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研究の軌跡_20240509 治療や進化を妨げるもの

同じ治療をしても、回復が速いときもあれば遅いときもある。

同じ練習をしても、進歩が速いときもあれば遅いときもある。

その差を生んでいるのは何か。

様々な要素が絡んでいるが、大きな要素としては「思い込み」があるように思える。

思い込みは、外部からの知識や自分の経験などによって固まっていく。

大抵の場合は大人になるにつれて思い込みも重なっていくため、変化が遅くなったり、意図しない変化が生じたりする。

 

変化を望むのであれば、100%そのようになるというイメージを描き、そのような人のように振る舞う必要がある。

たまにそれができたとしても、やはり思い込みの引力は強く、一日のほとんどの時間は元通りの思い込みにまみれた意識ですごしていることになる。

参考:研究の軌跡_20230322_2 アファーメーション

 

思い込みを滅するには「気づき」あるいはマインドフルネス・洞察力などと呼ばれるものが必要であり、そして現状を明晰に洞察した上で、理想的な状態へ変化するようにイメージすること(観想)に、「集中」する必要がある。

気づきのヴィパッサナー瞑想と、集中のサマタ瞑想もこのような考え方に近いものがある。

参考:ヴィパッサナー瞑想とは?|洞察力を高める「観」の瞑想

参考:サマタ瞑想とは?|雑念を払い集中力を高める「止」の瞑想

 

よりシンプルかつ科学的に考えるなら、「変性意識状態」をうまく活用することで、意識の変化を促進することができる。

夢を見ているような「まどろみ」の状態のとき、人は思い込みを捨てて自由な発想ができる。

この状態のときには催眠にもかかりやすいため、自己催眠をうまく活用するのも良いが、人に支配されないようにするために、明晰な気づきを働かせ続ける必要がある。

 

変性意識状態に入るためにはどうするか。

ひとつの鍵は、呼吸である。眠っているときのような、まどろんでいるときのような呼吸をする。

また、眼の特殊な使い方や、意識の中心を特定のチャクラに置いたりといった、いくつかの技法がある。

 

私のレッスンでは、呼吸法を最初に行ったり、アーサナの間に意識を置く場所を指示したり、呼吸のテンポを指示したりといった要素を取り入れて、なるべく変性意識状態が起こって変化が起こるように促している。練習中の方と会話をしていても、来たときとレッスン中ではかなり話し方が変わるものである。

変化を実感して帰っていくけれど、次に来るときにはまた癖の引力に取り込まれて、ほとんど元通りになっていたりもする。

しかし一度進化を実感した心身はそれを覚えているので、前回たどりついたところまで進むのは少しずつ速くなっていくし、次に来たときの初期状態も少しずつ変化していくのがわかる。

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