暑い季節に、体の熱を下げ気分を落ち着かせる呼吸法の簡単バージョン、シータカーリー・プラーナーヤーマ(シートカーリー・プラーナヤーマ)。
アーユルヴェーダにおけるドーシャバランスを整える効果のある、ピッタを鎮めるための呼吸法です。
≫ドーシャとは?(アーユルヴェーダ)
画像出典:Asana Pranayama Mudra Bandha / Swami Satyananda Saraswati
シータカーリープラーナーヤーマの効果
主に、下記のようなピッタ(火)のアンバランスによる不調を改善します。
- 体が暑い
- イライラする、気持ちが高ぶっている
- 目の緊張や疲れ
体の熱を落ち着かせるために、激しいアーサナ練習後にこのプラーナーヤーマを行うことがあります。
また、東洋医学の観点からみると、上前歯の間には督脈の終点である「齦交(ぎんこう)」のツボがあります。シータカーリープラーナーヤーマでここに風を通して刺激することで、督脈が過剰な「陽」のエネルギーを調整するのを助ける効果があります。
シータカーリープラーナーヤーマの禁忌・注意点
低血圧の方は避けましょう。
また、寒い気候のときは行いません。
心臓病・妊娠中の方は、息を止めずに行いましょう。
シータカーリープラーナーヤーマのやり方
1)シッダーサナ、パドマーサナ、スカーサナ、ヴィラーサナなど、瞑想にも適した長時間キープできる坐法で坐ります。背骨が直立して伸びていれば、どんな坐法でも大丈夫です。両手は親指と人差し指を結んでチンムドラーを組むか、楽な形で太ももの上に置きます。
2種類の異なったやり方が行われているようなので、どちらも紹介します。試してみて、より効果が感じられるものを使うと良いでしょう。
2−1)口を軽く開けて歯を閉じます。歯の間を通り抜けるように「シー」という音を鳴らしながら息を吸い込みます。吸いきったら口を閉じます。
2−2)口を軽く開けて、舌を口から少し出して平らにしておきます。その上を空気が通り抜けるように息を吸い、吸いきったら舌を戻して口を閉じます。
3)鼻からゆっくり吐き出します。
4)5〜10セット程度行い、自然な呼吸に戻します。
シータカーリープラーナーヤーマのコツ・練習法
舌をストロー状に丸めることができる場合は、同様の効果のあるシータリープラーナーヤーマも合わせて練習します。
慣れてきたら、息を吸ったあとに止めて、首を前に曲げてジャーランダラバンダを締めて10秒ほどキープしてから、バンダを解いて鼻から吐き出します。
上記2−1の形で、さらに高度なやり方としては、舌を口の中の上(軟口蓋)につけた状態(ケチャリムドラー)で行います。
吐くときに片鼻から吐き出し、交互に左右入れ替えながら行うやり方もあります。