任脈の役割
任脈は腹側の正中線を通過する。「任」は「担任」などの意味があり、3本の陰経脈と下腹部で交差して、陰経脈全体を調整している。「陰脈の海」などとも呼ばれる。
任脈の経穴一覧
CV1 会陰(えいん)
穴性:調経強腎、清利湿熱、固陽固脱
CV2 曲骨(きょくこつ・きょっこつ)
穴性:温補腎陽、調経止帯
CV3 中極(ちゅうきょく)
要穴:膀胱経の募穴
穴性:助陽調経、利膀胱、理下焦、培元気、助気化、補腎調気
別名:玉泉(ぎょくせん)
CV4 関元(かんげん)
要穴:小腸経の募穴
穴性:温腎壮陽、培補元気、通調衝任、培腎固本
CV5 石門(せきもん)
要穴:三焦経の募穴
穴性:調経止帯、温腎壮陽
CV6 気海(きかい)、脖胦(ぼつおう)
穴性:昇陽補気、益腎固精、調補下焦、補腎虚、益元気、固精止遺
CV7 陰交(いんこう)
穴性:調経血、温下元
CV8 神闕(しんけつ)
穴性:健運脾陽、和胃理腸、温陽救逆、開竅復蘇、理腸止瀉
CV9 水分(すいぶん)
穴性:健脾胃、分利水湿、和中理気
CV10 下脘(げかん)
穴性:健脾和胃、消食化滞
CV11 建里(けんり)
穴性:健脾化湿、消食化滞
CV12 中脘(ちゅうかん)
要穴:胃経の募穴、腑会
穴性:調理中焦、健脾化湿、和胃降逆
別名:太倉(たいそう)
CV13 上脘(じょうかん)
穴性:健胃理気、降逆止嘔
CV14 巨闕(こけつ)
要穴:心経の募穴
穴性:寛胸化痰、和胃降逆
CV15 鳩尾(きゅうび、はとのお)
要穴:任脈の絡穴
穴性:和胃降逆、寧心安神
別名:尾翳(びえい)
CV16 中庭(ちゅうてい)
穴性:理気降逆、寛胸理気
CV17 膻中(だんちゅう)
要穴:心包経の募穴、気会
穴性:調理気機、宣肺降逆、寛胸化痰、通乳寧神
CV18 玉堂(ぎょくどう)
穴性:寛胸止咳、清利肺気
CV19 紫宮(しきゅう)
穴性:寛胸止咳
CV20 華蓋(かがい)
穴性:寛胸止咳、清肺化痰
CV21 璇璣(せんき)
穴性:寛胸止咳
CV22 天突(てんとつ)
穴性:宣肺止咳、降逆化痰、清利咽喉、利咽清音
CV23 廉泉(れんせん)
穴性:利喉舌、清咽開音
CV24 承漿(しょうしょう)
穴性:去風通絡、通調任督
任脈に関連するヨガポーズ(アーサナ)
任脈は骨盤底(会陰)から始まって、お腹の真ん中を通ってのぼり、下顎までつながり、陰のエネルギー全体をバランスしている。
お腹側を伸ばす後屈ポーズ、およびカウンターポーズである前屈においても意識すると良い。常に、片側だけでなく両面を意識する。つまり逆側を通って陽のエネルギーをバランスしている督脈も、同時に意識する。
参考文献
「ツボ単―経穴取穴法・経穴名由来解説・〔ユ〕穴単語集」坂元 大海 (著), 原島 広至 (著)