背骨と肩の柔軟性を高め、活気が湧いてくるシンプルな後屈ポーズ、サルパーサナ(ヘビのポーズ)。
シャラバーサナ(バッタのポーズ)と呼ばれることもあります。
シャラバーサナと呼ばれるポーズは、このサルパーサナやアシュタンガヨガのシャラバーサナのように上半身を上げる形と、シヴァナンダヨガのように下半身を上げる形があるようです。
サルパーサナの主な効果
- 背筋の強化、後屈の柔軟性UP
- 肩を後方挙上する柔軟性UP(前鋸筋・大胸筋・小胸筋など)・筋肉強化(広背筋・菱形筋・僧帽筋中部など)
- 重たい気(カパ)を減らし、活力が湧いてくる
- 心肺機能の向上
- 鬱の改善
- 代謝UP・血行促進
サルパーサナの禁忌・注意点
高血圧や心臓病の方は、苦しくない程度にキープし、特に力まないように気をつけましょう。
腰や肩を痛めている方は、痛みのない程度に行うか、ブジャンガーサナやスフィンクスなど腕でサポートできる後屈ポーズに置き換えましょう。
サルパーサナのやり方
1)うつぶせで寝ます。
2)お尻の上で手を組んで、息を吸って準備します。肩や手首などがかたくて手が組めない場合は、組まずに腕を後ろの方へ伸ばす形でも構いません。
3)息を止めて、背筋を使って背骨を反り、手は後ろへ上へと引っ張って肩甲骨を寄せます。その状態で、力まないように苦しくない範囲でキープします。
4)吐きながら、うつぶせにもどり、組んでいた手をほどいて腕を体の横におろし、顔は横を向けてリラックスします。
5)同様に5回まで繰り返します。休憩時の顔の向きは、そのとき気持ち良い方向へ向けるか、毎回逆側にするようにします。
サルパーサナを深める方向性
- より高く反れるようにしていく。
- 力まないように、長時間キープできるようにする。
サルパーサナのコツ・練習法
首だけで反らない、背筋全体を使う
反る動きをするとき、頭から動き出してしまって、首は反っているけれど背骨があまり反っていないというミスがよくあります。
最適な意識の仕方は人それぞれ異なるようなので、ひとつの例ですが、まずは背骨の下の方から反り始めるように意識してみるのもヒントになるかと思います。
インナーマッスルの腹筋を使って支える
腹筋は4層に分かれていますが、縦方向の腹直筋は背骨を丸めるための筋肉なので、後屈のポーズの最中はストレッチされていますが、横方向でインナーにある腹横筋は、腰の保護などのために収縮させるようにすると後屈を安定してキープすることができます。
サルパーサナは息を止めてキープするので、腹横筋を収縮するというイメージがしやすいかと思います。
手だけに頼らない
手に頼りすぎてしまう場合は、まず反り始めのときは手をあまり使わず、背筋を使ってしっかり反った上で、手を後ろへ引っ張る力を最後のサポートに使うというイメージのほうが良いかもしれません。
肩や手首がかたくて手が組めない人は、手を組まずに腕を後ろへ伸ばす形でも構いません。
肩を柔軟にする
肩関節は、基本的に内旋することで柔軟に挙上することができ、外旋することで可動性が下がって安定性が上がります。
例えばプランクポーズやチャトランガダンダーサナのように安定性が求められるポーズでは、軽く外旋するような意識をします。
ちなみにダウンドッグは柔軟性と安定性が両方求められるので、内旋を意識して挙上を十分にしたあと、最後に安定させるために外旋を少し意識するといった、少し複雑な肩の使い方をしています。
このサルパーサナの場合は、内旋を少し意識することで肩を後方挙上しやすくなります。同様な肩の使い方をするポーズは、プラサリタパドッターナーサナCや、シャシャンカーサナなどがあります。
アジャスト例(インストラクター向け)
- 骨盤あたりをまたぐように中腰で立ち、肩を両手で支えて、背骨を反る動きと肩甲骨を寄せる動きをサポートする。
- 肩がかたい場合は、肩周りのローテーターカフや三角筋をリラックスするようにさするなどした後、上腕骨を軽く内旋を意識するようにサポートする。
- 脚が浮いてしまう場合は骨盤を両側から手で支えて後傾方向へサポートする。
シークエンス例
アーサナ名の表記バリエーション
【日】サルパーサナ、サルパアーサナ、サーパーサナ、サーパアーサナ、ヘビのポーズ、へびのポーズ、蛇のポーズ
【梵】Sarpasana
【英】Snake Pose