足首が痛い、股関節が固いなどの理由で、正座が苦手な方がいるかと思います。
固い場所、歪んでいる場所にまず気づくこと。ついやってしまう癖を手放し、足首から整えていきます。
この記事の目次
ヴァジュラーサナ(正座)の主な効果
足〜骨盤までの歪みは、足首などから始まっていることが多いです。全身を支える重要な関節が歪んでいて様々な不具合が現れます。
正座は、足首の歪みを適度な圧によって整えるために有効です。
また、胃の経絡を刺激し消化を促進するので、食後に落ち着いて正座で坐っているのはとても有効です。
よくある正座の癖を改善
長く正座していると、痛くなる場所がある場合は、どこかに癖があります。
多くの場合、痛くなるのは足首か膝だと思います。
足首が痛む場合は、両脚とも足首を同じ形にして坐れているか、誰かに後ろから見てもらって確認するのが良いでしょう。
その上で、下記の「バリエーション」を試してみながら、足首の歪み・癖を改善していきましょう。
膝が痛む場合は、良い痛みか悪い痛みかを判別する必要があります。
太もも前側や側面の筋肉が固いために伸びている痛み(「創造的不快感」などと言う人もいますが)であれば、良い痛みです。続けていれば柔軟性が高まり、痛みは改善されて下半身の血の巡りもよくなっていきます。
問題は、膝がねじれるような悪い痛みです。膝下だけが外側か内側にズレようとしている場合に起こります。膝は、基本的には蝶番のように一方向に曲がるようにできていますので、膝下だけをずらそうとすると側面の靭帯などを痛めます。
この場合は、足の甲で床を押し、膝をしっかり曲げてふくらはぎと太もも裏をぴったりくっつけます。ぴったりと曲がった脚は、膝下だけがズレることがなく、根元の股関節から動くようになります。股関節を少し内回ししたり外回ししたりしてみると、ちょうど地面にスネが安定して接地できる角度がみつかります。安定してスネを接地し、引き続き足の甲で床を軽く押しておきます。
痛みが少なく、長時間坐れるポジションを探して姿勢をキープしていると、筋肉のバランスが整い、癖がなくなっていきます。
痛みがある場合は、無理に続けないようにしましょう。お尻の下に座布団を畳んで置いたりなど軽減法を試しながら深めていくようにします。
ヴァジュラーサナ(正座)の禁忌・注意点
足首や膝を痛めている場合は、痛みがなくなるまではやめておきましょう。足首や膝の柔軟性が足りない場合は、少し足を開いて割座になり、お尻の下にブロックやクッションを入れて負荷を下げます。少しずつクッションの高さを減らし、バスタオルをたたんだものに挿し替えるなどして深めていきましょう。
ヴァジュラーサナ(正座)のやり方
1)膝立ちになり、膝の間は坐骨幅(こぶし1個分)か、それより狭い幅に閉じます。
2)膝を曲げて、お尻を土踏まずに乗せるように坐ります。足首は内側へ曲げすぎず、自然に伸ばします。足首を伸ばした(底屈・ポイント)方が、ふくらはぎと太もも裏のスペースを埋めてしっかり膝が曲げられます。
3)骨盤を立てて、腰をくぼませて自然な背骨のカーブをつくりながら頭頂を高く、両手は太ももの上に置きます。
バリエーション
お尻を乗せる足の形によってバリエーションがあり、効果が異なります。
・足を少し内側に揃え、かかとの上にお尻を乗せて坐ります。しっかりまっすぐ坐ることで、足首をまっすぐ底屈できるように整える効果があり、より圧力をかけて整えながら柔軟性を高めます。曲がっていると、より歪んでしまいます。自分で足首を見るのは難しいので、写真を撮ってみたり、時には人に見てもらいながら感覚で覚えます。
・かかとをくっつけて、坐骨の間にしっかり並べて行う形もあります。足首をまっすぐしっかり伸ばして行う必要があるため、難しいと感じる人も多いかもしれませんが、正しく行っていると足首の調整につながります。
・足を外側に置きお尻を床に下ろすと割座(ヴィラーサナ)になります。太もも前を伸ばし、股関節を内回しすることに重点が移ります。
ヴァジュラーサナ(正座)を深める方向性
- 左右の股関節・膝・足首の形を均等に整える。
- 落ち着いて、長時間キープできるようにする。
ヴァジュラーサナ(正座)のコツ・練習法
脚の前側の筋肉全体を伸ばしていく必要があります。
太ももの前側を伸ばすには、ブロックに座ってヴィラーサナを行うのが良いでしょう。
スネ〜足首〜足の甲を伸ばすには、足指をグーチョキパーで動かしたり、足首をまっすぐ底屈(ポイント)する動きを練習します。
それぞれの筋肉を伸ばす練習をしつつも、日々の生活でも「ながら」で行えるポーズなので、テレビなど観ながらなるべく長い時間正座で坐ってみるのが一番の練習になります。
シークエンス例
膝位の基本ポーズなので、様々な動きにつなげることができます。
- 上半身を前屈して両腕を前に伸ばすなどしてチャイルドポーズにつなぎます。
- ねじりを加えて、パリヴリッタ・ヴァジュラーサナにつなぎます。
- 両手を背中側につき、骨盤を立てたまま背中をそらしていってゆるい後屈の動きになります。マタニティヨガなどでもおすすめです。
- お尻を浮かせておへそをあげ、後屈をさらに深めることもできます。下腹部、大腿四頭筋も伸びます。
- そのまま手をかかとの上までもっていきながら骨盤を膝の真上まで持ち上げていくとウシュトラーサナ(らくだのポーズ)になります。
- 背中を床まで下ろして、手は足首かふくらはぎをつかみ、首を反らせて頭頂を床につけておへそを持ち上げるとラグ・ヴァジュラーサナにつながります。
- 四つばいになって、キャットアンドカウなどにつなげます。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】ヴァジュラーサナ、ヴァジュラアーサナ、正座、金剛坐
【梵】Vajrasana
【英】Thunderbolt pose, Diamond Pose