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なかなか治らない痛みなどに、「虚実」「補瀉」を意識して適切な治療をする

なかなか治らない痛みなどに、「虚実」「補瀉」を意識して適切な治療をする

痛いからといって、ぐりぐりマッサージすればいいわけでもない

この記事の目次

腰痛の一例

先日、腰痛がなかなか治らないという方をみてあげたのですが、どうやら適切なセルフケアができていなかったようです。

私もよく紹介しているセルフマッサージグッズの「やわこ」をお持ちのようだったので、どうやらぐりぐりと押してマッサージしていたようです。

たしかに、痛みがあると「とりあえずぐりぐり押していたら治るのでは」と考えてしまいがちかもしれませんね。(とくにピッタタイプの方は、比較的そういう方向性に考えてしまうことが多いかもしれません)

しかし痛みのある部分を触ってみると、とても力がなく弱っているような状態でした。

この場合、ぐりぐり押す治療を行っていると、余計ひどくなってしまうかもしれません。

「虚実」と「補瀉」

怪我以外での痛みの原因をざっくり2つに分けると、東洋医学では「虚」と「実」という考え方をします。

「虚」はエネルギー(氣あるいは気)が足りていない状態、「実」は過剰になって滞っているような状態、というように捉えると良いかと思います。

「虚実」それぞれの状態に対して、「補瀉(ほしゃ)」の治療を選択します。

「虚」の場合は、エネルギーを補ってあげる「補」の治療を行います。

「実」の場合は、エネルギーを抜いたり適切なところに流したりする「瀉(しゃ)」の治療を行います。

「虚実」「補瀉」を意識したセルフケア

今回の場合は、「虚」の痛みのようでしたので、ぐりぐり押すような「瀉(しゃ)」の方向性の治療を行ってしまうと、余計にエネルギーがなくなってしまい、いつまでも治らないどころかひどくなっていってしまうということになります。

こういう場合はやさしく手で触れるなどして、そこにエネルギーを送るようにイメージしながら呼吸すると、弱っていた状態が改善されて痛みがなくなっていきます。

手当てでヒーリングするのも一つのやり方ですし、観想(気功における站椿功)や呼吸法なども十分な効果があります。

また、鍼灸も代表的な治療法です。以下のような自分で貼っておける鍼や灸も売っています。基本的には、補を行いたいところには灸、瀉を行いたいところには鍼と考えておくと良いかと思います。

祐徳薬品 スポールバン 20本

せんねん灸 火を使わないお灸12コ入

「補」の治療を他者に行う場合

こういった「補」の治療を他者に行ってあげる場合は、自分のエネルギーを送ろうとしてしまうと自分が疲弊してしまったり、拒絶が起こってうまくいかない場合もあるので、自然のエネルギーを自分が媒介となって流してあげるようなイメージで行います。

たとえば地球の中心とつながるようなイメージをしたり(グラウンディング)、宇宙とつながるようなイメージをしたり(センタリング)という感じで行います。このあたりは自分でイメージの練習(観想)をしておくとより精度が高まるかと思います。

自分が治してやるぞ、というような利己的・支配的なイメージで行うと、自分も疲れてしまいますし、良い結果にはならないことが多いかもしれません。

「瀉」の治療を他者に行う場合

「実」の痛みの場合は、そこに滞っているエネルギーを流してあげます。

その人の身体の中でも「実」の部分と「虚」の部分がある場合があるので、足りていない部分へ流してあげるようなイメージをするのも良いかと思います。

全体的にエネルギーが過剰になっていて外に流したいのであれば、やはり自分が媒介になって地球へ還したりするようなイメージで行います。

エネルギー(氣)はイメージ(意志)に従って動く

意識を向けすぎている(気にしすぎている)ところは過剰になって滞ってしまったり、全く向けていない(気にしていない)ところは不足して冷え固まってしまいます。意識にもいくつか種類があって共存しているので、顕在意識が意識していなくても潜在意識が働きすぎているといった場合もあります。

また、「陽極まれば陰に転ずる」といった考え方もあり、あまりにエネルギーが多い状態が続くと、一気に疲弊した状態に落ちてしまうということもあります。今回の場合はこのパターンで一気に疲弊してしまった形のように思えます(これもやはり、ピッタタイプに多いかもしれません)。

ただ、セルフケア論でもたびたび書いてきましたが、虚実という偏りそのものは悪ではなく、私たちは偏りがなくては生きて行動することはできません。偏り自体を憎むのではなく、いまどんな状態なのかを把握して、バランスを整えてニュートラルな状態にいつでも戻れるようにしておくというのが良いかと思います。

参考:健康になるにはどうしたらいいか・なぜ健康を損なうのか

虚実どちらの状態のときも、そのバランスがひどく偏れば痛みが出てくることがありますが、適切に治療したり偏らないような生活に改善したりするためには、その痛みの種類を判別することが大切です。

気が偏っていても、「痛みが出てこないので気づかない」という部分もたくさんあります。たとえば内分泌腺などは、ホルモンの異常といった形で、しずかに不調が現れてきます。日々ホルモンをコントロールしてくれている内分泌腺に、気を向けてあげることが日常生活の中であるでしょうか?

もし正確な解剖学的な知識がなかったとしても、体全体、内部まで含めてしっかり気を向けてあげることは、セルフケアを考える上で基本的なことになるかと思います。マインドフルネスのボディスキャンや、チャクラ瞑想なども、そういった目的における有効な技法になるでしょう。

参考:意識の向く方向に、エネルギーは流れる

参考:研究の軌跡_20240720 補瀉の二元性を超えるヒーリング

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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