この記事の目次
脊柱起立筋の特徴
脊柱起立筋は、主に脊柱をそらす働き(伸展)をもつ、背骨周りに存在する筋肉群。外側の筋群を腸肋筋、中間内側の筋群を最長筋、最内側の筋群を棘筋と呼び分ける。
姿勢を維持するための抗重力筋として、日常的に用いられる。持久力が求められる筋肉であり、遅筋線維が多い。それに対して、脊柱を丸める(屈曲)の働きを持つ主要な拮抗筋である腹直筋は速筋線維が多い。
後屈によって強化され、前屈によってストレッチされる。ヨガポーズで行う場合は、深く呼吸しながらある程度の時間キープしておくとより効果的である。
後屈においては腰椎が過剰に反ってしまったり、前屈においては胸椎が過剰に丸まってしまったりして、ヘルニアなどにつながることもあるので、腹筋群も適切に用いながら、裏と表のバランスを保って用いると良い。
脊柱起立筋の主な働き
頚腸肋筋
- 頚椎の伸展
- 頚椎の側屈
胸腸肋筋
- 胸椎の伸展
- 胸椎の側屈
腰腸肋筋
- 胸椎の伸展
- 胸椎の側屈
頭最長筋
- 頚椎の伸展
- 頚椎の側屈
- 頚椎の回旋
頚最長筋
- 頚椎・胸椎の伸展
- 頚椎の側屈
胸最長筋
- 胸椎・腰椎の伸展
- 胸椎・腰椎の側屈
頸棘筋
- 頚椎の伸展
- 頚椎の側屈
胸棘筋
- 胸椎・腰椎の伸展
- 胸椎・腰椎の側屈
脊柱起立筋の主な拮抗筋
脊椎の側屈
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腰方形筋
- 脊柱起立筋(反対側)
脊椎の屈曲
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
脊柱起立筋の主な協働筋
脊椎の側屈
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腰方形筋
- 脊柱起立筋
脊椎の伸展
- 脊柱起立筋
- 腰方形筋
- 半棘筋
- 多裂筋
脊柱起立筋の起始・停止
起始
頚腸肋筋:第3〜6(または7)肋骨の肋骨角
胸腸肋筋:第7〜12肋骨(脊柱起立筋群の中で、胸腸肋筋は脊椎に付着していない唯一の筋肉)
腰腸肋筋:腸骨稜の外唇、仙骨、胸腰筋膜
頭最長筋:第5頚椎〜第3(4または5)胸椎の横突起
頚最長筋:第1〜6胸椎の横突起
胸最長筋:仙骨、腰椎の棘突起、下位腰椎の横突起
頸棘筋:第6頚椎〜第2胸椎の棘突起
胸棘筋:第10胸椎〜第3(または2)腰椎の棘突起
停止
頚腸肋筋:第4〜6頚椎の横突起の後結節
胸腸肋筋:第1〜6肋骨
腰腸肋筋:第6〜12肋骨の後面
頭最長筋:乳様突起
頚最長筋:第2〜6(または5)頚椎の横突起の後結節
胸最長筋(内側):腰椎の副突起、胸椎の横突起
胸最長筋(外側):腰椎の肋骨突起、肋骨、胸腰筋膜の深葉
頸棘筋:第2〜4(または5)頚椎の棘突起
胸棘筋:第2〜8(または9)胸椎の棘突起