足の太陰脾経の役割
胃と共に「倉廩(そうりん)の官」と呼ばれ、飲食物を受納→消化(腐熱・熟成)→小腸へ運ぶ(通降)という役割を持つ。
臓器との関係としては、脾臓ではなく現代でいうところの膵臓が対応するという説もある。
脾は飲食物(水穀)から栄養分(精微)を作り、全身に送る「水穀の運化」、とくに上方へ運ぶ「昇清」を司る。
また、血が血管外へもれないようにする「統血」を司り、脾に異常があると出血する傾向が現れる。
足の太陰脾経の経穴一覧
SP1 隠白(いんぱく)
要穴:井木穴
穴性:調血統血
SP2 大都(だいと)
要穴:栄火穴
穴性:瀉熱和中
SP3 太白(たいはく)
要穴:原穴、兪土穴
穴性:健脾和中
SP4 公孫(こうそん)
要穴:絡穴、八脈交会穴
穴性:利脾和胃、調衝脈
SP5 商丘(しょうきゅう)
要穴:経金穴
穴性:健脾利湿
SP6 三陰交(さんいんこう)
穴性:補脾胃、助運化、通経活絡、調和気血
SP7 漏谷(ろうこく)
穴性:健脾利湿
SP8 地機(ちき)
要穴:郄穴
穴性:利脾理血
SP9 陰陵泉(いんりょうせん)
要穴:合水穴
穴性:健脾化湿、通利三焦
SP10 血海(けっかい)
穴性:理血調経、散風去湿
SP11 箕門(きもん)
穴性:利水通淋
SP12 衝門(しょうもん)
穴性:調理下焦
SP13 府舎(ふしゃ)
穴性:調下焦
SP14 腹結(ふっけつ)
穴性:理気血、調腸胃
SP15 大横(だいおう)
穴性:温中理腸
SP16 腹哀(ふくあい)
穴性:調理腸胃
SP17 食竇(しょくとく)
穴性:調脾胃、理胸膈
SP18 天渓(てんけい)
穴性:寛胸、通乳
SP19 胸郷(きょうきょう)
穴性:寛胸利気
SP20 周栄(しゅうえい)
穴性:寛胸利気
SP21 大包(たいほう)
要穴:絡穴
穴性:寛胸利脇、統諸絡
足の太陰脾経に関連するヨガポーズ(アーサナ)
脾経は脚の内側から体幹の前面〜脇の下を通っているため、体幹を反る後屈のアーサナや前後・左右に開脚するアーサナで意識すると良い。
参考文献
「ツボ単―経穴取穴法・経穴名由来解説・〔ユ〕穴単語集」坂元 大海 (著), 原島 広至 (著)