背骨全体でアーチを作って体を支え、強く脚を伸ばすポーズ、ウッターナパーダーサナ(強く脚を伸ばすポーズ)。
ここまで首を反らせて頭頂が下を向くということは、日常生活の中ではあまりないでしょうからパニックになってしまう人も多いですが、まずは落ち着いて。首だけで支えるのではなく、全身でアーチ構造を作るのがポイントです。
ウッタンは「強く伸ばす」、パーダ(パダ)は「脚」の意味。
この記事の目次
ウッターナパーダーサナの主な効果
喉・胸の前側を開きながら、体幹・腹筋まわりを鍛えます。首だけで支えようとせず、体の前面全体を開いて伸ばすことで、座り仕事で固まりがちな胸やみぞおちをストレッチすることができます。
ウッターナパーダーサナの禁忌・注意点
首・背中などを痛めている方、めまいなどする方は避けましょう。
不安がある場合は、背中は床につけた状態か、肘を床についた状態で、脚だけを持ち上げる練習(パワンムクターサナ2など)をしましょう。
ウッターナパーダーサナのやり方
1)仰向けになります。肘で床を押して上半身を起こし、みぞおち・胸・喉を伸ばしながら首を反らし、頭頂を床につけます(マツヤーサナのバリエーション)。
2)頭頂を床につけたまま、両腕両脚を、床から30°前後の角度で斜めに遠くへ伸ばします。両手は合掌、両足はそろえてつま先を伸ばします。5呼吸(アシュタンガヨガでは8呼吸)キープ。
3)吐きながら手足を床に下ろし、肘を床につき、上半身を持ち上げてから、頭を持ち上げて、ゆっくり背中を床に下ろしていきます。シャヴァーサナで休みます。
アシュタンガヨガでは、このあとチャクラーサナで起き上がるか、脚を降ろさずそのままチャクラーサナへつなぐ形もあります。
ウッターナパーダーサナを深める方向性
- 背骨全体のアーチを深め、頭頂を床につける。
- 脚と腕の角度は30〜45°程度を目指して上げてキープする。
ウッターナパーダーサナのコツ・練習法
首を反らすことに慣れる
日常生活では、首を前に出してモニターを見ることが多くなっているために、首を反らすこと自体が少なく、その動きを「怖い」と感じてしまう人も多いかもしれません。
まずは座っている状態でも、背もたれがある状態でも、手で首を支えても良いので、安全に首を反らせる状況で首を反らす動作に慣れることから始めると良いでしょう。
あるいは、どうしても首を反らしているとパニックになってしまう人は、体幹や頭は寝たままで、手足だけでウッターナパーダーサナを練習するのも良いかと思います。
首が痛い場合のコツ
首が痛くてとても支えられないという場合は、首だけを反らせてしまっていて、首の後ろ側の背骨同士がぶつかりあっている可能性があります。
「首を後ろに曲げる」というよりは、体の前面全体を伸ばしていき、「骨盤から頭頂へ大きなアーチを描く」ようなイメージをするとうまくいくかもしれません。
「アーチ構造をつくる」というのは、強く支えるために身体の各所において重要な考え方です。
背骨のアーチを保ったまま、脚を上げるコツ
体幹をアーチさせて安定させた状態で、腸腰筋を使って脚を持ち上げます。
このとき腸腰筋が弱いと、腹直筋や大腿四頭筋を使いすぎてしまって、腰のあたりのアーチがなくなってしまうことがあります。
やりすぎても腰を傷めてしまいますが、腰のアーチがなくなっている人は多少腰を反らせるようなイメージ・あるいは臍の下を押し出すようなイメージをすると、うまく形がつくれる可能性があります。
ナヴァーサナと同じように大腰筋のイメージを強くするとうまくいくこともあるので、下記の記事も参考にしてみてください。
参考:腸腰筋・腹筋・内転筋・外転筋・大腿四頭筋などが一度に強化できるエクササイズ
アジャスト例(インストラクター向け)
- 背骨のアーチをなるべく自力で保つことを優先するように指示してから、脚を挙げていくように指示する。
- 腕と脚は自分で見えていないので、角度が低い・高すぎる場合は適切な角度になるように指示する。
シークエンス例
アシュタンガヨガでは、パドママツヤーサナのあとにウッターナパダーサナを行い、このあとチャクラーサナにつなぎます。首をいきなり逆向きに強く曲げる(強くうなずく)ことになるので、首の骨をリラックスして自然なカーブを意識しながらチャクラーサナに入ります。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】ウッターナパーダーサナ、ウッターナパダーサナ、ウッターナパーダアーサナ、ウッターナパダアーサナ
【梵】Uttana Padasana
【英】Raised Legs Pose