股関節を柔らかくする下半身の動きと、手を背中でつなぐ上半身の動きを組み合わせたポーズ。
下半身の動きは、テレビを見ながら股関節を柔軟にできる「ながらヨガポーズ」にもなります。下記の記事でも解説しています。
ゴーが「牛」、ムカが「顔」の意味。
この記事の目次
ゴームカーサナの主な効果
- 肩周りの柔軟性UP、肩こりの改善
- 股関節外旋の柔軟性UP
- 生殖器系の活性化
股関節・太ももの外側の柔軟性を高め、下半身の血行を改善します。上半身は肩甲骨〜肩周りの柔軟性を高め、肩こりを改善します。
ゴームカーサナの禁忌・注意点
肩周り、股関節などを痛めている場合は避けましょう。
肩は無理に回さず柔軟性に合わせて、ブロックやベルトなどを使って徐々に深めていきましょう。
ゴームカーサナのやり方
1)四つばいから始めます。左膝をおへその下、真ん中に置き、両脚を内転する形で右脚を左脚の上から深く絡めてクロスします。
2)股関節の根元から外回しするように、膝下をハの字に開きます。
3)ハの字に開いたところへ、お尻を下ろしていって両坐骨を均等に床へ接地します。難しいようであれば、坐骨の下にブロックか厚めのクッションを敷いてから下りていきます。
4)左右の坐骨がズレないように坐り、膝を真ん中に揃えて重ねます。膝が浮いているようであれば、お尻をリラックスして少し上から手で押すなどして両膝を下げていきます。
5)吸いながら左腕を耳に添わせて真上に挙げ、肩が前に閉じてこないように肘を正面に向けます(上腕を外回し)。右腕は真横に伸ばし、手のひらを後ろに向けます。
6)吐きながら両手を肩甲骨の間に持っていってつなぎ、右手の甲は背中を軽く押して背骨を伸ばし、目線は少しだけ上を見るようにして胸を張ります。5呼吸キープ。
7)吐きながら手をほどいて、手を前方の床に戻して脚をほどき、四つばいに戻ってきます。逆側も同様に行います。
バリエーション
・お腹を太ももにおろして前屈する形もあります。なるべく両方の坐骨が浮かないように、結んだ手を引っ張り合いながら前屈していきます(↓動画あり、手のつかみかたは逆になっています)。
ゴームカーサナを深める方向性
- 膝を真ん中にそろえ(内転)、なるべく低くしていく(外旋)。
- 肩周りを柔軟にし、手をしっかりつかめるようにしていく。
ゴームカーサナのコツ・練習法
股関節の柔軟性が足りないうちは、坐骨の下にブロックやクッションを敷いて行いましょう。まず膝を真ん中に揃えて下げていき、膝が真ん中にピッタリ重ねられるようになったら、ブロックやクッションをだんだん低くしていきます。
蓮華座の練習を合わせて行うのも有効です。
膝を真ん中に揃える(内転)動きと、股関節を外回し(外旋)する動きが重要です。なるべく脚やお尻の全体を意識して、力の偏りがないようにしながら深めていきます。陰ヨガのシューレースポーズは下半身の形が同じなので、シューレースポーズで力の抜き方を練習するのも良いでしょう。
肩の柔軟性が足りず後ろで手をつなげない場合は、タオルやベルトを使って引っ張り合います。上腕の筋肉・三角筋などを柔らかくするために別のストレッチを行ったりするのも良いでしょう。
アジャスト例(インストラクター向け)
- お尻が片方浮いている場合は、脚の組み方を少し浅く調整して、お尻を両方床につくほうを優先する。
- 背中側に座り、足の甲を手で支えて後方へ引き、膝をしっかり曲げるのをサポートする。
- 上の腕は、肘を支えて上・後ろ方向へ導く。肩甲骨は、寄せすぎない・すくめすぎないように。
- 下の腕が最大のポイント。肩関節の位置はあまり変わらないように片手で肩を支えながら、もう片方の手で上腕を支えて内旋を導く。内旋が足りない場合は、外旋筋(棘下筋・三角筋など)をさするなどして、内旋を妨げる筋肉を伸ばすのを導く。
シークエンス例
- 脚の形だけ練習するにはディヤーナヴィーラーサナを行います。
- 腕をからめてガルダーサナの形にすると、肩甲骨の動きとしてはカウンターポーズになり、効率的に肩の柔軟性を高められます。
- このあとにヴィラーサナ(割座)を行うと股関節を内回しするカウンターポーズになります。
- 上に乗せている足を地面について膝を立てて、ねじりを加えるとアルダマツェンドラーサナにつながります。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】ゴームカーサナ、ゴムカーサナ、ゴームカアーサナ、牛の顔のポーズ、牛面のポーズ
【梵】Gomukhasana
【英】Cow Face Pose