カカーサナ(カラスのポーズ)の腕を伸ばした形。カカーサナは腕の力でなんとかごまかせてしまいますが、バカーサナはお腹や肩など各所の筋肉を使って、より強く正確にバランスを取る必要があります。
二の腕などの筋力が足りないと感じる方は、下記の練習法も参考にしてください。
バカーサナの主な効果
- 前鋸筋・広背筋・三角筋・上腕三頭筋など肩周りの筋肉の強化
- 肩こりの改善
- 肩周り・二の腕のシェイプアップ
- 腸腰筋強化(太ももをお腹に引き寄せる)
- ハムストリングス強化(足をお尻に引き寄せる)
- バランス感覚・集中力UP
二の腕・脇の下の筋肉を正しく使えれば、肩周りのシェイプアップにとても効果的です。
お腹で脚を引き寄せる力が使えると、体幹の強化にもつながります。
長時間キープする練習をすることで、バランス感覚・集中力が養われます。
バカーサナの禁忌・注意点
腕・手首・指・肩などを痛めている場合は避けましょう。
カカーサナやチャトランガダンダーサナなどのアームバランスポーズが十分にできるようになってからトライしましょう。
バカーサナのやり方
1)足を肩幅くらいに開いてしゃがみ、両手を肩の真下につきます。手のひらの4点(親指側の手の付け根・人差し指の付け根・小指の付け根・小指側の手の付け根)を均等に接地するようにします。
2)肩をすくめないようにしながら、つま先立ちになって膝を二の腕の外側に乗せ、膝で二の腕を挟むようにします。お尻は肩よりも高く上がり、頭が下がります。腰を反らないように・丸めすぎないように、お腹を引きしめます。
3)体をそのまま前方へずらし、頭を下げていくと自然と足が上がるようにイメージします。ピョーンと飛び上がるわけではりません。肩甲骨は寄せず、背中を平らに、肩・首はリラックス。肩の位置がとても重要です。
4)可能であれば股関節を外回しして、親指をそっと合わせます。5呼吸ほどキープして、吐きながら足をおろしてきて、チャイルドポーズでお休みします。
バカーサナを深める方向性
- お尻を高く、膝を高い位置(肩の近くの二の腕)に置く。
- 長時間キープできるようにする。
バカーサナのコツ・練習法
まずは簡単なアームバランスポーズから練習
まずはチャトランガダンダーサナやカカーサナをキープできるようにしましょう。カカーサナを短時間しかできない場合は、肩の位置が整っていないのになにかでごまかせている可能性があります。
手首の柔軟性も必要なので、手首をストレッチしてから行いましょう。
脚は腕にドンと乗せられないので、腸腰筋とハムストリングスで支える
カカーサナは肘が曲がっていたのでなんとかごまかせますが、バカーサナは肘が伸びているので腕に脚をのせるわけにはいきません。
「膝で二の腕をはさむ」という力も使いますが、それだけでは脚を支えきれません。
脚を支えているのは、太ももをお腹に引き寄せる腸腰筋と、かかとをお尻に引き寄せるハムストリングスの力です。
これらの筋肉を使うことを意識しましょう。ローラーサナや、ピラティスのシングルレッグストレッチなども良い練習になります。
勇気を出して重心を前へ、お尻を高く
お尻をあげたままスタートするために、足の下にブロックを置くとやりやすいです。ただ着地するときはブロックに戻るのは難しいので、無理にブロックに戻ろうとせず床に降りたほうが安全です。
お腹やお尻の使い方は、ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)で練習します。ウトゥカターサナからそのまま股関節を引きながら前屈し、手を前について上半身を前方へ送り、ふわっと足を浮かせてみると感覚がつかめるかもしれません。
アジャスト例(インストラクター向け)
- カカーサナやローラーサナに十分慣れているかを判断してから、行ってもらうようにする。
- 横に座ってスタンバイする。前に倒れないように、肩あたりを支えられる準備をしておく。
- アラインメントは、足を上げる前にできるだけ直しておく。肩がすくんでいる・肩甲骨が寄っている・猫背になっているなどの場合は修正する。
- 足が上がったら、背中とすねを軽く支えて、太ももをお腹に・かかとをお尻に近づけてコンパクトになるように導く。
シークエンス例
- アシュタンガヨガなどでは、開脚して肩の上に脚を乗せるティッティバーサナ(ホタルのポーズ)から、バカーサナに移行します。
- 片脚を伸ばして、エーカパーダバカーサナに移行します。なるべくお尻を下げないように気をつけましょう。
- ジャンプバックしてチャトランガダンダーサナに移行します。できるだけふわっと、腸腰筋を使いながら着地しましょう。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】バカーサナ、バカアサナ、鶴のポーズ
【梵】Bakasana
【英】Crane Pose