督脈の役割
督脈は主に背中側の正中線を通過する。「督」は「監督」などの意味があり、6本の陽経脈と大椎で交差して、陽経脈全体を監督・調整している。「陽脈の海」などとも呼ばれる。
督脈の経穴一覧
GV1 長強(ちょうきょう)
要穴:督脈の絡穴
穴性:清熱利湿、調理下焦、清熱止血、昇堤肛腸
GV2 腰兪(ようゆ)
穴性:温下元、強腰膝、去湿通絡
GV3 腰陽関(こしのようかん)
穴性:強腰膝、去寒湿、壮腰補腎
GV4 命門(めいもん)
穴性:培元固本、温陽補腎、疏調経気、強健腰膝
GV5 懸枢(けんすう)
穴性:温腎健脾、強健腰膝
GV6 脊中(せきちゅう)
穴性:温腎健脾
GV7 中枢(ちゅうすう)
穴性:強腰補腎、和胃止痛
GV8 筋縮(きんしゅく)
穴性:緩急止疼、通絡止疼
GV9 至陽(しよう)
穴性:寛胸利膈、健脾調中、利気寛胸
GV10 霊台(れいだい)
穴性:清熱解毒、宣肺通絡
GV11 神道(しんどう)
穴性:寧心、清熱、通経止痛
GV12 身柱(しんちゅう)
穴性:宣肺止咳、清心寧神、去風活絡、理気降逆、止咳平喘
GV13 陶道(とうどう)
穴性:清熱、解表
GV14 大椎(だいつい)
穴性:疏風解表、清熱通陽、疏風散寒、理気降逆、鎮静安神、醒脳解痙
GV15 瘂門(あもん)
穴性:開竅醒神、安神
GV16 風府(ふうふ)
穴性:清熱散風、通関開竅、疏開脳府
GV17 脳戸(のうこ)
穴性:清熱散風、疏解脳府、開竅
GV18 強間(きょうかん)
穴性:清頭目、安神志
GV19 後頂(ごちょう)
穴性:清頭目、安神志
GV20 百会(ひゃくえ)
穴性:蘇厥熄風、清熱開竅、昇陽固脱、健脳寧神、回陽固脱、平肝熄風
GV21 前頂(ぜんちょう)
穴性:清頭目、散風
GV22 顖会(しんえ)
穴性:清頭目、散風
GV23 上星(じょうせい)
穴性:清熱散風、宣肺通竅
GV24 神庭(しんてい)
穴性:清熱散風、通竅、鎮驚安神、鎮静醒脳
GV25 素髎(そりょう)
穴性:清熱、痛竅
GV26 水溝(すいこう)
穴性:清熱開竅、回陽救逆、鎮痛寧神
GV27 兌端(だたん)
穴性:清熱、止驚
GV28 齦交(ぎんこう)
穴性:清熱、疏経、寧神
督脈に関連するヨガポーズ(アーサナ)
督脈は尾骨先端から始まって、背中の真ん中を通ってのぼり、後頭部をまわって顔の真ん中を通り前歯の間までつながっている。背中側全体の真ん中を通って、陽のエネルギーをバランスしている。
背中を伸ばす前屈ポーズ、およびカウンターポーズである後屈においても意識すると良い。常に、片側だけでなく両面を意識する。つまり逆側を通って陰のエネルギーをバランスしている任脈も、同時に意識する。
参考文献
「ツボ単―経穴取穴法・経穴名由来解説・〔ユ〕穴単語集」坂元 大海 (著), 原島 広至 (著)