アシュタンガヨガのハーフプライマリーのクラス(レッドクラス)を受けたことのある方への復習用に。
そして、アシュタンガヨガとは?どんな苦行なの?と興味を持たれている方に。
フレアプラスのアシュタンガヨガクラスで行っているポーズ内容と順番を解説します。
フルプライマリーの内容・順番は、こちらの記事に書いてあります。
≫アシュタンガヨガ(フルプライマリー)のポーズ内容・順番
これまでアーサナ解説記事を書いたものには写真とリンクを貼っておきます。
今後、解説記事を書いたらリンクを増やしていきますので、たまにチェックしに来てみてください(≫更新日順のアーサナ解説一覧)。
記事の最後に参考動画を貼ってありますので、そちらも観ながら読んでみてください。
この記事の目次
アシュタンガヨガ(アシュタンガヴィンヤサヨガ)とは
アシュタンガヨガは、呼吸に合わせて動いていく「ヴィンヤサヨガ」と呼ばれるヨガのひとつで、一般にヨガスタジオで行われているアシュタンガヨガの正式名は「アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガ」と呼びます。
流れとしては、順番が決められたアーサナを呼吸に合わせてつなげていき、基本的にそれぞれ5呼吸ずつキープして次のアーサナ(両側があるアーサナは、反対側)へ進みます。
うまくできても慢心しない、できなくても執着しない、流れるように「今」に集中して進んでいきます。
アシュタンガヨガ・プライマリーシリーズのポイント
アシュタンガヨガのプライマリーシリーズは「前屈」と「股関節回転」がテーマになっていて、冒頭の写真のように半蓮華座を組んで股関節を柔軟にするポーズがたくさん後半に出てきます。
だからといって、半蓮華座が組めない人は無理!ということはありません。むしろそれをできるようにしていくのです。練習のために、簡単バージョンのポーズに入れ替えるなどして徐々にできるようにしていけますので、ぜひトライしてみてください。
たくさん動いて体を内側から温めるので、健康的な汗がたくさん出ます。
そして筋力・持久力を伴いながら柔軟性を高めていくことができます。
また、逆の動きをするカウンターポーズ(例:股関節を外回しするポーズの次に、内回しするポーズ)が交互にあり、効率的に柔軟性が高められるような順番になっていますので、順番を入れ替えずに練習していくのが良いでしょう。
チャンティング
最初にアシュタンガヨガのマントラを唱えます。
覚えられない・宗教っぽいので唱えたくないといった場合は、聴いているだけでも大丈夫です。
他のマントラに比べて抑揚があまりなく、よりお経っぽい感じです。なんとなく集中できるので好き、という人も多いようです。
意味としては、アシュタンガ(ヨガの8支則)の書かれた「ヨーガスートラ」を編纂したパタンジャリさんのことをいろいろ説明した末に、そのスゴい力をお授けくださいな、といった感じです。
オーム
Om
ヴァンデー グルーナーム チャラナーラヴィンデー
Vande Gurunam Carana-aravinde
サンダルシッタ スヴァートマ スカーヴァーボーデー
San-darshita Sva-atma Sukha-avabodhe
ニッシューレーヤセー ジャーンガリー カーヤマーネー
Nih-shreyase Jangali-kayamane
サンサーラ ハーラハラ モーハシャンティエイ
Samsara-halahala Moha-shantyai
アーバーフ プルシャーカーラン
Abahu Purusha-karam
シャンカ チャクラーシ ダーリナム
Shankha-cakra-asi Dharinam
サハスラ シラサム シュヴェータン
Sahasr Shirasam Shvetam
プラナマーミ パタンジャリム
Pra-namami Patanjalim
オーム
Om
アシュタンガヨガの太陽礼拝
スーリヤナマスカーラA(太陽礼拝A) 3〜5回
スーリヤナマスカーラB(太陽礼拝B) 3〜5回
2種類の太陽礼拝です。Bはウトゥカターサナ(椅子のポーズ)やヴィラバドラーサナⅠが入り、少し運動量が多くなっています。
各回最後のダウンドッグ(アドムカシュヴァナーサナ)で5呼吸キープします。
立位のアーサナ
2種類の立位前屈ポーズです。手と足で引っ張り合い、背中や脇の下をリラックスしてのばしておきます。
股関節を外回しして上半身を伸ばす&上半身をねじる、を交互に行う4つの立位アーサナです。
ウッティタは「伸ばした・広げた」の意味。パリヴリッタは「ねじった」の意味。
立位での開脚前屈です。腕の使い方でA〜Dまで4種類のバリエーションがあります。
背中で合掌して肩甲骨を寄せ、骨盤を整え、体側・腿裏を強く伸ばすポーズです。
片足立ちになり、上げた足先をつかんで強く伸ばす、バランス・股関節回転・腿裏を伸ばす動きを組み合わせたポーズです。
蓮華座シリーズの最初のポーズ。にしては、結構難しくていきなりビックリする人も多いでしょう。
片脚で立ち、バランスを取りながら半蓮華座を組んで、前屈します。
