運動やセルフケアを自力で続けていて、しばらく経っても効果が感じられないときのためのヒントです。
進歩が目に見えて分かる時期もあれば、しばらく効果が感じられない時期もあり、あるいは悪い方向へ戻ってしまうこともあり、私も実践と研究を続けてきた中で色々経験をしてきました。いままで効果が出ていた練習が、急に進歩がなくなってしまって困惑することもありました。
このテーマに関しては人それぞれかなり状況は異なるかと思いますが、いくつかヒントを書いておきます。
全部は理解できなくても、自分に響くものがあれば、実践してみると良いかと思います。
変化への気づきを磨く
しばらく変化がないように思えても、大きな変化が突然現れることもあります。
しかし小さな変化や、大きな変化の前兆は、必ず瞬間瞬間に起こっているはずです。
変化に気づくには、気づきをできるだけ絶え間なく続けることです。「対象への絶え間ない気づき」、それはマインドフルネスや瞑想の原理でもあります。この場合の「対象」は、「自分の心身」でもあり、「行っているセルフケアやエクササイズのやり方」そのものでもあります。
一瞬でも気を抜くと、そのとき何が起こっていたのか分からず、もし良い変化や悪い変化があっても原因に気づくことができません。
急に体が固くなったとか急に病気になったことがある人も多いかと思いますが、全てに必ず原因があります。気づきがあれば、「あぁ、あれのせいでこうなったんだな」と分かるので、慌てることなく対処することもできますし、次はそうならないように予防することもできるでしょう。
とはいえ、ヨガなどはなんとなーくやっていても、それなりの変化はあるはずです。気づきの度合いによって、その変化も異なることになるでしょう。気づきも磨きながら、行えると良いでしょう。
レッスンを受けたりすることがきっかけで気づくこともありますが、先生はヒントを出しているだけで、気づくのは自分自身です。もしレッスンを受けるなら、自分に合った、質のいいヒントをくれる先生に巡り会えると良いですね。
参考:気づきは、磨ける
今の自分に合った「正しい形」で行う
今の自分に合った形で、正しくできているか。その意味での「正しい形」は、人それぞれ瞬間によって異なります。
ヨガのポーズなどは、「完成した」という状態があるわけではなく、人それぞれその瞬間のベストの形を目指して深めていくため、先生や周りの人の真似をしていてもあまり効果が出ないこともあります。
そのため、私は各アーサナの解説ページには「深める方向性」を書いたりして、段階的に自分に合った形で深めていくようにお教えしています。
なかなか深まらないときは、しっかり自分を観察することです。自分の課題から目をそらして、別のものに責任をなすりつけたりしていては、進歩は遅くなるでしょう。
参考:ASANA JOURNEY MAP|アーサナ(ヨガポーズ)レベル分け・習得順番 図解
自分の目的に合ったものを選ぶ
自分は何を求めているか、しっかり気づいていることが大切です。それによって、「今なにをするべきか」が決まります。
長年抱えていた根本的な課題を解決するには、時間がかかるかもしれません。長年拠り所にしていたものを、手放す勇気が必要かもしれません。
それは難しいことかもしれませんが、難しくしているのも自分自身です。思い込みや執着やプライドといった煩悩を手放せば、意外とすぐに変化は訪れるかもしれません。
インスタントに効果が出るものを求めるのか、時間をかけたり執着を捨てたりする必要はあるけれど根本的な変化につながるものを求めるのか、ただ色々試して消去法を進めて行きたいだけなのか、自分が今、何を目的にしているのかを確認しておく必要があるでしょう。
今行っていることが自分に合っていないと思ったら、無理せず手放して別のやり方を試してみるのも良いでしょうし、また戻ってみたりしても良いかもしれません。
参考:ヨガのやり方は、自分で選ぶもの 〜自分との向き合い方・選択肢・選び方・練習法を学ぶ〜
参考:ヨガにゴールはあるのか 〜「一番難しいポーズ」とは?「ポーズができた」とは?〜
執着しない
あらゆることにおいて、執着は障害になります。「根気よく丁寧に行うこと」と「執着」は、似ているようで全く異なります。
執着しているものを、変えることはできません。土台になっているものを、動かすことは難しいでしょう。
変えたいものがあるならば、執着しないことです。
「今まで使ってきた体」「今まで生きてきたライフスタイル」といった、「自分の土台」と思い込んでいるものへの執着やプライドを、手放すのは簡単ではないかもしれません。しかし変えたいものがあるならば、そこにヒントがあります。
もし変えたくないのならば、無理する必要はありません。「変えたい」ということにも執着しないことです。
手放すべきものを判断するためにも、結局気づきが必要です。気づきは人から教わるものではなく元々備わっていて、煩悩を捨てていけば輝き出すものです。
参考:瞑想と煩悩について