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ヨーガマカランダ概説【7】1.5後半 心と体とアートマー

ヨーガマカランダ概説【7】1.5後半 心と体とアートマー

心と体をうまく使っていくために、アートマー(真我・魂)を理解する

「現代ヨガの父」ことクリシュナマチャリア氏の主著である「ヨガマカランダ(ヨーガ・マカランダ)Yoga Makaranda」を読み進めていきます。

参考:ヨガマカランダ(ヨーガ・マカランダ)の概要

今回は1.5節の後半、ヨーガを実践するにあたって、心と体とアートマーをどのように扱うかという部分です。

引用部分は、特に記載のない限り以下の英語版(2006年)Yoga Makarandaを出典とします。

Yoga Makaranda(無料PDF 3.9MB)

この記事の目次

アートマーとは

前記事からの続きになりますが、アートマーについて簡単に説明しておきます。

アートマー(アートマン)というものは、言葉で説明するのが難しい概念ではありますが、ヨーガでは「真我」などと訳されます。

ヨーガでは、体も心も真我にとっては道具のようなもので、この世界を映し出し、感じ取り、行動するための乗り物のようなものと考えます。ひとまずは、それらの乗り物を操っている「魂」のようなものと捉えても良いかもしれません(魂、霊、ソウル、スピリットといった言葉も、定義が難しいものではありますが)。

用語:アートマン(アートマー) ātman(ātmā)

体と心をうまく使えるようになっていくためには、アートマーについて知っておく必要があります。

1. Among the three — the body, mind and atma, the body is the gross jadam, the mind is the subtle jadam. But the atma is not a jadam.

肉体は粗大なジャダムであり、心は微細なジャダムであるが、アートマーはジャダムではないといいます。「jaḍa ジャダ」とは、ここでは「認識能力のないもの」「物質」といった意味で使われていると考えられます。

肉体と心はやはり道具であり、主体となっている意識はアートマーであるということでしょう。

It has the nature of energy, has light (consciousness), and completely pervades all gross and subtle objects. Moreover, it gives identity and form to all objects and yet it is not affected by their activities.

アートマー自体はエネルギーであり、光(意識)を持ち、あらゆる粗大な対象と微細な対象に完全に浸透しているといいます。

そして、アートマーはあらゆる対象に同一性と形を与えるが、それらの活動によって影響されることはない、と説明されています。

ヨーガでは、全ての物質世界は自分が作り出した「幻(マーヤー)」であると考えているため、アートマーは自分で世界を作り、心と体を作ってその世界で活動させているということになります。

アートマーが最も重要

2. Of these three, the atma is the most important. Therefore in the three states of jagrata (waking), swapna (dream), and sushupti (deep sleep), we, our body and atma, completely experience the relevant positions and movements of
these states.

心・体・アートマーのうち、アートマーが最も重要であり、その理由を説明するためにジャグラタ(覚醒)、スワプナ(夢)、スシュプティ(深い眠り)という3つの状態について述べています。

But one might ask the question as to whether it is possible to experience anything in a proper deep sleep (nidra). But after waking up, he says “Aha, I slept well!”.

深い眠りのとき、体や心は活動していませんが、アートマーはそのときに幸せで満ち足りた体験をしているため、私たちは眠りから覚めたときに「あーよく寝た!」という幸せを経験することができる、と説明されています。

Instead of being involved in external activities the mind has turned inwards. The reason for this inward focus is that there is no taste for outside activities.

つまり、外的な対象に巻き込まれるのではなく、内向きな感覚によって至福を得ることができるため、アートマーが最も重要であるという話です。

Only if there is a connection with the atma can the activities of the mind and body occur. When there is no connection with the atma, the lifeless inactive body will stiffen and fall like a log and in a short time will smell bad and decay.

心と体の活動はアートマーとのつながりがあって初めて起こり、そのつながりがなければ体は生命を失って硬直し、やがては腐敗するといいます。

このあたりの話は、微細身を理解するための話として私が過去に書いた記事とも関係があります。

参考:「微細な体」に関するとっかかり話 〜気の体(エーテル体)〜

私たちの体はいくつかの体の層によって成り立っている、というのはヨーガで用いられる基本的な考え方で、シャリーラやコーシャと呼ばれるいくつかの分類があります。

用語:シャリーラ śarīra

用語:コーシャ koṣa

The first layer of the atma is the mind and the second is the body. Between these there is a close relationship. By the peaceful nature created by the good health of the body the mind becomes quiet and steady. The steadiness and quietness of the mind brings about the experience of the blissful state of atma. The place to perceive this experience is deep sleep.

