現代一般的に行われているヨガは「ハタヨガがベースになっている」と言われることが多いですが、もともとのハタヨーガで扱われるチャクラやクンダリニーなどについて語られることは少ないように思えます。
チャクラと聞くと、スピリチュアルな業界をイメージする人も多いかと思います。インドあたりから始まったチャクラの考え方が欧米を経由して、現在ではヒーリングなどの業界でチャクラが扱われることも多いようです。
元々どこが元祖なのか本家なのかわかりませんが、気功や仙道などにも同様な概念があり、目には見えないけれど、それなりに多くの人々が同じようなものを感じている、とは言えると思います。
目に見えるものではないので、人はそれぞれ感覚的にチャクラについて位置や色などを定義しています。
そのため、チャクラについて調べ始めると、諸説入り乱れてよくわからなくなります。
とはいえ、もともとハタヨーガとは切り離せないもの。いろいろなヨーガがありますが、そのなかでハタヨーガを選択して行っていくのであれば、チャクラを意識して行ったほうが効果的であると思いますので、私なりに整理していきたいと思います。
(もしチャクラやクンダリニーの考え方が肌に合わない場合は、ハタヨーガにこだわる必要はないのです。)
この記事の目次
ハタヨーガの目的を整理
ハタヨーガの目的を、代表的な古典のひとつであるハタヨーガプラディーピカーの流れに沿って、最終的なゴールからさかのぼってざっくり書いていくと、下記のようになります。
- 骨盤底あたりで眠っているクンダリニーと呼ばれるエネルギーを上昇させて、頭頂まで導く。
- ←エネルギーをコントロールして上昇させるには、ムドラー(アーサナ・プラーナーヤーマ・バンダを組み合わせたもの)を行う。
- ←エネルギーをスムースに流すために、体の中を流れるナディと呼ばれるエネルギーラインを浄化しておく必要がある。最終的には、体のセンターを縦に貫くスシュムナーナディにクンダリニーを流すことが目的となる。
- ←ナディの各要所にはチャクラと呼ばれる場所があり、ナディを働かせるにはチャクラを活性化させる必要がある。主要なチャクラとされている6〜7つのチャクラは、スシュムナーナディに沿って縦に並んでいるとされることが多い。
- ←浄化とエネルギーのコントロールのために、様々な浄化法(シャットカルマ)や呼吸法(プラーナーヤーマ)などを行う。
- ←アーサナによって、まず肉体を健康・強壮にする。
- ←道徳を基盤とし、ヨーガを行うのにふさわしい環境を整える。
≫ハタヨーガプラディーピカーの概要・アーサナ一覧
≫ハタヨーガのシャットカルマ(6つの浄化法)
ハタヨーガの行法全体に見られる意図として「浄化」がとても強く感じ取れます。
そして、浄化するべきものとして、目に見える「肉体」だけではなく、「エネルギー体」のようなものが定義されています。
詳しい話はまた別の機会にしますが、ハタヨーガでは3つの体が定義されます。
- 粗大身(肉体)
- 微細身(エネルギー体)
- 原因身(コーザル体)
つまりヨーガで浄化するのは、肉体だけではありません。
体を柔らかくしたいとか、脂肪を減らしたいとか、そういった目に見える変化を求めてヨガをする人も多いと思いますが、肉体だけに執着していてはうまくいかないのは、エネルギーの流れや心の働きなどに感覚を向けていないからかもしれません。
チャクラという言葉の意味
チャクラ Cakra चक्र という言葉自体の意味は、「円盤」「車輪」などです。
「点」として定義されることも多いチャクラですが、イメージとしては円形で回転しているもののような感じです。
そのため「チャクラを開く」というより「チャクラを回す」と表現するべきだと主張する人もいます。
ヨガのポーズの中にもチャクラーサナと名がついているものがいくつかありますが、転がったり丸を描いたりする形になっています。
では実際チャクラは回転しているのか、それともポイントなのか。
次回、チャクラとはどんな位置にあって、どんな構造をしているのかということを考察していきます。
より詳しい内容、最近の研究については下記のページにまとめています。