背骨はねじったり曲げたり、とても自由に動かせるもの。パリヴリッタジャーヌシルシャーサナは、固まった現代人の背骨に複雑なストレッチを加えて、本来の自由度を取り戻させてくれる、とても気持ち良いポーズです。
パリヴリッタ(パリヴルッタ)は「ねじった」、ジャーヌ(ジャヌ)は「膝」、シルシは「頭」の意味。
この記事の目次
パリヴリッタジャーヌシルシャーサナの主な効果
- 肋骨周りの筋肉を緩め、呼吸を深める
- 背骨の回旋の柔軟性UP
- ハムストリングス、お尻の筋肉をストレッチ(伸ばした脚)
- 股関節を外回しする柔軟性強化(曲げた脚)
- 肩こりの緩和
- 腰痛の緩和
パリヴリッタジャーヌシルシャーサナの禁忌・注意点
ハムストリングスの柔軟性が足りない場合は、膝を曲げるなどして調整します。
股関節の柔軟性が足りない場合は、伸ばしている脚と曲げている脚の角度(通常は90°)を浅くします。
ねじりがメインなので、両方のお尻がしっかり接地していることが重要です。
パリヴリッタジャーヌシルシャーサナのやり方
1)長座(ダンダーサナ)で坐ります。右脚をしっかり曲げて、右カカトを右鼠径部の下に持ってくるように、右のおしりをすこし後ろに下げて骨盤を斜めにし、膝を大きく後方に置きます。曲げている脚と伸ばしている脚の角度は90°になるように広げます。右足首はまっすぐ伸ばしておきます。
2)吐きながら、左腕を左脚の内側に沿わせて伸ばし、左手を外側へ回して小指が上にくるような形で左足の内側をつかみます。左肘は曲げて、脚の内側にあてるようにし、可能であれば床まで肘をおろします。
3)左足首は90°に曲げて、足の人差し指と膝は真上を向いている状態を保ち、右のお尻はしっかり接地させておきます。両側の体側、背骨を伸ばしながら、上半身を右へねじり、左胸を空へ向けていきます。右腕は耳の脇へ伸ばし、目線は脇の下から見上げるようにします。可能であれば右手で左足の外側をつかみます。
4)左手と左足の内側・左肘と左脚の内側・右手と左足の外側でそれぞれ押し合いながら、ねじりを深めていきます。5呼吸キープ。
5)吸いながら起き上がり、逆側も同様に行います。
パリヴリッタジャーヌシルシャーサナを深める方向性
- 背骨を伸ばしながら、ツイストを深める。
- 胸が下をむかないように、上側の手で伸ばした側の足がつかめるようにする。
パリヴリッタジャーヌシルシャーサナのコツ・練習法
よくあるミスとしては、下記のようなポイントがあります。
- ×右のお尻が浮いてしまう
- ×左の二の腕が顔の前にあり、肩が十分開けていない
- ×右手で左足をつかもうとするのを優先してしまって、胸が下を向いている
右のお尻が浮いてしまう
体全体が左脚より外側に傾いてしまうと、強くねじりが行えません。
両方のお尻をしっかり接地して、真ん中の軸を作ってから、その軸を中心に上半身をねじるようにします。
左の二の腕が顔の前にあり、肩が十分開けていない
右手で左足をつかもうとするのを優先してしまって、胸が下を向いている
ハムストリングスやふくらはぎの柔軟性が足りない場合、お腹と左脚の距離が広くなってしまいますが、このポーズはねじりがメインなので、斜め方向でも良いので背骨をしっかり伸ばし、腕も斜め上方へ伸ばす形で上半身をしっかりねじります。
右手で左足をつかむのは、ジャーヌシルシャーサナなどの前屈ポーズと、アルダマツェンドラーサナなどのねじりポーズを練習して、柔軟性が高まってからにしましょう。
アジャスト例(インストラクター向け)
- お尻の後ろに座り、曲げている脚側のお尻が浮かないように、骨盤の左右を両手で支えてサポートする。
- 伸ばしている脚の外側に立ち、自身の脚の側面を生徒の背中に当てて支えながら、上腕あたりを手で支えて胸を横へ向けていくねじりの動きを導く。
- 脇腹を上方向へ軽くさすって、上半身を前方へ伸ばす動きを導く。
- 伸びる動きを吸息と連動させ、ねじる動きを呼息と連動させるように指示する。
シークエンス例
- ジャーヌシルシャーサナAで前屈を行った後に、脚の形を変えずに行います。
- ジャーヌシルシャーサナB・C、通常のジャーヌシルシャーサナ、アルダバッダパドマパスチモッターナーサナなど「骨盤がまっすぐ前を向いた状態で行う片脚前屈」を行った後は、曲げている脚側のお尻を後ろに引いて、骨盤の向きを斜めにしてから行います。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】パリヴリッタジャーヌシルシャーサナ、パリヴリッタジャーヌシルシアーサナ
【梵】Parivrtta Janu Sirsasana
【英】Revolved Head-to-Knee Pose