重力をうまくつかって、背骨のツイスト・肩の柔軟性を引き出す陰ヨガポーズ、パリヴリッタマールジャリアーサナ(針の糸通しのポーズ・ねじった猫のポーズ)。
側頭部を刺激する効果もあり、頭痛・片頭痛・噛み合わせや歯ぎしりなどの改善や睡眠の質の向上にもつながります。
この記事の目次
パリヴリッタマールジャリアーサナ(針の糸通しのポーズ)の主な効果
- 背骨をツイストする柔軟性UP
- 肩・首・頭への血行促進(逆転ポーズの効果)
- 頭痛・片頭痛の改善
- 噛み合わせ・歯ぎしりなどの改善
- 睡眠の質の向上
- 肩を挙上する柔軟性UP
- 胃など消化器系の活性化
- ストレス解消(ピッタの減少)
パリヴリッタマールジャリアーサナ(針の糸通しのポーズ)の禁忌・注意点
首・腰など背骨まわりを痛めている場合や、肩を痛めている場合や挙上の柔軟性が足りない場合は、痛みの出ない範囲に調整して行います。
床に接して圧がかかる側頭部や肩(三角筋周辺)を痛めている場合は、ジャタラパリヴァルタナーサナなど別のツイスト陰ヨガポーズに置き換えて行います。
下記のバリエーションのやり方も参考にしてください。
パリヴリッタマールジャリアーサナ(針の糸通しのポーズ)のやり方
1)四つばいになります。を手を前方へ運んでいき、肩を伸ばしながら胸を床に近づけていきます。
2)左手を浮かせて、右脇の下を通過して体の右側の床に置くようにしていきます(この動きが「糸通し」)。左手を右へ送っていくのと同時に上半身を右へねじって胸と顔を右へ向けていき、側頭部が床につく形になります。
3)膝やお尻の位置はズレないようにしながら、各部分の位置を調整していきます。背骨のねじり、前方に伸ばしている腕はバンザイする方向へ肩を動かしていって手の位置を調整し、側頭部に軽く圧がかかり首が窮屈にならないように頭の位置を調整します。気持ちよくキープできる場所を見つけたら、そこでゆっくり呼吸しながら1〜2分キープします。
4)前方に伸ばしている右手で床を押して、息を吸いながらゆっくり四つばいの体勢に戻ります。逆側も同様に行います。
5)両側が終わったら、ゆっくりお尻を後ろへ引いていき、チャイルドポーズで脱力して休みます。
バリエーション
- 顔の下にブロックを置くと、肩と背骨の動きが軽減されます。
- 膝の位置を変えることでお尻の高さを調整します。膝の位置を前にずらすと全体の姿勢が低くなり、肩や背骨の動きが軽減されます。
- 足首は伸ばす形と、曲げてつま先を立てる形があります。足首を伸ばすと、足の甲やスネのストレッチが加わり、足首を曲げてつま先を立てると、足や膝がずれないようにする安定感が増します。どちらを選んでも良いでしょう。
- 前の手は前方に伸ばさず、四つばいの位置のまま行うバリエーションもあります。
- 手を脇の下を通した後、戻って逆側へ背骨をねじりながらその手を上に挙げたり、といった反復の動きを加えながら動的アーサナとして行う方法もあります。
- 腕を上に伸ばすバリエーションもあります(長友佑都選手がこれをやっていましたね)。この場合は筋肉を使って腕を伸ばすため、陰ヨガというよりは陽ヨガのアプローチになるかと思います。
- 上の腕を背中側にまわして、逆側の脚(この場合左脚)の内ももを手でおさえると、ツイストを深める力に使えます。
- 下の手で脚の外側をおさえると、これもツイストを深める力に使えます。この場合、少し背中を丸くする動きが加わることになります。
関連する陽ヨガポーズ・シークエンス例
- キャットアンドカウやアナーハターサナと組み合わせて行うと、背骨の様々な動きに関する柔軟性が高まります。
- パピーポーズ(ウッターナシショーサナ)は形が近く、つなげて行いやすいです。
- ウシュトラーサナなどの膝位のポーズにもつながります。
- ジャタラパリヴァルタナーサナやダイイングウォーリアなどの陰ヨガポーズも同様のツイスト効果がありますが、側頭部や肩への刺激など異なる面もあります。
- ポーズ間や一連の膝位のポーズが終わった後に、チャイルドポーズで休憩を入れて行うと良いでしょう。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】針の糸通しのポーズ、ねじった猫のポーズ、パリヴリッタマールジャリアーサナ、パリヴルッタマールジャリアーサナ、パリヴリッタマールジャリャーサナ、パリヴルッタマールジャリャーサナ、パリヴリッタマルジャリアーサナ、パリヴルッタマルジャリアーサナ、パリヴリッタマルジャリャーサナ、パリヴルッタマルジャリャーサナ
【梵】Parivrtta Marjaryasana
【英】Twisting Cat Pose