現代ヨガの多くのレッスンで出てくる太陽礼拝。
チャトランガや8点のポーズが苦手という方も多いですが、ダウンドッグから戻ってくるときの以下の動きが苦手な方も多いようです。
「ダウンドッグから、手と手の間まで、できれば一歩で足を戻してくる」という動きです。
手の間まで戻せずにかなり手前で足が床についてしまったり、ドスンッ!と足をついてしまったり、ズズっとマットにこすってしまったりすることも多いでしょう。
今回は、この動きのコツを紹介します。
「高さ」をつくるためのポイント
足が途中で床についてしまうのを防ぐためには、それなりの高さを確保しなければなりません。
高さをつくるためのポイントは、下記4つを意識すると良いと思います。
- お尻を高く保つ
- 胸を高く保つ
- 太ももをお腹に引き寄せる
- かかとをお尻に引き寄せる
お尻を高く保つ
ダウンドッグの状態から、なるべくお尻を高い状態を保つ必要があります。
そのためには下腹部を引き締めて、ダウンドッグをするときと同じように強い体幹をキープしておきます。
胸を高く保つ
足が手の間につくためには、胸の下・両腕の間を膝が通り抜ける必要があります。
肩甲骨を寄せないように・肩をすくめないようにして、両腕でしっかり床を押し続けます(強く押す必要があるので、足がしっかり接地するまではカップハンズにしてはいけません)。
太ももをお腹に引き寄せる
ここが一番苦手(つまり重要)、という方が多いかもしれません。
太ももをお腹に引き寄せるには、股関節を深く曲げる筋肉(腸腰筋)を使う必要があり、それによってお尻の筋肉(大臀筋)は伸ばされる必要があります。
椅子生活のせいでお尻が固まって、背もたれに頼るせいで腸腰筋が弱っている人が多いため、この動きが苦手になってしまうのかと思います。
かかとをお尻に引き寄せる
上のポイントと合わせて、「膝をしっかり曲げて、脚全体をコンパクトに折りたたむ」という動きになります。膝を曲げるためには、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)は伸びていなければなりません。
先に述べた太ももを引き寄せる動きは、大腿四頭筋を使って行うこともできてしまうのですが、大腿四頭筋を使ってしまうと膝を曲げにくくなります。なので、太ももの前側の筋肉は適度に脱力した状態で行う必要があります。
膝を曲げるために必要なのは、太もも裏の筋肉(ハムストリングス)です。
これらの動きを正しく行っていれば、脚の筋肉はバランスよく整い、太ももが不自然に太くなることはないでしょう(脚全体がしゅっとしてきます)。
練習法
まず両足のかかとを浮かせて、指の付け根で地面を押して、ダウンドッグよりもさらにお尻を高い状態をつくります。
そこから、お尻がなるべく下がらないように膝を曲げて、太ももをお腹に引き寄せる動きを練習しましょう。
足を前にもっていかずにダウンドッグへ戻って、この動きだけをゆっくり繰り返して練習すると良いでしょう。
先に述べたポイントを意識して、最初はいろいろな場所に意識を置く必要がありますが、筋肉のバランスが整ってくれば、意識せずに気持ちよく太陽礼拝の流れをつなぐことができるようになっていきます。