陰ヨガのレッスンなどでよく行っている、胸のストレッチを紹介します。
名前は特につけていなくて「半身になるやつ」などと適当に言っていますが。
うつ伏せの状態から、片方の肩を上げて半身になっていく動きで、下側の胸周りの筋肉をストレッチします。
柔軟性に合わせて形を調整しながら行うと良いですが、うまく行うと胸周りだけでなく、意外と股関節や背骨周りの筋肉たちにも効果的です。
胸を開くストレッチの効果
- 猫背・巻き肩などの姿勢改善
- 大胸筋のストレッチ(肩を後方に引き、肩関節を外回しする動き)
- 小胸筋・前鋸筋のストレッチ(肩を後方に引く動き)
- 呼吸を深める(小胸筋がゆるむことにより)
- 背骨(特に腰椎)をねじる柔軟性UP(腰方形筋・腹斜筋などのストレッチ)
- 骨盤調整、腸腰筋・中殿筋ストレッチ(脚を後方・床の方へ伸ばす動き:股関節伸展・内転)
主な目的は、大胸筋・小胸筋・前鋸筋などのストレッチ。これらは胸を前へ閉じる方向の動きを行う筋肉なので、これらがストレッチされることで、胸が開き、呼吸が楽になり、姿勢が改善されていきます。
胸を開くストレッチのやり方
1)うつ伏せで寝て、片方の腕を真横へ伸ばし、肘を90°に曲げます。
2)反対側の手で床を押して、胸を横へ向けていくように半身になっていき、下側の胸の前の筋肉をストレッチします。可能であれば上側の脚も後方へ伸ばすようにしていくと、背骨のツイストも加わります。この形で気持ち良い範囲で1〜2分ほどキープして、胸の深い部分の筋肉も伸ばします。
3)うつ伏せに戻り、逆側も同様に行います。
胸を開くストレッチのコツ・バリエーション
柔軟性が足りない場合や、首が浮いてしまう場合
柔軟性が足りない場合や、首が浮いてしまって疲れてしまう場合は、側頭部の下にブロックや毛布などを置いて支えます。
また、上側の脚は後方へ運ばなくても結構です。両膝を重ねていてもいいし、上の膝を前の床に置いても可能です。「胸が横へ向いていく動き」さえできていれば、メインの目的の場所のストレッチはできているはずです。
上腕を伸ばす方向と効果
まずは腕は真横に伸ばして行ってみるのが良いかと思いますが、伸ばす方向によってストレッチされる筋肉は変わってきます。
胸の筋肉の柔軟性が足りない場合は、上腕は少し下方向(肘が少し脇に近づき斜め下方向)に伸ばしたほうが気持ち良い場合もあるでしょう。
ただ、あまり肘が脇に近すぎたり手が顔に近すぎたりすると、窮屈になってしまって胸の筋肉が十分にストレッチされないので、適度に離して置くようにします。胸を上げ始めてから、少し肘を遠くに移すように調整してみても良いでしょう。
上腕を少し上方向に伸ばすと、広背筋のストレッチなども少し加わります。
脚をうまく使う
上側の脚は、可能であれば後方へ、かつ床につくように伸ばしていきます(股関節伸展・内転)。床につくようにしていくことで、背骨のツイスト効果が加わります。このとき股関節も内転するので、うまく行えばお尻の外側(中殿筋)のストレッチなども加わります。
「床につくように」というのは、やろうとしなくても重力が働けば自然にそうなるので、陰ヨガ的なやり方でうまく重力を使いながら、力の入っているところはうまく呼吸をつかって緩めながら行うと良いでしょう。
シークエンス例
- コブラのポーズやシール(ピラティスのスワン)などと合わせて行います。
- パリヴリッタマールジャリアーサナ(針の糸通しのポーズ)は肩の動きが逆になるので、合わせて行うと肩の柔軟性がバランスよく高まります。
- ダヌラーサナ(弓のポーズ)、シャラバーサナ、ベーカーサナなどの準備として行うと、胸が開いて肩が使いやすくなります。
- 終わった後はチャイルドポーズで休みます。