足の少陽胆経の役割
胆は「中正の官」と呼ばれ、物事を決断する。胆力という表現があるように、優れた決断力は胆から生まれる。
胆嚢は肝臓で作られた胆汁を貯蔵・排出し、胃・脾の消化を助ける。胆は腑の中でも唯一、貯蔵の役割も持っていると言われる。
心理的には、理不尽なことや正義感を揺さぶられるようなことがあるとストレスがかかり、胆経が固まる(実のコリ)ため、側頭痛や首のコリなどにもつながる。胆経が固まってくると、物事の正しい判断ができなくなる。
足の少陽胆経の経穴一覧
GB1 瞳子髎(どうしりょう)
穴性:疏散風熱、明目止痛
GB2 聴会(ちょうえ)
穴性:疏経活絡、開竅益聡
GB3 上関(じょうかん)、客主人(きゃくしゅじん)
穴性:清熱散風、開竅牙関
GB4 頷厭(がんえん)
穴性:清熱散風、止痛
GB5 懸顱(けんろ)
穴性:清熱散風、止痛
GB6 懸釐(けんり)
穴性:清熱散風、止痛
GB7 曲鬢(きょくびん)
穴性:去頭風、利口頬
GB8 率谷(そっこく)
穴性:去風熱、利胸膈
GB9 天衝(てんしょう)
穴性:去風、定惊
GB10 浮白(ふはく)
穴性:去風活絡、清頭目
GB11 頭竅陰(あたまのきょういん)
穴性:清熱散風、通関開竅
GB12 完骨(かんこつ)
穴性:去風清熱、止痛明目
GB13 本神(ほんじん)
穴性:疏風清熱、止痛鎮惊
GB14 陽白(ようはく)
穴性:去風散火、宣気明目
GB15 頭臨泣(あたまのりんきゅう)
穴性:散風、清熱、明目
GB16 目窓(もくそう)
穴性:散風熱、清頭明目
GB17 正営(しょうえい)
穴性:疏風、活絡、止痛
GB18 承霊(しょうれい)
穴性:清熱散風
GB19 脳空(のうくう)
穴性:去頭風、通鼻竅
GB20 風池(ふうち)
穴性:去風解表、清頭明目、利官竅
GB21 肩井(けんせい)
穴性:理気降痰、疏経活絡
GB22 淵腋(えんえき)
穴性:理気活血
GB23 輒筋(ちょうきん)
穴性:理気活血、平喘降逆
GB24 日月(じつげつ)
要穴:募穴
穴性:降逆利胆
GB25 京門(けいもん)
要穴:腎経の募穴
穴性:益腎利水
GB26 帯脈(たいみゃく)
穴性:調営血、補肝腎、理下焦
GB27 五枢(ごすう)
穴性:調帯脈、理下焦
GB28 維道(いどう)
穴性:調衝任、理下焦
GB29 居髎(きょりょう)
穴性:疏経活絡、強健腰腿
GB30 環跳(かんちょう)
穴性:去風湿、強腰腿
GB31 風市(ふうし)
穴性:去風湿、疏経絡
GB32 中瀆(ちゅうとく)
穴性:疏経絡、去風湿
GB33 膝陽関(ひざのようかん)
穴性:疏筋脈、利関節
別名:足陽関(あしのようかん)、寒府(かんぷ)
GB34 陽陵泉(ようりょうせん)
要穴:合土穴、八会穴の筋会、下合穴
穴性:清肝胆、疏筋絡、利関節
GB35 陽交(ようこう)
要穴:陽維脈の郄穴
穴性:疏肝胆、通経絡
GB36 外丘(がいきゅう)
要穴:郄穴
穴性:清肝解毒、疏経活絡
GB37 光明(こうめい)
要穴:絡穴
穴性:通絡明目、活絡明目
GB38 陽輔(ようほ)
要穴:経火穴
穴性:清肝胆、疏経絡
GB39 懸鐘(けんしょう)
要穴:八会穴の髄会
穴性:去風湿、利筋骨、降気逆
別名:絶骨(ぜっこつ)
GB40 丘墟(きゅうきょ)
要穴:原穴
穴性:清胆熱、利関節
GB41 足臨泣(あしのりんきゅう)
要穴:兪木穴、八脈交会穴
穴性:清頭明目、利胸脇
GB42 地五会(ちごえ)
穴性:清肝胆、疏筋絡
GB43 俠谿(きょうけい)
要穴:滎水穴
穴性:清頭明目、利胸脇、消腫止痛
GB44 足竅陰(あしのきょういん)
要穴:井金穴
穴性:泄熱、利脇、通竅
足の少陽胆経に関連するヨガポーズ(アーサナ)
胆経は目尻から始まって、側頭部を複雑に往復したあと、首の側面〜体の側面を通り、足の薬指へつながる。
首を横へ向けたり横へ倒したりするストレッチや、耳周りのマッサージもとても有効である。アーサナにおいては、脚の外側〜脇を伸ばすときに意識すると良い。
参考文献
「ツボ単―経穴取穴法・経穴名由来解説・〔ユ〕穴単語集」坂元 大海 (著), 原島 広至 (著)