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「ムドラー」とは 〜仏像の手の形・ハタヨーガや密教の奥義〜

「ムドラー」とは 〜仏像の手の形・ハタヨーガや密教の奥義〜

体内と世界に通じている、見えないラインをつなぐ

「ムドラー(ムドラ・mudrā)」はもともとサンスクリット語で、日本では「印(いん)」「印契(いんげい)」などと訳されます。

瞑想を深める上でも役立つ技法なので、少しずつ紹介していきます。

この記事の目次

一般的なムドラーの意味

現代における「ムドラー」は、「手で表す印相」を指すことが多いようです。

座禅を組むときに用いられる法界定印や、ヨガでもよく用いられるチンムドラー(ジュニャーナムドラー)もそのなかの一種です。日本の仏像なども様々なムドラーを行っています。

参考:チンムドラー・ジュニャーナムドラーの意味・違いに関する考察

ハタヨーガや密教における「ムドラー」は、「手で表す印相」としてだけでなくとても様々な意味を持ち、「奥義」として扱われることが多いです。

密教におけるムドラーの話までいくと、ジュニャーナムドラーとは性的ヨーガのパートナーを指す??マハームドラーがゴールであり宗派によってかなり異なる??などといったオモシロイ話になってきて長くなりますので別の機会にして、ここではひとまずハタヨーガのムドラーについて紹介します。

ハタヨーガにおけるムドラー

ハタヨーガは元々密教の影響を強く受けている、といった話は以前ハタヨーガプラディーピカーの概説にまとめましたので、そちらを参考にしてみてください。

参考:ハタヨーガプラディーピカー概説 1.1-1.11 〜ハタヨーガとは〜

ハタヨーガの教典には、アーサナ(坐法・姿勢・ヨガポーズ)やプラーナーヤーマ(呼吸法)とともに、ムドラーが奥義としていくつも登場します。

ハタヨーガにおけるムドラーは、手で表す印相ではなく、体全体を用いるものが多いようです。また、性的ヨーガに関わるアヤシイ技法などもムドラーとして登場します。

ただ、体だけでそれっぽく行っても、ムドラーにはなりません。身体と呼吸と意識を組み合わせて、初めてムドラーが完成します。

ムドラーの実践には、ハタヨーガの技法として登場するアーサナとプラーナーヤーマとバンダを組み合わせる必要があり、そのためムドラーはいろいろなハタヨーガの技法の中でも奥義のような位置づけにされているようです。

参考:バンダとは

ムドラーの目的・効果

手印としてのムドラーの目的・効果

たとえば手で印を結んでみると、なんとなく気持ち良いとか、集中できる、といった効果が実感できるかもしれません。

この効果について科学的に説明するのは難しいかもしれませんが、ひとつのヒントとしては、経絡やナディ、あるいは反射区といったものが影響していそうです。

鍼灸など中医学で用いられる経絡・経穴の考え方では、指先に重要な経穴があり、これらは見えない経路でつながって体全体に気を流しています。そのため、特定の指と指をくっつけることによって、気の流れを導くことができるとも考えられます。あるいは指先に意識を集中するだけでも、気の流れに影響があります。

他人と触れ合うという際にも、手はとても重要な役割を果たします。指には神経もたくさん通っています。手を特定の形にすることは、意思表示にも用いられます。

手の重要性を挙げ始めればキリがないですが、体内だけでなく周りの世界との接点としても手は様々な機能を果たします。その機能は、手の形によって明らかに変化します。手の形によって、他人や自分を不快にさせることもできてしまいます。

ハッキリと科学的指標で説明するのはここでは難しいですが、手で印相を描くということは、体内と体外それぞれの気の流れにとって様々な効果をもたらすように思えます(こういったことを微弱電流や磁場や脳波などで説明を試みてきた人も少なからずいますが、そういう研究が表舞台に出てくることはまだ先になりそうです)。

ハタヨーガのムドラーの目的・効果

ハタヨーガの大きな目的としては、ハタヨーガプラディーピカーの概説でもたびたび出てきましたが、クンダリニーの覚醒というものがあります。

私としてはそこを目指しなさいというつもりはなく、そういうものがあるよという情報として共有するだけです。本気で行いたい場合は、ちゃんとした師匠に教わる必要があり、独学でやるべきではないと昔から度々警告されています。

クンダリニーは、尾骨先端に眠っていて、覚醒すると背骨を通って頭のてっぺんまで向かい、その通り道にあるチャクラを目覚めさせるといいます。たびたび出てくるプラーナ(気)と似ていますが、それとは異なるものです。

そのためハタヨーガのアーサナには、瞑想用の坐法として行われるアーサナに加えて、背骨を整えるアーサナも多数登場してきます。ハタヨーガで坐法として最重要とされているのがシッダーサナで、カカトで会陰を刺激することが第1チャクラを目覚めさせる助けとなります。

シッダーサナ(達人坐)

背骨を整えた上で坐法を整え、ムドラーを日々実践し、クンダリニーの覚醒を目指すというのがハタヨーガのゴールです。

ゴールに至る道は様々で、ハタヨーガはその中の一つです。クンダリニーとかチャクラとかうさんくさいなぁと感じるようなら、自分に合った別の道を選べば良いのです。

ムドラーの実践

まずは手軽にできるところから、瞑想を実践するときにチンムドラーや法界定印といった手のムドラーを使ってみると良いでしょう。

集中が高まったり、なんとなく気持ち良い、といった感覚があったりすると思います。

今の心身の状態にあったムドラーを選んでみると、よりその効果が高まります。

手が疲れてしまっては瞑想の妨げになりますので、無理なく組めるものを選びます。手指をもみほぐしたり、パワンムクターサナなどの準備運動を先に行うのも良いです。

うまくムドラーが選べないとか、手を意識的に組むのは疲れてしまうという人は、ひとまず形にこだわらず、力を抜いて、「指先まで意識を均一に行き渡らせる」という気持ちで瞑想をするのも良いかもしれません。すると、手が気持ち良い形に自然とおさまると思います。それが、そのときに適したムドラーということです。

ヨガのレッスンではチンムドラーくらいしか出てこないのであまり種類は知られていませんが、様々なムドラーがありますので、ハタヨーガのムドラーも含めて、簡単に実践できるものを中心に今後紹介していこうと思っています。

参考記事

ハタヨーガの重要教典「ハタヨーガプラディーピカー」の概説
ハタヨーガプラディーピカー概説

ハタヨーガの技法がたくさん載っている教典「ゲーランダサンヒター」の概説
ゲーランダサンヒター概説

参考文献

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