このポーズ大好き!という方と、超苦手!という方、極端に分かれるポーズ、ハラーサナ(スキのポーズ)。
ストレートネック・猫背の方は苦手な場合が多いですが、正しく行うことでそれらの改善につながる良いポーズです。
アゴを上げすぎない・引きすぎないこと。肩甲骨を寄せて胸を開き、肩を床にしっかり下ろすこと。
ハラーサナの主な効果
- 血行促進・むくみ改善
- 肩こりの改善
- 首・肩周りの姿勢改善
- 甲状腺を活性化
- ハムストリングス・大臀筋ストレッチ
ハラーサナの禁忌・注意点
首や背中を痛めている場合は行わないようにしましょう。首の柔軟性が足りない場合などは、肩の下にブランケットを畳んで敷いて、首のカーブをゆるめて行います。
無理につま先を下ろそうとすると首を痛めますので、重力にまかせて下ろしていきます。つま先がつかない場合は、手は背中を支えたまま行うのが良いでしょう。
ハラーサナのやり方
まずサーランバ・サルヴァンガーサナ(肩立ち)のやり方を参考にしてください。
1)サーランバ・サルヴァンガーサナ(肩立ち)からつなぎます。吐きながら、つま先をゆっくり床へ下ろしていきます。足首はリラックスした状態です。
2)つま先が床について安定したら、手を背中から離して肘を伸ばし、手を組んで床に置きます。
手のひらをぴったりつけて組むと肩甲骨がより寄せられますが、肩の可動域は狭まります。手を引っ張り合うようにして肩甲骨を離しながら行うと、よりスムーズに手を床に置けるようになります。
鼻先は真上へ、アゴを上げすぎず引きすぎないように。尾骨はカカトの方へ回します。5呼吸(アシュタンガヨガでは8呼吸、シヴァナンダヨガでは1〜2分)キープ。
3)手をほどいて、背中の下側を支える形に戻すか、手のひらを床に置く形にして、吸いながら脚を上へ挙げて肩立ちへ戻り、吐きながら、頭がゴロンと起き上がらないようにゆっくり背骨の上から順番に仰向けの状態に戻っていきます。シャヴァーサナで休みます。
バリエーション
- 肩の下にブランケットを畳んで敷くことで、首のカーブを軽減できます。
- 脚を伸ばすのがつらい場合は、膝を額の上に置くと楽です。
ハラーサナを深める方向性
- つま先を床につけ、なるべく遠くへ置けるようにしていく。
- 膝をまっすぐ伸ばし、お尻を肩の上へもってくる。
ハラーサナのコツ・練習法
サーランバ・サルヴァンガーサナ(肩立ち)と同様に、まずは土台から練習します。
後頭部・両肩の三角形で支えること。首の骨は床につかず、アーチを描いています。
首・肩の関係性を注意深く観察しながら整えていけば、首を片側にかしげる癖などが直っていきます。
以下の動画の後半でも簡単に解説しています。
アジャスト例(インストラクター向け)
- まず、お尻がなかなか上がらずに肩立ちのポジションにいけない場合は、頭側に立ち、脚だけをまず上方へ伸ばしてもらい(まだお尻は床についている)、その足を両手で持ってゆっくり頭の方向・水平方向へ引っ張っていく。引っ張る動きによって背中を丸まりお尻があがってくるので、手を背中にあてて支えるようにしてもらう。
- 足が床につかない場合は、椅子や重ねたブロックなどを足の下に置いて、そこに足がついたら下方向へ押してもらうようにする。
- 組んだ手が床についていない場合は、上腕を両手で支えて肩関節を内旋方向へ導きながら床へ近づけていくようにする。
- 膝が曲がっている場合は、腿裏・膝裏あたりを軽くさすって、伸ばすように導く。
シークエンス例
- 膝を開いて曲げ、耳の横へもってくるカルナピーダーサナなどへつなぎます。
- 片脚を半蓮華座にして、アルダパドマハラーサナにつなぎます。
- 足をトコトコ外側へ歩かせていくと、ねじりが加わりパリヴリッタ・ハラーサナにつながります。
- パリヴリッタ・ハラーサナから少し足を浮かせて背中側へ回して着地、パリヴリッタ・セツバンダーサナ(ねじった橋のポーズ)へつながり、セツバンダーサナを通過して逆側へトコトコ歩いていって、逆側のパリヴリッタ・ハラーサナからハラーサナへ戻ってきます(傍から見てるとヘンな曲芸ですが、内臓にとっても効果的)。
- チャクラーサナをはさんで、太陽礼拝につなぎます。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】ハラーサナ、ハラアーサナ、ハラアサナ、鋤のポーズ、スキのポーズ、すきのポーズ
【梵】Halasana
【英】Plow Pose