バランス感覚や体幹の強化と、太もも裏や股関節のストレッチもできる、とても効果的な立位バランスポーズ。
片足で立つのに慣れていないとパニックになりやすいですが、脚を大きく上げる前にまずは落ち着いて、まっすぐバランス良く片足で立つこと。
ウッティタは「伸ばした」、ハスタは「手」、パダ(パーダ)は「足」、アングシュタは「親指」です。ウッティタを省いて「ハスタパダングシュターサナ」と呼ばれることもあります。
この記事の目次
ウッティタハスタパダングシュターサナの主な効果
- 脚全体の筋力強化
- 脚・骨盤周りのシェイプアップ、むくみ改善
- ハムストリングスストレッチ
- 腸腰筋強化
- バランス感覚・集中力UP
ウッティタハスタパダングシュターサナの禁忌・注意点
太もも裏の柔軟性が足りず脚が伸ばせない場合は、膝を曲げて、膝を抱えるように手で持って行いましょう。
バランスに不安がある場合は壁の近くで行います。無理をして倒れて怪我をしないように、自分の柔軟性に合わせて調整しましょう。
ウッティタハスタパダングシュターサナのやり方
ドリシュティ(視点):つま先→横
1)ターダーサナで立ちます。上げる脚以外は、まっすぐな背中・水平な腰など基本姿勢を保つようにしましょう。吸いながら右脚を上げて右手で右足の親指をつかみます。膝を曲げても構いませんが、膝を外に開かないようにまっすぐ前に上げましょう。意識を指先に移してしまわずに、下腹(丹田)においておくようにしましょう。
2)吐きながら、膝を曲げていた場合は伸ばし、手と足の親指で引っ張り合いながら、上半身を右脚へ近づけて前屈していきます。背中がなるべく丸まらないように、お腹を太ももに近づけるようにします。ここで5呼吸キープします。
3)吸いながら上半身を起こし、吐きながら右股関節を外回ししながら右脚を外へ開いていきます。首は左へ、あご先を肩先の上へ近づけるように、真横を向きます。この形が、一般的なウッティタ・ハスタ・パダングシュターサナです。ここで5呼吸キープします。
4)吸いながら、右に開いていた脚を正面に戻し、首も正面へ戻します。吐きながら一度2で行ったように正面へ前屈して、吸いながら上半身を起こし、両手は腰にあてて、脚はお腹のインナーマッスル(腸腰筋)の力で持ち上げてキープします。ここで5呼吸します。
5)吐きながら、上げていた脚をおろし、手を体側に戻してターダーサナに戻ります。逆側も同様に行います。
ウッティタハスタパダングシュターサナを深める方向性
- 膝はまず曲がったままでも良いので、体幹をまっすぐ立てられるようにする。
- 体幹を安定させたまま、膝を伸ばせるようにしていく。
- 脚を高く、横へ大きく開けるようにする。
- 長時間キープできるようにする。
ウッティタハスタパダングシュターサナのコツ・練習法
- 脚をのばさずに膝を曲げて、手で膝を持って行うことでイージーバージョンになり、バランスと股関節回旋だけに集中して練習することができます。
- 脚を上げるには、手の力だけで持ち上げるのではなく、主に腸腰筋と大腿四頭筋の力で持ち上げるようにします(手を使わずに脚を上げるのは、そのための練習です)。
- ストラップを足先に引っかけることで、太もも裏の柔軟性が足りない状態からでも脚を伸ばす練習をすることができます。
まず片足でバランス良く立つために、ヴリクシャーサナ(木のポーズ)などから練習するのも良いでしょう。どちらも、上げた脚以外はターダーサナのままです。
このポーズだけ練習するのであればストラップを使って脚を伸ばしながら練習するのが一番の近道ですが、バランス・前屈・股関節外回しが組み合わさったポーズなので、前屈はパールシュヴォッターナーサナ、股関節外回しは半蓮華座などで、個別の要素ごとに練習するのも良いでしょう。
アジャスト例(インストラクター向け)
- 背中側に立ち、骨盤を左右から両手で軽く支えて、骨盤が前傾・後傾しすぎないようにサポートする。
- 無理に膝を伸ばそうとして背中が丸まっている場合は、一旦膝を曲げて、体幹をなるべく垂直に立てるように指示する。
- 体幹を垂直に立てるのを優先させ、ベルトなどプロップスを使って、膝を伸ばす練習をしてもらう。
シークエンス例
- ヴリクシャーサナ、ヴィラバドラーサナⅢ、アルダナタラージャーサナ、アルダチャンドラチャパーサナ、スヴァルガドヴィジャーサナのような立位バランスポーズとつなぐことができます。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】ウッティタハスタパダングシュターサナ、ウッティタハスタパダングシュタアーサナ、ウッティタハスタパーダングシュターサナ
【梵】Utthita Hasta Padangusthasana
【英】Extended Hand To Big Toe Pose