仰向けの後屈としてよく行われるポーズ、セツバンダサルヴァンガーサナ(橋のポーズ)。
腕の置き方や、呼吸をで変えたり(胸式呼吸 or 腹式呼吸)することで、効果が変わります。
セツ(セートゥ)は「橋」、バンダは「ロックする」、サルヴァンガは「全身」の意味(インドの先生の「セツ」の発音は「セートゥ」でした)。
現代ヨガでは「橋のポーズ」と言う場合はこのポーズを指すことが多いですが、流派によっていくつかの「橋のポーズ」があります。
アシュタンガヨガの「橋のポーズ」のセツバンダーサナは、下記の記事で解説しています。
シヴァナンダヨガの「橋のポーズ」のセツバンダーサナは、以下の記事で解説しています。
この記事の目次
セツバンダサルヴァンガーサナの主な効果
- 体幹前面のストレッチ
- 姿勢改善、猫背・ストレートネックの改善
- 背筋・ハムストリングス強化
- 腹直筋・大腿四頭筋・大胸筋・小胸筋ストレッチ
- 腸腰筋ストレッチ、股関節伸展の柔軟性UP
- 甲状腺の活性化
- 消化器系の活性化
- ストレス解消・リラックス
胸式呼吸で行う場合と、腹式呼吸で行う場合で効果が変わります。
胸式呼吸の場合は、お腹を細く長くし体幹を強化しながら、胸に呼吸を通すことでさらに反って開いていくことができます。
腹式呼吸の場合は、体幹で支える力は弱くなり背骨の反りは緩やかになりますが、下腹部や股関節へ呼吸を通すため、腸や生殖器系の働きを促進します。
セツバンダサルヴァンガーサナの禁忌・注意点
背中の筋肉・腰・ハムストリングスなどを痛めている場合は避けましょう。
ポーズ中は首を痛めないように、頭を左右にふらないようにしましょう。顔はまっすぐ天井方向へ向けておきます。
セツバンダサルヴァンガーサナのやり方
1)仰向けになり、足の間は拳1つぶん〜腰幅程度に開き、両膝を立てます。カカトが膝の下に来るように、少しおしりの方へ引き寄せます。両手は体側にのばし、手のひらは床に向けます。
2)吸いながら、背骨をひとつひとつ床からはがしていくようにお尻を持ち上げていきます。胸の真ん中を持ち上げ、少し胸を反らせて、肩〜膝で橋のように軽いアーチをつくるようにします。この形でも完成です。
なるべく背筋を使って反っていきますが、手で床を軽く押しても構いません。
3)床に置いていた手を離せそうであれば、手を組んで肩甲骨を少し寄せて胸を開き、胸骨を高くします。組んだ手で床をさらに押して、おへそを高くあげていきます。この形で5呼吸キープします。このとき、上記の効果を参考に、胸式呼吸・腹式呼吸、どちらかを選択します。
4)吐きながら、手をほどいて、背骨の上から順番に床へ下ろしていきます。脚を伸ばして、シャヴァーサナで休みます。
セツバンダサルヴァンガーサナを深める方向性
- なるべく高くお尻を上げる。
- 背骨全体を反らし、鎖骨の間をアゴにつけられるようにしていく。
セツバンダサルヴァンガーサナのコツ・練習法
膝とつま先はまっすぐ前へ向ける
足の間は腰幅程度まで開いても良いですが、ガニ股になって膝が外に向いてしまわないように気をつけます。
ガニ股で行うと安定性が高い感じられることがありますが、仙骨が圧迫されてしまうので結果的に背骨全体が反れず、また腰痛につながりやすくなります。
そのため、太ももの間にブロックなどを挟んで、膝が開かないように内転筋を使いながら練習すると、正しい姿勢を維持するための筋力を高めるのに効果的です。逆に言うと、内転筋が弱くて脚やお尻の外側の筋肉が強い人は、ガニ股になりやすい傾向があります。
顔をまっすぐ天井方向へ向ける
ストレートネックや猫背の方は、アゴが上がってしまうことがあります。顔はまっすぐ上を見る(軽くアゴを引くようなイメージ)で行うと良いでしょう。
正しく行うと、ストレートネックや猫背の改善にとても有効なポーズになります。
以下の動画の後半でも簡単に解説しています。
アジャスト例(インストラクター向け)
- 足の位置が遠すぎる・近すぎるの場合は、膝の下にかかとが来るように指示する。
- 足同士が離れすぎている・ガニ股になりすぎている場合は、こぶし1〜2個分の幅で平行にならべるように指示する。
- ストレートネック・猫背の人はアゴがあがりやすいので、アゴをひいて顔がまっすぐ天井方向へ向くように指示する。
- 頭側に立ち、みぞおち裏のあたりを両手で支えて、胸を斜め上方向へ持ち上げるのを導く。
シークエンス例
- 片脚を持ち上げるとエーカパーダセツバンダサルヴァンガーサナ(一本足の橋のポーズ)につながります。
- ウルドゥヴァダヌラーサナ(ブリッジ)の準備ポーズとして有効です。
- 後屈のポーズなので、このあとは背中を伸ばす前屈系のポーズをカウンターポーズとして行うのが良いでしょう。仰向けのまま両膝を抱え込んでガス抜きのポーズ、チャイルドポーズ、パスチモッターナーサナなどを行います。
≫エーカパーダセツバンダサルヴァンガーサナ(一本足の橋のポーズ)
アーサナ名の表記バリエーション
【日】セツバンダサルヴァンガーサナ、セツバンダサルヴァンガアーサナ、セートゥバンダサルヴァンガーサナ、セートゥバンダサルヴァンガアーサナ、橋のポーズ、太鼓橋のポーズ、全身で支える橋のポーズ
【梵】Setu Bandha Sarvangasana
【英】Bridge Pose