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「クンダリニー・タントラ」を読む【23】第1章 12節-1:覚醒に伴う経験

「クンダリニー・タントラ」を読む【23】第1章 12節-1:覚醒に伴う経験

経験したことのない様々な兆候に対して、心乱されないように

「KUNDALINI TANTRA(クンダリニー・タントラ)/Swami Satyananda Saraswati(スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ)著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガの概要を紹介していきます。

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今回は、第1章の12節の前半、クンダリニー覚醒に伴う経験に関する部分です。

クンダリーニヨガの研究については、以下のページにまとめてあります。

参考:クンダリニーヨーガ(クンダリーニヨガ)の研究まとめ

この記事の目次

変化の兆候に気づく

兆候は少しずつ現れる

The awakening of kundalini is like a great explosion which transports a person into another plane of being. No matter which spiritual path you follow, you must eventually reach this domain.

クンダリニーの覚醒は、人の意識を新たな次元へと移行していく爆発的な変化をもたらしますが、その兆候は少しずつ現れてくるといいます。

そういった兆候について十分知っておくことは、行法を進めていく上で心乱されないようにする上でも重要なことでしょう。

移行期間がある

Ordinary consciousness and transcendental consciousness cannot be maintained at the same time; it is necessary to pass through an intermediate zone of change, …

一般的な意識状態と、超越した意識状態は、同時に存在することはなく、またその間には移行期間のようなものがあります。

しっかりと理解して臨めば、そのような移行期間に現れる様々な兆候に対しても、困難なく乗り越えていくことができるといいます。

様々な種類の経験

超常的な感覚が起こり始め、一般的な欲求からは離れていく

ここから、様々な経験について述べられていきます。

一般的な感覚からすると、幻覚をみているような話になるので、もしそれを人に話したら精神異常を疑われるようなものもあるかもしれません。1章9節では、そういった感覚を得るようになった人物に対して西洋とインドではどのように扱われ方が違うか、という話も出てきました。

そういった超常的なビジョンや音などを生み出す機能が、脳の中にあるというのは確かであり、通常生活では抑制されてはいますが、眠っていた脳の一部が目覚める可能性は誰にでもあるということは理解しておくと良いでしょう。

様々な兆候の中が現れる中で、性や食に対する執着が少しずつなくなっていくともいわれます。

眉間に光が見える

The preliminary awakening of kundalini is followed by the experience of light in bhrumadhya, the eyebrow center.

「眉間に光が見える」というのは、覚醒の前段階によく起こる現象のようです。

こういった現象が起こる原理は、視細胞や神経の構造をよく観察すると、ヒントがあるかもしれません。視るための機構は、外からの光を受容するだけでなく、脳の方から送られた情報を視覚化することもできるようになっているようです。

両鼻の呼吸が均等になっていく

The breathing pattern in the nostrils normally changes every fourth day, according to the cycles of the moon, but when both nostrils have been functioning equally well for at least fifteen days, that is an advance warning of an impending spiritual breakthrough.

左右のイダー・ピンガラーの流れが整うことによって、中央のスシュムナーが流れるようになり、スピリチュアルな出来事が起こるための準備が整うといいます。

左右の鼻腔の呼吸パターンは、通常は月のリズムに従って4日ごとに変わるが、それが両鼻が均等に働くようになり少なくとも15日間その状態が続くと、それはスピリチュアル的な変容がある重要なサインであると説明されています。

電気的な刺激が、骨盤底から脊髄を上っていく

The most unique and common experience is the release of energy like an electric shock from the bottom of the spinal cord, as if it were connected to an electrical power point.

脊髄の一番下からエネルギーが解放され、電流のような感覚が上がっていくのを感じることもよくあります。

この感覚は、骨盤底にあるムーラーダーラチャクラが燃えるような感覚を伴ったり、中央のスシュムナーをエネルギーが上がったり下がったりする感覚を伴うこともある、と説明されています。

様々な音が鳴り響く

Sometimes you hear drums, flutes, bells, birds, celestial music, or you may even think you can hear peacocks singing.

