足の少陰腎経の役割
腎は「作強の官」と呼ばれ、生命活動を維持し、成長・生殖などに関わる精を貯蔵し、五臓六腑へ精を供給している。肺から取り込まれた気は腎に納められ(納気)、精を元気へと活性化する。
また腎は全身の水分の代謝を調整する「主水」を司り、胃から取り込まれて全身に行き渡った水分は、汚れたら汗や尿として排泄される。
足の少陰腎経の経穴一覧
KI1 湧泉(ゆうせん)
要穴:井木穴
穴性:開竅、寧心
KI2 然谷(ねんこく)
要穴:栄火穴
穴性:滋陰補腎、清熱利湿
KI3 太谿(たいけい)
要穴:原穴、兪土穴
穴性:益腎降火、通調衝任
KI4 大鐘(だいしょう)
要穴:絡穴
穴性:益腎、清熱、安神
KI5 水泉(すいせん)
要穴:郄穴
穴性:通調経血、疏利下焦
KI6 照海(しょうかい)
要穴:八脈交会穴
穴性:滋陰補腎、利咽明目
KI7 復溜(ふくりゅう)
要穴:経金穴
穴性:滋腎去湿
KI8 交信(こうしん)
要穴:陰蹻脈の郄穴
穴性:調経、利水、理下焦
KI9 築賓(ちくひん)
要穴:陰維脈の郄穴
穴性:理下焦、清神志
KI10 陰谷(いんこく)
要穴:合水穴
穴性:益元壮腎、除脹満
KI11 横骨(おうこつ)
穴性:清利下焦、益腎
KI12 大赫(たいかく)
穴性:理下焦、益腎
KI13 気穴(きけつ)
穴性:調経、利気、止瀉
KI14 四満(しまん)
穴性:調経、利水、消脹満
KI15 中注(ちゅうちゅう)
穴性:調経、通便、理腸
KI16 肓兪(こうゆ)
穴性:温中理気
KI17 商曲(しょうきょく)
穴性:調理腸胃
KI18 石関(せきかん)
穴性:調胃、寛腸、理気、散結
KI19 陰都(いんと)
穴性:調理腸胃、寛胸理気
KI20 腹通谷(はらのつうこく)
穴性:調理中焦
KI21 幽門(ゆうもん)
穴性:降逆和胃、利咽
KI22 歩廊(ほろう)
穴性:寛胸、理気、降逆
KI23 神封(しんぷう)
穴性:寛胸利気、通乳
KI24 霊墟(れいきょ)
穴性:寛胸利気
KI25 神蔵(しんぞう)
穴性:寛胸利気
KI26 彧中(いくちゅう)
穴性:利気、止咳平喘
KI27 兪府(ゆふ)
穴性:利気、止咳平喘
足の少陰腎経に関連するヨガポーズ(アーサナ)
腎経は足の裏の中央にある湧泉から始まり、脚の内側から体幹の前側中央付近を通って、鎖骨の根本までつながっている。
湧泉はチャクラとして捉えられることもあり、大地から気を取り入れる重要な入り口である。そのため、立位のアーサナも坐位のアーサナも、どんな場合でも湧泉から気を取り入れるようにイメージしながら行うと効果的である。
参考文献
「ツボ単―経穴取穴法・経穴名由来解説・〔ユ〕穴単語集」坂元 大海 (著), 原島 広至 (著)