賢者のポーズ、マリーチアーサナ(マリーチャーサナ)シリーズのD。マリーチアーサナBとCを組み合わせたポーズです。しっかり組めると、下腹部がカカトでマッサージされて、とても気持ち良いです。
「ある程度やり方を知っているけど、正しいやり方・コツが分からない」という方は、コツ・練習法の項を参考にしてみてください。
アシュタンガヨガのプライマリーシリーズでは、前屈・股関節屈曲・股関節回転・ねじりをそれぞれ組み合わせたマリーチアーサナシリーズが出てきます。
マリーチアーサナA:前屈(背中・ハムストリングスのストレッチ)+股関節屈曲
マリーチアーサナB:前屈(背中のストレッチ)+股関節屈曲+股関節回転
マリーチアーサナC:ねじり+股関節屈曲
マリーチアーサナD:ねじり+股関節屈曲+股関節回転
この記事の目次
マリーチアーサナDの主な効果
- 消化器系の活性化
- 腹斜筋の強化・ストレッチ
- 股関節外旋の柔軟性UP
- 肩関節の柔軟性UP
- 腸腰筋強化(体幹が後ろに倒れないように立たせる)
- 大臀筋・大腿四頭筋ストレッチ(股関節屈曲)
マリーチアーサナDの禁忌・注意点
肩関節の柔軟性が足りず背中側で手がつかめない場合は、右手は床に置き、左腕を右膝の外側にひっかける形にするか、あるいはタオルやヨガベルトなどを使ってひっぱり合います。
股関節回転の柔軟性が足りない場合は、半蓮華座を組まずに左足は右膝の下に通して床に置く形で練習します。
股関節屈曲の柔軟性が足りない場合は、ブロックの上に座ったり、右足をつく位置を少し前にするなどして調整します。
下腹部を強く圧迫するので、妊娠中の方は避けましょう。
マリーチアーサナDのやり方
1)長座(ダンダーサナ)で坐ります。左脚を曲げて、足首はまっすぐ伸ばしながら右鼠径部に置き半蓮華座の形をとります。このとき右太ももは少し外へ回すようにすると、左足首をより深く鼠径部に置けます。右脚をまっすぐ曲げて立て、右カカトをなるべくお尻の近くに置きます。右鼠径部と太ももで左足を挟み込むような形になります。右のお尻は浮いても良いので、左股関節を内回しして左膝をしっかり床に接地します。
2)吐きながら、お腹を強く引き入れ背骨を伸ばしながら上半身を右へねじり、右膝を左脇に引き寄せます。
3)左腕を内回ししながら、右スネの前を通して背中側へ回し、右腕も背中側へ回して、左手で右手をつかみながら軽くひっぱります。両胸を開き、背骨をさらに上へ伸ばながらねじります。首が前へ飛び出ないようにしながら真横を向くように目線を後方へむけます。5呼吸キープ。
4)吸いながらねじりをほどき、長座の姿勢に戻ってきます。逆側も同様に行います。
マリーチアーサナDを深める方向性
- 蓮華座の膝が床につくように、股関節・膝関節・足首の柔軟性を高める。
- 立てた脚の膝を逆側の脇腹に近づけ、体をコンパクトにする。
- 体幹を立たせて、お腹を細く長くしながらツイストを深める。
- 手首をつかめるように、肩を柔軟にする。
マリーチアーサナDのコツ・練習法
マリーチアーサナDがうまくできない場合は、以下のようなポイントをチェックしてみましょう。
- 蓮華座の足先はまっすぐ伸ばし、股関節を内回しして左膝を床にしっかり接地する。
- お腹を引き締めて、胸式呼吸で呼吸しながら背骨を伸ばす。蓮華座のカカトを下腹部へおさめる。
- 左腕の使い方は、胸を開きながら上腕は強く内回しする。腕が回せない場合は、まず肘を右膝の外にひっかける形で練習する。
このポーズではほとんど腹式呼吸できません。
お腹は薄く長く保ち、胸式呼吸します。呼吸を止めないように、肋骨をしっかり広げて呼吸します。
蓮華座を深め、体をコンパクトにするのはマリーチアーサナBで練習します。
巻きつける左腕の使い方、上半身のねじり方は、マリーチアーサナCで練習します。
アジャスト例(インストラクター向け)
- 蓮華座の膝をしっかり床におろして安定させた上で、ねじりを導く。正面に座って、自身の脚を伸ばして腿裏を使って生徒の蓮華座の脚を床におろして支えてから、以下の腕や体幹のアジャストをしていく。
- 手がつかめていない場合は、腕が最短距離を通るように修正する。上腕を手で支えて、内旋方向へ導く。
- 巻き肩・猫背にならないように、両肩を手で支えて胸を開くようにサポートする。
- 吸息で上へ伸び、呼息でねじるように指示する。
シークエンス例
アシュタンガヨガのプライマリーでは、マリーチアーサナCの後にマリーチアーサナDを行い、ナヴァーサナへつなぎます。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】マリーチアーサナD、マリーチャーサナD
【梵】Marichasana D, Marichyasana D
【英】Marich’s Pose D, Marich the Sage Pose D