ハタヨーガの古典の中で、最も体系化されているとして重要視されているハタヨーガプラディーピカー。
今回は第1章最後の部分、ハタヨーガの実践に関するまとめの部分を紹介します。
以下、日本語訳は「ヨーガ根本経典/佐保田鶴治」から引用しています。
この記事の目次
老いも若きも
1.64 若きも、老いたるも、高齢者も、病人も、虚弱者も、すべてのヨーガ行を怠らずに実習することによって成満(シッディ)に達することができる。
ヨーガスートラにも出てくる、絶え間ない実践(アビヤーサ)がここでも出てきます。
≫ヨーガスートラ解説 1.12-1.14 〜心を制御する2つの方法〜
「シッディ」は様々な訳され方をしますが、ヨーガのゴールを表しています。
ハタヨーガで最重要とされているシッダーサナという坐法がありますが、シッダは達人・シッディを得た人といった意味です。
「◯◯歳からでもヨガはできますか?」といった質問をたまに受けますが、どんな年齢でも、病人や虚弱者でも、怠らずに実践することでヨーガのゴールにいたることができると言われています。
ハタヨーガプラディーピカーが示すゴールとはラージャヨーガであり、体を強く健康にすることだけではなく、最終的には心を扱うことにつながっていきます。
1.67 さまざまな体位、クンバカ、その他のすぐれた諸所作など、ハタ・ヨーガの実習に関するすべてのことは、その結果たるラージャ・ヨーガに達するまで修行しなければならない。
ヨガの本を読んだり、ヨガウェアを着たりするだけではダメ
1.65後半 ただ教典を読むだけでは、ヨーガの成満は生じない。
1.66前半 ヨーギーの衣装をつけることはヨーガ成満の原因ではない。
カタチから入る人も多いと思いますが、ヨガの本を読んだり、オシャレなヨガウェアを買ったりしただけで満足してしまってはいけません。
実践しない限り、ゴールに近づくことはありません。ただ、正しく実践すれば、やればやっただけ進んでいくことができます。
何歳から始めても遅すぎることはありませんが、始めるなら早いほうがいいでしょうね。
≫ハタヨーガプラディーピカー概説 2.1〜2.6 〜プラーナーヤーマの目的〜
≪ハタヨーガプラディーピカー概説 1.58〜1.63 〜食事に関する話〜
参考文献
「サンスクリット原典 翻訳・講読 ハタヨーガ・プラディーピカー」菅原誠 (著)
「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)