を痛めないように慎重に解いて、左脚も同様に行います。
足首を伸ばすコツ・練習法
足首がカタいと、膝がしっかり曲げられません。蓮華座は一見、足首の柔軟性は関係なさそうに見えてしまうため、思わぬ落とし穴になっている場合が多いようです。
足首を伸ばすとき、足の甲の真ん中あたりから丸めるようにしてしまっている場合が多いです。
それよりも、くるぶしの下・少し後ろあたり(アキレス腱の下端の少し前あたり)を中心に足首が曲がるというイメージで動かします。ここから足首を伸ばすようにすると、かかとが足首のほうに引き寄せられ、ふくらはぎの下の方の筋肉が使われるようになります。のばされる側、スネや足の甲の筋肉は緊張しないようにしましょう。
しっかり足首が伸ばせると、足のいろんなところの筋肉がつりそうになるかもしれません。それだけ普段、使っていない筋肉があったということですね。つったところは、強く伸ばすようにするとなおります。
蓮華座の最中はずっと、足首を左右に曲げないようにまっすぐ伸ばすように筋肉を使い続けます。そうすると不思議なことに、自然と膝はしっかり曲がり股関節は内回しする方向へ働き始め、膝が床に近づいていきます。
股関節を外回し、お尻の筋肉を伸ばすストレッチ
股関節を外回しして、かかとをおへそ近づける動作をジャマしている筋肉を柔らかくします。
このためのストレッチとしては、ハーフバタフライとアイオブザニードル(針穴のポーズ)が有効です。
ハーフバタフライ
1)両脚を伸ばして座り、右脚を曲げて、右足を足首を90°曲げた状態で左太ももの上に置きます。左手で右足を持ち、右手は右膝に軽く添えます。
2)右手で軽くサポートしながら、右膝を上下に揺すります。膝をひねらないように気をつけながら、股関節を外に回すことで少しずつ膝を低い位置へ下げられるようにしていきます。
3)逆側も同様に行います。
アイオブザニードル(針穴のポーズ)
1)仰向けになり、両膝を立てます。
2)右膝を外に開き、足首は90°に曲げ、足を少し胸に引き寄せて、右足の足首を左太もも(膝の少し上あたり)に置きます。
3)右手は右膝の下から通し、左手は左脚の外側から通して、両手で左もも裏か左スネをつかみ、胸の方へ引き寄せます。このとき右足首は90°に曲げたまま、足裏は左側の壁を押し続けるように真横へ向けておきます。右ふくらはぎが胸と平行になるように、右膝は胸から遠ざけるようにします。上半身を持ち上げて胸と足を近づけるとさらに深まります。
4)左脚も同様に行います。
姿勢を整え、股関節の動きに集中
股関節を動かしたいと思いながらも、骨盤が動いたり腰が反ったりすると、それっぽくできてしまった気になってしまいます。
股関節以外の場所を正しく整えて、股関節の動きに集中するようにしましょう。
膝がしっかり曲がり、足が鼠径部に乗るようになったら、次は膝を床に下ろせるようにしましょう。