足の陽明胃経の役割
胃は脾と共に「倉廩(そうりん)の官」と呼ばれ、飲食物を受納→消化(腐熱・熟成)→小腸へ運ぶ(通降)という役割を持つ。
五臓六腑を活動させるエネルギーである「水穀の精気」は胃の消化作用を経て生成されるので、胃に異常があると、他の臓腑の働きに影響が出る。
足の陽明胃経の経穴一覧
ST1 承泣(しょうきゅう)
穴性:散風泄火、疏邪明目
ST2 四白(しはく)
穴性:去風明目
ST3 巨髎(こりょう)
穴性:去風活絡
ST4 地倉(ちそう)
穴性:疏風行気、利機関、扶正鎮痛
ST5 大迎(だいげい)
穴性:疏風散寒、清熱解毒
ST6 頰車(きょうしゃ)
穴性:開関通絡、疏風清熱
ST7 下関(げかん)
穴性:疏風清熱、通関利竅
ST8 頭維(ずい)
穴性:去風泄火、止痛明目
ST9 人迎(じんげい)
穴性:通脈、降逆、理気、清熱平喘
ST10 水突(すいとつ)
穴性:隆逆平喘、清咽
ST11 気舎(きしゃ)
穴性:散結降逆、清咽止痛
ST12 缺盆(けつぼん)
穴性:宣肺降逆、清熱散結
ST13 気戸(きこ)
穴性:宣肺理気、止咳平喘
ST14 庫房(こぼう)
穴性:理気寛胸、降逆化痰
ST15 屋翳(おくえい)
穴性:降逆化痰、疏風活血
ST16 膺窓(ようそう)
穴性:降逆平喘
ST17 乳中(にゅうちゅう)
ST18 乳根(にゅうこん)
穴性:宣通肺気、活血通絡
ST19 不容(ふよう)
穴性:行気止痛、調中和胃
ST20 承滿(しょうまん)
穴性:和胃理気
ST21 梁門(りょうもん)
穴性:調中和胃、消積化滞
ST22 関門(かんもん)
穴性:理気和中、健脾和胃
ST23 太乙(たいいつ)
穴性:鎮驚化痰、和胃止疼
ST24 滑肉門(かつにくもん)
穴性:降逆、健胃止嘔
ST25 天枢(てんすう)
要穴:大腸の募穴
穴性:調理腸胃、理気和胃
ST26 外陵(がいりょう)
穴性:調理腸胃、通経止痛
ST27 大巨(だいこ)
穴性:益気固精
ST28 水道(すいどう)
穴性:通利三焦
ST29 帰来(きらい)
穴性:益気固脱、温経去寒
ST30 気衝(きしょう)
穴性:舒宗筋、調膀胱、和営気
ST31 髀関(ひかん)
穴性:強腰膝、通経絡
ST32 伏兔(ふくと)
穴性:強腰益腎、疏通経絡
ST33 陰市(いんし)
穴性:温腎散寒、強腰脊
ST34 梁丘(りょうきゅう)
要穴:郄穴
穴性:通経活絡、理気和胃
ST35 犢鼻(とくび)
穴性:通経活絡、散寒止痛
ST36 足三里(あしさんり)
要穴:合土穴、四総穴、下合穴
穴性:健脾和胃、扶正培元、疏風化湿、通経活絡
ST37 上巨虚(じょうこきょ)
要穴:大腸の下合穴
穴性:利脾和胃、通腑化滞、疏経調気、清熱利湿
ST38 條口(じょうこう)
穴性:理気和胃、舒筋通絡
ST39 下巨虚(げこきょ)
要穴:小腸の下合穴
穴性:調理腸胃、疏通乳絡
ST40 豊隆(ほうりゅう)
要穴:絡穴
穴性:和胃化痰、清神志
ST41 解谿(かいけい)
要穴:経火穴
穴性:健脾化湿、清胃化痰、理気通絡、活血止痛
ST42 衝陽(しょうよう)
要穴:原穴
穴性:和胃化湿、寧神志
ST43 陥谷(かんこく)
要穴:兪木穴
穴性:解表清熱、散風行水
ST44 内庭(ないてい)
要穴:栄水穴
穴性:清胃腸湿熱、理気鎮痛
ST45 厲兌(れいだ)
要穴:井金穴
穴性:和胃化痰、清熱安神
足の陽明胃経に関連するヨガポーズ(アーサナ)
胃経は体の前面全体を通っているため、体の前側を伸ばすアーサナで意識すると良い。
参考文献
「ツボ単―経穴取穴法・経穴名由来解説・〔ユ〕穴単語集」坂元 大海 (著), 原島 広至 (著)