太鼓や笛や鐘の音、鳥のさえずり、神聖な音楽、孔雀の鳴き声などが聞こえることがあります。

不思議なことですが、これについては私も何度も経験があり、一体いつから、どこから鳴っていたのだろう?というような音の洪水のような中にいたという感覚を得ることがあります。ものすごい音なのですが、うるさくて不快という感じではなく、たしかに「神聖な」あるいは「荘厳な」といった雰囲気を感じます。

豪雨の中にいるような感覚になったり、暗雲の中で雷鳴を聞くような感覚になることもあるといいます。

身体に様々な感覚が起こる

体がとても軽く感じ、背骨が蛍光灯のように光るのを視たり、身体の中に数百もの小さな光が燃えているのを視るということもあるといいます。

これらは、通常使われている脳の機能とは異なる部分が働き始めた兆候と考えられます。

様々な感情が起こる

怒りや感情、抑圧などが現れてきて、恐怖のあまり眠れなくなることもあったり、性や食に関することしか考えられなくなる時期もあったりします。

しかしそれらは、数日か数週間の間に過ぎ去っていくといいます。

超能力が一時的に目覚める

Some people obtain psychic powers. They develop clairvoyance, telepathy, clairaudience, psychotelekinesis, the ability to heal, etc., and this brings a lot of temptations. However, this is a phase and it will pass away.

一部の人には、透視・テレパシー・天耳通・念力・ヒーリングなどの超能力が現れることもあるといいます。

それらはとても魅力的なことのように思えますが、そういった時期もいずれ過ぎ去っていくといいます。

食欲の変化、芸術的な感覚、その他

The storm always settles and then the yogi lives a very normal life. Externally his life seems the same as anybody else’s but his inner awareness is far greater and more vast.

15〜20日の間も全く食欲がなくなることもあるといいます。テンションが下がり、全てに興味がなくなって、ただ坐っていたくなる時期が来ることもあります。そんなときも、心には変容が起こっています。

詩的な感情や芸術的な感覚が起こってきたり、天使や神のビジョンを視ることもあるといいます。それらは心の深いところから湧き上がってくるものであると説明されています。

以上のような、嵐のような兆候もすぐに過ぎ去り、一般の人々と同じように生活するようになっていきます。見た目は同じようにみえますが、その内面では大きな変容が起こっているということです。

頭痛と不眠症に関して

クンダリニー覚醒に伴う頭痛への対処

クンダリニー覚醒に伴う「頭痛」に関しては、少し細かく触れられています。

クンダリニー覚醒に伴ってひどい頭痛を経験する人もいますが、頭痛は全ての人に起こるわけではなく、結婚して性生活をしている人には起こらず、性交渉を全く行っていない人には起こりやすい、というように説明されています。

There is also another explanation about headaches. One-tenth of the brain is active and nine-tenths are not. In some cases, when the silent areas of the brain begin to wake up, the first symptom is headache.

頭痛の原理として、脳の中の通常使われていない90%の部分が使われ始めることによって、起こることがあると説明されています。

人々はこれを、「働きすぎによる頭痛」と勘違いすることもあります。あるいは女性が妊娠して出産するときにも、脳の通常使われていない部分が使われているので、頭痛が起こることがあり、しかもそれはスピリチュアル的な覚醒につながる可能性もあるといいます。このあたりを考えると、マタニティヨガというのは実はとても重要な機会になる可能性があると考えられます。

こういった原因で起こる頭痛に対しては、食生活や生活習慣を変えることによって軽減することができ、頭痛薬などの使用は避けるべきであると指示されています。

クンダリニー覚醒に伴う不眠症への対処

「不眠症」についても少し細かく触れられています。

It is also likely that an aspirant will experience insomnia. However, yogis don’t call it insomnia. They say, ‘Why should I sleep?’

しかしヨーガ実践者にとってはそれは「不眠症」ではなく、「眠る必要がないから眠らない」ということです。

そのような状態になれれば、睡眠に使っていた人生の3分の1の時間を、もっと有効に使えるかもしれません。

So, when kundalini awakens in a yogi and consciousness is constant and consistent, and there is no waking, sleeping and dreaming, they are very happy about it.

そのとき、通常の人にとっては「起きている・寝ている・夢をみている」という意識の分断があった人生が、より一貫した意識をもって過ごすことができるようになります。

眠れない時期が来たとしても、睡眠導入剤や精神安定剤などに頼ることは避けるべきでしょう。

眠れないことをストレスに感じるのではなく受け入れて、ジャパ(マントラを唱える)や瞑想をしたり、心の深いところからスピリチュアル的に湧き上がってくることを実行したり、あるいはただ横になって何かが起こるのを待っているのも良いであろう、と説明されています。

このようにクンダリニー覚醒に伴って「三大欲求」にも次第に心を乱されることがなくなっています。

このあと、クンダリニー覚醒によって起こる超常的な感覚の意味についての説明が進みます。

次記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【24】第1章 12節-2:様々な超常的経験の意味を見極める

前記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【22】第1章 11節:下降するクンダリニー

参考文献

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「密教ヨーガ―タントラヨーガの本質と秘法」本山 博 (著)

「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)

「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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