足が鼠径部に置けない場合は前屈しなくてもOK、まずは半蓮華座を深く組めるようになること。
太陽礼拝Aをダウンドッグまで行ったあと、椅子のポーズに入ります。
立位の股関節回転&体幹を鍛える、戦士のポーズ2種類。ヴィラバドラーサナⅠは股関節内回し、ヴィラバドラーサナⅡは股関節外回しです。アシュタンガヨガではA・Bと呼びます。
坐位のアーサナ
ここから先は、ポーズ間にハーフヴィンヤサが入ります。
疲れたら、ハーフヴィンヤサを入れない選択も可能なので、自分で運動量を調節することができます。
柔軟性と筋力・持久力はセットで高めるべき、という考え方から、できるだけハーフヴィンヤサをはさむようにしていくと効果が高まります。
(ハーフヴィンヤサ)
ジャンプバック
チャトランガダンダーサナ
ウルドゥヴァムカシュヴァナーサナ(アップドッグ)
アドムカシュヴァナーサナ(ダウンドッグ)
ジャンプスルー
坐位の基本姿勢ダンダーサナ(杖のポーズ・長座)から、前屈に入っていきます。
坐位の前屈。Aは親指をつかみ、Bは小指側から足をつかむか、足裏側で手首をつかみます。通常はこの2種類行う場合が多いですが、小指側から足をつかむのをBと呼び、足裏で手首をつかむのをCと呼んで3種類を行う場合もあります。
パスチモッターナーサナのカウンターポーズ。体の前側全体を伸ばします。
ちなみにパスチマは西、プールヴは東、ウッターナは強く伸ばす、の意味。
太陽に向かって太陽礼拝から始めると、西が背中で、東がお腹ですね。
トリアンガムカエーカパーダパスチモッターナーサナ(ティリヤンムカイカパーダパスチモッターナーサナ)
交互に股関節を外回し・内回ししながら前屈するポーズ群です。順番に行うことで、徐々に柔軟性を高めていきます。
ジャーヌシルシャーサナCが難しい場合は、Aをもう一度やりましょう。
膝を脇の下へ引き股関節を開きながら前屈し、腹筋も鍛えます。
Bでは半蓮華座を加えて、股関節内回しの動きも加えます。
ねじりのポーズです。Dでは半蓮華座を加えて、内臓へのマッサージを強めます。
お尻を中心にV字になります。お腹のインナーマッスルを思いっきり使います。
3〜5回繰り返します。終盤に来てなかなかつらいポーズ。
セツバンダサルヴァンガーサナ(←ブリッジできない場合や、準備ポーズが必要な場合)
ウルドゥヴァダヌラーサナ(ブリッジ)
ブリッジをします。準備が必要な場合や、ブリッジができない場合は、代わりに橋のポーズなど仰臥位の軽い後屈を行います。
仰向けポーズからハーフヴィンヤサへ戻る際に、慣れている場合はチャクラーサナをはさみます。慣れていない場合は、起き上がってからハーフヴィンヤサを行います。
後屈のあとに、前屈を行って刺激を中和します。
エンディングシークエンス
ここから先、バッダパドマーサナの前まではエンディングシークエンス。場合によって省く場合があります。
サーランバ・サルヴァンガーサナ(ショルダースタンド・肩立ち)
チャクラーサナで仰向けから抜けたあと、ハーフヴィンヤサを行って、そこからヘッドスタンドへ向かいます。
ヘッドスタンドが終わったら、バラーサナ(チャイルドポーズ)をはさんでから、ハーフヴィンヤサを行い、次の蓮華座シークエンスにつなぎます。
シャヴァーサナ前に、パドマーサナを組んだ状態で両手で床を押して体を持ち上げるウップルティヒ。
最後に結構つらいポーズですが、ここで最後の力を使い切ってシャヴァーサナで屍のようにお休み、という流れなので、サボらずに使い切りましょう。
ファイナルリラクゼーション
シャヴァーサナ
最も重要なポーズ。「ムリターサナ」とも呼びます。シャヴァは「屍」、ムリタは「死」。
息をしている以外は、全て力を抜いて、身体を大地に委ねます。
アシュタンガヨガの参考動画
現代のアシュタンガヴィンヤサヨガをまとめた、パタビ・ジョイスさんがフルプライマリーを行っている動画です。
なんだか様子がオカシイ動きがたくさん映ってますが、もちろんこの人達のやっているようにできなくても、問題ありません。まずはアーサナを覚えて、順番通りに練習を繰り返していればだんだんと深めていくことができます。
この動画の47:55あたりにでてくるナヴァーサナまでを行って、途中のブジャピダーサナ〜セツバンダーサナまでを飛ばして、1:01:00あたりに出てくるウルドゥヴァダヌラーサナから先を行って終わるのがハーフプライマリーです。
アシュタンガヨガの始め方・練習法
いくつか考え方がありますが、できないポーズがいくつかあったら、なるべく順番通りにできるように練習していきましょう。
「これができるようになると、これもできるようになる」というようにうまく順番になっています。
できないポーズばかり練習せず、太陽礼拝でしっかりウォーミングアップしてから、なるべく順番通りに練習していきましょう。
オープンクラスでは、基本的には順番通りに、参加者の方々のレベルに合わせてポーズ数を調整してレッスンを行っています。
プライベートクラスでは、習得されたいポーズを集中してレッスンすることもできますので、ご相談ください。