ヴィラーサナ(割座)から仰向けになり、太もも前・外側をさらに強く伸ばすポーズ。スプタは「眠った」などの意味。
この記事の目次
スプタ・ヴィラーサナ(仰向けの割座)の主な効果
直立した割座よりもさらに太ももの前側・外側をストレッチします。おしりの外側、腰の側面など股関節まわりの多くの筋肉をのばします。
パドマーサナ(蓮華座・結跏趺坐)やアルダシッダーサナなど他の坐法を組むために、必要な柔軟性を高める練習にもなります。
スプタ・ヴィラーサナ(仰向けの割座)の禁忌・注意点
股関節・太もも・足首などの柔軟性が足りない場合は、無理に床に背中をつけにいかないようにしましょう。
腰が反りすぎないように、腰の下にスペースが手のひら1枚分よりもあいてしまう場合は、背中の下にボルスターや大きめのクッション、ブランケットを丸めたものなどをいれましょう。
スプタ・ヴィラーサナ(仰向けの割座)のやり方
まずは割坐(ヴィラーサナ)のやり方を参照してください。
1)割坐(ヴィラーサナ)で坐り、手を背中の後ろの床に置いて、骨盤を後傾させていきます。
2)肘を床について、ゆっくり骨盤を後傾させて背中を床に近づけます。このときから腰が反りすぎないように、坐骨を膝のほうへ向けて骨盤から後傾させていきます(背中の上の方だけ反っていかないようにする)。
3)背中が床あるいはボルスターなどに接地したら、鼻先は真上を向いて、アゴが上がりすぎず引きすぎないように。腰の下のスペースをつぶしていくように坐骨をさらに膝のほうへ向けていきます。膝が浮かないようにしっかり接地しておきます。
4)息を吸いながら、お腹を引き締めて背骨を保護し、肘で床を押してゆっくり起き上がってヴィラーサナへもどります。
スプタ・ヴィラーサナ(仰向けの割座)を深める方向性
- 膝を床につけたまま、背中を床におろしていく。
- 腰が反らないように骨盤を後傾し、腰の下のスペースを埋めていく(最終的に手のひら1枚分くらいのスペース)。
- 腰が反ってしまう場合は一旦膝を開いた形で行い、背中が床に降りるようになったら、体幹の状態を保ちながら膝を閉じていく(こぶし1個分くらいの幅)。
スプタ・ヴィラーサナ(仰向けの割座)のコツ・練習法
お尻が床につかないうちは、お尻の下に畳んだタオルやクッションなどを置いて練習しましょう。無理に仰向けを目指して倒れていくと腰や膝などを痛めるので、少しずつ太もも前の筋肉を伸ばすことを優先していきます。
背中が床につくまでは、ボルスターなどに背中をあずけ、だんだんその高さを低くしていきましょう(ボルスターに背中をあずけて胸を開くようにするポーズも、とっても気持ちいいですが)。
坐骨を膝の方へ向けていく動きと、膝が浮かないようにする動きのせめぎあいになると思います。バランスをとりながら、だんだん腰の下のスペースをなくしていく(最終的に手のひら1枚分くらいにする)ことで太ももの前側が伸びていきます。
片脚を曲げる形で練習することもできますが、骨盤がゆがまないように気をつけて、体幹が側屈したりねじれたりしないようにしましょう。
また、立った状態で片脚ずつ曲げて練習することもできます。
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アジャスト例(インストラクター向け)
- 腰が反らないように、骨盤を左右から両手で支えてニュートラルになるようにサポートする。腰が反らないようにように腹筋を使うように指示(恥骨をおへそに近づける、などの表現)する。
- 腿裏とふくらはぎの間になにかをはさむようなイメージで、膝をしっかり曲げるように指示する。
- 足首が外に開いたり内に曲がりすぎている場合は修正する。
- かかとの側面とお尻の側面のあいだに隙間がある場合は、一度起き上がり少しお尻を上げてから修正し、足首をしっかり伸ばすようにしながらお尻を落としてポーズに入っていく。
- 膝の向きが内を向いていないor内を向きすぎている場合は、股関節から動かすように正しい膝の向きへの修正を指示し、太ももと足を支えて股関節の回旋を導く。
シークエンス例
- 正座(ヴァジュラーサナ)や蓮華座(パドマーサナ)の準備として行います。
- 手は足首を持って、頭頂を床について後屈を加えていくこともできます。さらに手を頭の横について、膝をついたブリッジのような姿勢へつなげます。
- 脚を開いて行うと、股関節外転の動きが加わり、腰がそりにくくなって軽減され、陰ヨガのサドルポーズになります。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】スプタヴィーラーサナ、スプタヴィラーサナ、仰向けの割座、仰向けの英雄坐、スプタヴィーラアーサナ、スプタヴィラアーサナ
【梵】Supta Virasana
【英】Sleeping Hero Pose