小胸筋の特徴
小胸筋は、胸の外側あたり、大胸筋の深層にあり、肋骨と肩甲骨(烏口突起)をつないでいる筋肉。主に肩甲骨の下制・下方回旋を行い、肩甲骨が固定されているときは肋骨を引き上げて胸式呼吸を助ける働きをする。
大胸筋の奥にあるため普段は意識しにくいが、大胸筋の脇から肋骨に向かって指を入れると比較的簡単に触ることができる。触ってみると、とくに女性はガチガチに固まっていることも多いので、指先で触って圧をかけたり、触った状態で深い胸式呼吸をするなどしてマッサージしておくと良い。
肩甲骨の動きに関わる際は、脇の下に位置する前鋸筋とセットで働くことが多く、強化やストレッチはほぼ共通するやり方で行える。
小胸筋特有の働きとしては、胸式呼吸に関わるという点がある。胸式呼吸をしっかり深く行っていないとほとんど働かないが、限界まで吸い込もうとすれば自然と働き出す。指先で小胸筋に触れながら、深い胸式呼吸を行ってみると良い。また、普段から巻き肩にならないようにして深い呼吸をしていれば、小胸筋は固まりにくくなる。
小胸筋の主な働き
- 肩甲骨の下制
- 肩甲骨の下方回旋
- 肩甲骨の外転(前進)
- 肋骨を挙上して胸式呼吸を補助(肩甲骨が固定されている場合)
小胸筋の主な拮抗筋
肩甲骨の挙上
- 僧帽筋(上部)
- 肩甲挙筋
- 大菱形筋
- 小菱形筋
肩甲骨の上方回旋
- 僧帽筋
- 前鋸筋(下部)
肩甲骨の内転(後退)
- 僧帽筋(中部)
- 大菱形筋
- 小菱形筋
肋骨の下制
- 内肋間筋
- 下後鋸筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹直筋
- 腰方形筋
小胸筋の主な協働筋
肩甲骨の下制
- 僧帽筋(下部)
- 小胸筋
肩甲骨の下方回旋
- 大菱形筋
- 小菱形筋
- 小胸筋
- 前鋸筋(上部)
肩甲骨の外転(前進)
- 前鋸筋
- 小胸筋
肋骨の挙上
- 外肋間筋
- 上後鋸筋
- 斜角筋群
- 小胸筋
- 大胸筋
小胸筋の起始・停止
起始
第2または3〜5肋骨
停止
烏口突起
小胸筋を鍛えるヨガポーズ・エクササイズ例
前鋸筋とセットで強化
呼吸を用いる
- 胸式呼吸でなるべく限界まで吸い込む
小胸筋をストレッチするヨガポーズ・エクササイズ例
前鋸筋とセットでストレッチ
- 肩をすくめて、後方へ引く動作(肘が開かないように、肩関節を強く後ろへひっぱるように行う)
- アームアークス(ピラティス)