日本で言うところの「正座」、ヴァジュラーサナ(金剛坐・稲妻のポーズ)。
足首が痛い、股関節が固いなどの理由で、正座が苦手な方もいるかと思います。
軽減法を使いながら、少しずつ練習して、正座ができるようになるコツや練習法を紹介します。
この記事の目次
ヴァジュラーサナ(正座)の主な効果
- 足首矯正
- 骨盤矯正
- 胃の消化力を高める
- 集中力UP
- 心身のリラックス
- 大腿四頭筋ストレッチ
足首・膝・股関節・骨盤を整える
足〜骨盤までの歪みは、足首などから始まっていることが多いです。全身を支える重要な関節が歪んでいて様々な不具合が現れます。
正座は、足首の歪みを適度な圧によって整えるために有効です。
ただ、痛いのを我慢して行っているとなかなか続きませんので、軽減法を使いながら自分にあった形で深めていきましょう。
消化に良いポーズ
太ももの前側やスネの前側には、胃の経絡が通っています。
正座はこれらの部分を伸ばし、胃の経絡を刺激し消化を促進するので、食後に落ち着いて正座で坐っているのはとても有効です。
ヴァジュラーサナ(正座)の禁忌・注意点
足首・膝・股関節などを痛めている場合は、やめておきましょう。
損傷しているわけではないが、痛みがあるという場合は、注意深く以下のやり方やコツを参考にしながら、少しずつ深めていくようにしましょう。
ヴァジュラーサナ(正座)のやり方
1)膝立ちになり、膝の間は坐骨幅(こぶし1個分)か、それより狭い幅に閉じます。
2)膝を曲げて、お尻を土踏まずに乗せるように坐ります。足首は内側へ曲げすぎず、自然に伸ばします。足首を伸ばした(底屈・ポイント)方が、ふくらはぎと太もも裏のスペースを埋めてしっかり膝が曲げられます。

3)骨盤を立て、自然な背骨のカーブをつくりながら、頭頂を高く、両手は太ももの上に軽く置きます。

軽減法
足首や膝の柔軟性が足りない場合は、少し足を開いて置き、お尻の下にブロックやクッション、バスタオルか座布団を畳んだものなどを敷いて、負荷を下げて練習しましょう。
法事のときに、お寺にそういった座物が置いてあるのを見かけることもありますね。
慣れてきたら、少しずつ敷いたものの高さを減らしていって、深めていきましょう。
足の形によるバリエーション
お尻を乗せる足の形によってバリエーションがあり、効果が異なります。
・足を少し内側に揃え、かかとの上にお尻を乗せて坐るバリエーションです。しっかりまっすぐ坐ることで、足首をまっすぐ底屈できるように整える効果があり、より圧力をかけて整えながら柔軟性を高めます。曲がっていると、より歪んでしまいます。自分で足首を見るのは難しいので、写真を撮ってみたり、時には人に見てもらいながら感覚で覚えます。

・かかとをくっつけて、坐骨の間にしっかり並べて行うバリエーションもあります。足首をまっすぐしっかり伸ばして行う必要があるため、難しいと感じる人も多いかもしれませんが、正しく行っていると足首の調整につながります。
・足を少し開いてお尻を床に下ろすと割座(ヴィラーサナ)になります。太もも前を伸ばし、股関節を内回しすることに重点が移ります。
ちなみにこれらの練習は、ヨガベーシックのクラスでもほぼ毎回行っています。
ヴァジュラーサナ(正座)を深める方向性
- 骨盤が正面を向くように、左右や前後のズレがないように整える。
- 左右の股関節・膝・足首の形を均等に整える。
- 落ち着いて、長時間キープできるようにする。
ヴァジュラーサナ(正座)のコツ・練習法
足首・膝・股関節の様子を、注意深く観察する
正座ができないとき、いろいろな癖が脚全体や骨盤・背骨にも潜んでいる可能性があります。
注意深く全体を観察し、固い場所・歪んでいる場所にまず気づくことが必要です。
そして、ついついやってしまう癖を手放し、足首・膝・股関節を整えていきます。
痛みの種類を感じ取り、正しいやり方に調整する
もし膝が痛む場合は、良い痛みか悪い痛みかを判別する必要があります。
太もも前側や側面の筋肉が固いために伸びている痛み(「創造的不快感」などと言う人もいますが)であれば、良い痛みです。続けていれば柔軟性が高まり、痛みは改善されて下半身の血の巡りもよくなっていきます。
問題は、膝がねじれるような悪い痛みです。
膝の悪い痛みは、膝下だけが外側か内側にズレようとしている場合に起こります。
膝は、基本的には蝶番のように一方向に曲がるようにできていますので、膝下だけをずらそうとすると側面の靭帯などを痛めます。
この場合は、足の甲で軽く床を押し、膝をしっかり曲げて、ふくらはぎと太もも裏をぴったりくっつけます。
ぴったりと曲がった脚は、膝下だけがズレることがなく、根元の股関節から動くようになります。
股関節を少し内回ししたり外回ししたりしてみると、ちょうど地面にスネが安定して接地できる角度がみつかります。安定してスネを接地し、引き続き足の甲で床を軽く押しておきます。
痛みが少なく、長時間坐れるポジションを探して姿勢をキープしていると、筋肉のバランスが整い、癖がなくなっていきます。
痛みがある場合は、無理に続けないようにして、膝や足首の様子を注意深く観察しながら、やり方を調整していくようにしましょう。
足の指・足首・太ももの前側を十分ストレッチしておく
足の指を動かす筋肉の中には、実はスネのほうから通っているものもたくさんあります。そのため、正座で足首が痛い場合、足の指が固まっていることも多いです。
正座を行う前に、足の指や足首をしっかり動かしておくと良いでしょう。
また、太ももの前側の筋肉をストレッチしておくのも有効です。
これらの動きをすべて含んでいる、以下の一連の流れを行っておくのもおすすめです。
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「ながら」で行って正座に慣れていく
正座は、日々の生活でも「ながら」で行えるポーズです。
テレビやスマホなど観ながらでも、ある程度長い時間正座で坐ってみるのも良い練習になります。
長時間行っていると足がしびれるので、お尻の下にクッションなどを入れて軽減した形で行うのも良いでしょう。
シークエンス例
正座は膝位の基本ポーズなので、様々なヨガポーズにつなげることもできます。
- 足を少し開いて、お尻を床に下ろしてヴィラーサナ(割座)やスプタヴィラーサナ(仰向けの割座)につなぎます。
- 上半身を前に倒して、両腕を前に伸ばすなどしてチャイルドポーズにつなぎます。
- ねじりを加えて、パリヴリッタ・ヴァジュラーサナにつなぎます。
- 両手を背中側につき、骨盤を立てたまま背中をそらしていってゆるい後屈の動きになります。マタニティヨガなどでもおすすめです。
- お尻を浮かせておへそをあげ、後屈をさらに深めることもできます。下腹部、大腿四頭筋も伸びます。
- そのまま手をかかとの上までもっていきながら骨盤を膝の真上まで持ち上げていくとウシュトラーサナ(らくだのポーズ)になります。
- 背中を床まで下ろして、手は足首かふくらはぎをつかみ、首を反らせて頭頂を床につけておへそを持ち上げるとラグ・ヴァジュラーサナにつながります。
- 四つばいになって、キャットアンドカウなどにつなげます。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】ヴァジュラーサナ、ヴァジュラアーサナ、正座、端座、端坐、金剛座、金剛坐、稲妻のポーズ
【梵】Vajrasana
【英】Thunderbolt pose, Diamond Pose