「私」を構成する層構造の定義は、ヨーガ以外の分野でもいろいろありますが、ここではシンプルに、心・体の2層とアートマーに分けられています。

アートマーの第一層は心、第二層は体で、これら二つの層の間には密接な関係があり、体の健康によってもたらされる平穏な状態によって心は静まって安定し、心の安定と静寂は深い眠りにつながり、深い眠りはアートマーの至福の体験をもたらすといいます。

深い眠り(ヨーガニドラー)と通常の眠り(ニドラー)の違いについては、1.1節でも説明されていました。

参考:ヨーガマカランダ概説【2】1.1 なぜヨーガを修習するのか

アートマーと心と体の関係

アートマーに関する説明が続きます。

3. Atma is that which can never be destroyed. That is, it is unchanging and does not take different forms every moment. But the body and mind are changing constantly and take on different forms every moment. When the body withers, the atma acquires a new body.

アートマーは滅びることはなく不変であるが、心身は常に変化して異なる形をとり、体が衰えれば、アートマーは古い服を捨てて新しい服を手に入れるように、新しい体を得るといいます。

ヨーガでは基本的に、輪廻転生があると考えます。一般的な考え方では「死んだら生まれ変わりたい」と思ってしまうことが多いかと思いますが、生まれ変わるということはやり残したことがあるということであり、定められた行為をしっかり行って、生まれ変わる必要がないようにする「解脱」を目指していくのが、基本的な方針です。ただ、アートマーは不変であるとすれば、なにかを学ぶということはないはずなので、なぜわざわざ心と体をつくって物質世界をつくって、いろいろ経験しているのか?というのはよく議論される究極的な問いです。それはただのリーラ(戯れ)である、というのも一つの答えです。

用語:サンサーラ(サムサーラ) saṃsāra

用語:カルマ karman

It is as if we were discarding old clothes and acquiring new ones. The new body one gets depends on the results of one’s life and actions with desire of results (kaamya karma phalam). If one is nishkaamyakarma (one engaged in unselfish action free of worldly desires), the atma will not be bound to any form of prakrta body.

その新しい体は、人生の内容や、結果を求める行為によって決まるが、世俗的な欲望から解放された無私の行為に従事する人(ニシュカーミヤカルマ)のアートマーはいかなる低次の体に縛られることがない、と説明されています。

ここで出てくる「kāmya カーミヤ」は「望み」「願い」などの意味で、「phala パラ」は「果実」「利益」などを意味する言葉です。

ニシュカーミヤカルマはジーヴァンムクタ(生きながらにして解脱した人)とほぼ同義の言葉かと思いますが、ニシュカーミヤカルマ以外のアートマーは、低次の体(心や肉体)に影響されるのか?このあたりは読み取るのが難しく、英訳の正確性も気になりますが、一旦ざっと読んでいくことにしましょう。

用語:ムクタ mukta

その後の説明としては、断食を続けると感覚認識能力が衰えていき、生命力が失われていくため、心と肉体とアートマーの関係性を悟ることができる、といった例え話が続き、この節の最後にはインドリヤ(感覚・行動器官)とプラーナ・ヴァーユ(生命エネルギーの流れ)の話が出てきます。

Secondly, we have eleven indriyas — the five gñana indriyas, the five karma indriyas and the mind. Among these, even if one or two of the indriyas or the karma indriyas are absent, the body will continue to function. But if the prana vayu leaves the body, the body cannot function and all its activities will cease. Therefore, the statement of experience is that the prana vayu is superior to all the indriyas.

私たちには11のインドリヤ(5つのジュニャーナ・インドリヤ、5つのカルマ・インドリヤ、心)があり、これらのうち1つか2つのインドリヤ、あるいはカルマ・インドリヤが欠けても体は機能し続けるが、プラーナ・ヴァーユがなくなると体は機能できなくなり全ての活動が停止するため、プラーナ・ヴァーユはすべてのインドリヤよりも上位にある、と説明されています。

インドリヤの分類は、「Jnanendriya ジュニャーネンドリヤ」、「Karmendriya カルメンドリヤ」という言い方のほうが現代ではよく見かけるかもしれません。

ジュニャーネンドリヤ(感覚器官)は以下の5つです。

  • 皮膚

カルメンドリヤ(行動器官)は以下の5つです。

  • 発声器官(口)
  • 排泄器官
  • 生殖器官

そしてマナス(心)をあわせて、11のインドリヤとされます。

これらを機能させているのがプラーナ・ヴァーユということになりますが、ヨーガでは一般的な言葉であるからか、ここではプラーナ・ヴァーユ自体の説明はありません。ただ、この本には巻末に用語集があるのでそこを参照してみると、「prana プラーナ」は「breath, breath of life, vital air」、「vayu」は「air; wind; vital air」となっています。合わせると、息・空気・風・生命エネルギーといったニュアンスの言葉となります。

目や耳や手足がなくなっても命は維持されますが、生命・活動を行うためにはプラーナ・ヴァーユは欠かせないものであるということです。

では、プラーナ・ヴァーユをうまく扱っていくにはどうしたらいいのか。次の章では8支則に関する説明が始まり、その中でアーサナやプラーナーヤーマについても語られることになります。

次記事:(執筆中)

前記事:ヨーガマカランダ概説【6】1.5前半 ヨーガを学ぶ権利のある人

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