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瞑想における変性意識状態と脳波について

瞑想における変性意識状態と脳波について

深くリラックスしたり、思い込みを手放して進化したりするための、重要な鍵

瞑想を学んでいると、「変性意識状態に入る」という言葉がよく出てきます。

この記事では、「変性意識状態」とは何か、そして脳波と心の状態の関係をまとめておきます。

この記事の目次

脳波の分類と心の状態

周波数の境目はいくつかの説があるようですが、Wikipediaから引用すると、以下のように分類されています。

  • δ波 デルタ波 1-3Hz
  • θ波 シータ波 4-7Hz
  • α波 アルファ波 8-13Hz
  • β波 ベータ波 14-Hz → 30Hz以上をγ波(ガンマ波)と呼ぶ場合もある

δ波(デルタ波)は、夢を見ない深い眠りのときや、最も深い瞑想の状態のときに、後頭部優位で発生する脳波。

θ波(シータ波)は、浅い眠りやまどろみの状態、あるいは深い瞑想のときに、後頭部優位で発生する脳波。

α波(アルファ波)は、目が覚めていてリラックス状態のときや、瞑想をしているとき、物思いにふけっているとき、受動的に情報を受け取っているときなどに、後頭部優位で発生する脳波。α波を基準に、θ波やδ波は「徐波」、β波やγ波を「速波」と呼びます。

β波(ベータ波)は、目が覚めて活動しているときに最も一般的に生じている脳波で、物事を検討しているとき、警戒しているとき、仕事に集中しているときなどに前頭部〜中心部で発生する脳波。

γ波(ガンマ波)は、高次精神活動・物事を結びつける思考・愛・解脱・悟りなどと関係しているという説もありますが、β波の一部とする説もあります。およそ26 Hzから70 Hzをγ波として定義することが多いようです。

基本的に目が覚めて活動しているときは、β波かα波が基本となり、開眼・光や音の刺激などによってβ波が優位になり、閉眼・安静にしているとα波が優位になっていくと言われます。

リラックスするために閉眼は必要かというと、落ち着いた呼吸をして心穏やかな状態を保っていれば、眼を閉じなくても、α波の状態を維持できるかと思います。ただ、スマホやパソコンなどの光の刺激などがあると、β波の状態へ移行しやすいと言えるでしょう。

変性意識状態とは

変性意識状態とは、目覚めてはいるけれど、日常的な状態とは異なった意識状態のことを指します。脳波で考えると、「β波」以外の状態ということになります。

結構幅広い状態を表す、ざっくりとした言葉です。そのため、瞑想を真剣に研究していく上では、「変性意識状態」の中にも上記のようにいろいろな脳波の状態がある、ということを意識しておくと良いかと思います。

「瞑想をしていると、変性意識状態に入っていく」という表現が”主に”意味するところとしては、β波が優位な通常状態から、瞑想によってリラックスしてα波が優位の状態になっていき、より深い瞑想へ向かうとθ波が発生してまどろみの状態(夢をみている状態に近く、思い込みがない状態)になっていく、などと解釈できるかと思います。

このようにα波〜θ波が優位な状態を「トランス状態」などと呼ぶ場合もあり、変性意識状態の中の一種として考えます。このとき暗示がかかりやすくなるため催眠や心理療法として用いられることもあり、またシャーマンやイタコなどの霊媒が受動的に情報を得るときにもこの状態が用いられると言われます。

ただ、ここまでの話はかなりシンプル化したまとめ方なので、もっと複雑な脳波と心の関係性も、あるように思えます。

また、α波へ徐波化していく方向ではなく速波化してγ波へ向かっていく変化も、高次精神活動に関係しているとすれば、研究の余地があるように思えます。このあたりの科学的研究は、まだ諸説あり定まっていない状況のようです。

変性意識状態に入る方法・要因

変性意識状態に入る要因としては、瞑想、コントロールされた呼吸、薬物、催眠、心身が極度に追い込まれる状況などが挙げられています。

意図的にその状態に入ることで、リラックスしたり、アイデアのひらめきやお告げを得たり、思い込みを手放して新たな心身の使い方へ変えたり、様々なメリットにつながる可能性もありますが、暗示がかかりやすくなるため危険性もあります。

薬や事故や他者からの干渉によって、意図せずにその状態に入ってしまうこともあるかと思います。

脳波とはつまりは電気信号であり振動・波なので、特定のリズムの振動や音波や光の点滅や電磁波などによっても影響を受けます。

どのような状態でも、なるべくしっかり気づきを継続させていること、自分で意識的にその状態から出られるようにすることなどが、変性意識状態を活用する上で重要かと思います。

変性意識状態をどう活用するか

瞑想初心者の方などにとっては、ちょっと小難しい・怪しい話に聞こえる人もいるかもしれませんが、私達の脳は良くも悪くも書き換えられるように出来ていたり、眠っていてまだ覚醒していない部分も多かったりします。瞑想や呼吸法などはそのあたりにアプローチするためのひとつの鍵となることは、知っておくと良いかと思います。

また、無意識に人から暗示をかけられていたり、自分で暗示をかけて思い込んでいるということも、実はとても多いのだと思います。

体の使い方の癖も、先入観や思考の癖も、特定のヨガのポーズが苦手だといったことも、思い込みの枷によるものかもしれません。

そういった枷に気づいて手放すためにも、変性意識状態のことを少し知っておくと良いかと思います。

様々な瞑想法や、チャクラやクンダリニーやハタヨーガの行法との関係なども含めて、このあたりは研究する価値がありそうですので、また機会があれば記事にまとめていきます。

参考:人が変わるための緒(いとぐち)

参考:瞑想入門・マインドフルネス入門

参考:クンダリーニヨガ(クンダリニーヨーガ)の研究まとめ

参考:研究の軌跡_20240509 治療や進化を妨げるもの

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by 高橋陽介

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