ショルダースタンド(肩立ち・サルヴァンガーサナ)の簡単バージョンとしても行われるポーズ。
ヴィパリータは「逆さま」、カラニーは「姿勢」「仕草」などを指すので、言葉の意味としては逆転のポーズ全てがヴィパリータカラニーであるとも言えますが、現代ヨガにおいては、この簡単バージョンの肩立ちのポーズがヴィパリータカラニーと呼ばれています。
陰ヨガやリラックス系のヨガでは、壁に脚をあずけて行う形が行われます。
この記事の目次
ヴィパリータカラニーの主な効果
- 血行促進
- むくみ改善
- 肩こり改善
- 冷え性改善
- 消化器系を活性化
- ストレス解消
ヴィパリータカラニーの禁忌・注意点
高血圧・血栓症の方、生理中の方は避けましょう。
肩や肘を痛めている方は、背中の下にボルスターを入れて支えたり、背中を持ち上げずに脚を壁にもたれさせる簡単な形などを代わりに行います。
ヴィパリータカラニーのやり方
1)仰向けで寝ます。両脚を伸ばして揃えたまま持ち上げ、足先を頭の上へ運んでいくようにして腰を下から持ち上げて行きます。勢いを使わず、なるべく背骨の下から順番に1個ずつ床から離していくようにしましょう。
このとき、アゴを上げすぎず・引きすぎないようにします。鼻先は、仰向けで自然に寝たときのまま、真上を向いています。
2)肘の間は肩幅程度、開きすぎないようにして床を押し、手は背中を支えます。体幹は無理なく支えられる角度にします。
3)脚はなるべくまっすぐ伸ばして、無理なく支えられる角度で上へ持ち上げます。腹式呼吸で、気持ちよくキープできる範囲で1〜5分程度続けます。
4)吐きながら、手で背中を支えつつゆっくり仰向けに戻ります。シャヴァーサナで休みます。
ヴィパリータカラニーを深める方向性
- リラックスして、深い呼吸で行えるようにしていく
- 体幹を垂直に近づけていき、サルヴァンガーサナへつなげる
ヴィパリータカラニーのコツ・練習法
肘が開きすぎないようにする、手は自然な形で
肘の幅は肩幅と同じくらいにし、開きすぎないようにすると安定しやすくなります。
手は自然な形で背中を支え、手首をねじったり特定の指に負担が偏ったりしないようにします。
あごを上げすぎない・引きすぎない
顔はまっすぐ上を向いた状態か軽くあごを引いた程度になるようにして、首の後ろ側のアーチが潰れないようにします。
姿勢を保ちつつ、余計な力みをなくしてリラックスする
なるべく余計な力をぬいて長時間キープできるようにします。とくに脚や足裏などに力が入ってしまうことが多いので、姿勢が保てる最小限の力をキープするようにしましょう。そして全身に深い呼吸を通します。
アジャスト例(インストラクター向け)
- まず、お尻がなかなか上がらずに肩立ちのポジションにいけない場合は、頭側に立ち、脚だけをまず上方へ伸ばしてもらい(まだお尻は床についている)、その足を両手で持ってゆっくり頭の方向・水平方向へ引っ張っていく。引っ張る動きによって背中を丸まりお尻があがってくるので、手を背中にあてて支えるようにしてもらう。
- お尻が上がって手で背中を支えられるようになったら、背中側に立ち、骨盤の側面を仙骨あたりにあてて体幹を支えながら、脚を腕で抱えて脚を上へ伸ばしていくのをサポートする。
- 足や足首に余計な力が入っている場合は、足裏やかかとやふくらはぎを軽くマッサージして脱力させる。
シークエンス例
- つま先を頭の先へ下ろし、ハラーサナ(鋤のポーズ)へつながります。
- 首の前・胸の前を伸ばすカウンターポーズとしてマツヤーサナを行います。
- 首の柔軟性が十分ある場合は、サルヴァンガーサナにつなげます。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】ヴィパリータカラニー、ヴィパリタカラニー、ヴィパリータカラナーサナ、ヴィパリータカラナアーサナ、肩立ち
【梵】Viparita Karani
【英】-