「クンダリニー・タントラ/スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガ(クンダリニーヨーガ)の概要を紹介していく連載記事です。
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今回は、第2章の2節、チャクラの覚醒を通じて人間がどう進化するか、という部分です。
クンダリーニヨガの研究については、以下のページにまとめてあります。
チャクラの覚醒を通じた生物の進化
人間は進化のゴールではない
Human evolution, the evolution which we are undergoing relentlessly, both as individuals and as a race, is a journey through the different chakras.
全ての生命は進化していて、人間も例外ではなく、さらに進化していくことができます。
進化とは何なのか、というのも議論する余地のあることですが、ここではチャクラの覚醒を通じて進化が起こるというように説明されています。
ムーラーダーラは動物にとって進化のゴールであり、人間にとってはスタートである
Mooladhara is the first center in human incarnation, but it is the highest chakra that animals have the capacity to awaken. It is their sahasrara.
人間にとっては最も基底にあるチャクラであるムーラーダーラは、動物にとっては進化のゴールであり、人間はそこから上昇していって、最終的に至るサハスラーラが人間の進化のゴールであるとしています。
They are only related to sense consciousness and not to mental awareness. When your consciousness was evolving through these chakras your mind was only associated with sense consciousness.
ここで、動物のチャクラやナディがどのようになっているか、それは人間と動物の意識の違いにどのように関係しているかということが説明されています。
動物にとってムーラーダーラは最上位にあり、それより高次のチャクラは存在せず、それらが司る神経システムも欠如しているといいます。
人間の個別意識(エゴ)とチャクラ
There was no individual awareness, no ego; it began from mooladhara. These lower centers are no longer functioning in us because we have transcended them.
ムーラーダーラよりも低いチャクラは、動物の進化を司っており人間はすでに越えてきたものなので機能しておらず、それらは感覚のみの意識に関係していて、精神的な気づきなどには関係しないといいます。そこには「個別意識」「エゴ」が存在せず、それらはムーラーダーラから始まるものであると述べられています。
動物と人間の意識の違いとしてひとつ重要なことがここで出てきましたが、動物は基本的に「群れ」や「種」の意識のみで活動しており、エゴが存在するのは人間だけであるという考え方は、哲学などでもよく出てくるものです。
骨盤底より下にある、動物的なチャクラ
In the animal body, these inferior chakras are situated in the legs, and so are the nadis.
動物の身体においてチャクラやナディは脚に存在しており、人間が骨盤底のムーラーダーラから頭のアージュニャーへ向かってイダー・ピンガラーのナディが流れているのと同様に、動物は足から骨盤底へ向かって脚にナディが流れているようです。低位のチャクラは、アタラ、ヴィタラ、スタラ、タラタラ、ラサタラ、マハタラ、パタラという名前であるといいます。パタラが動物にとっての最も低いチャクラであり、これは完全な闇を表し、そこでは自然が機能せず全ての物質は休眠状態で静止しているといいます。
ここでは低位の各チャクラの詳しい説明はされていませんが、進化の過程を表すのだとしたら、低位のチャクラから少しずつ進化していくことで動物は動くようになり、活動するようになっていったということでしょう。
サハスラーラより上のチャクラ
Above sahasrara there are also other chakras which represent the higher divine consciousness. So mooladhara chakra is the highest in animal evolution and the first in human evolution. Sahasrara is the highest in human evolution and the first step in the highest divine evolution.
人間の進化のゴールがサハスラーラであるということですが、サハスラーラよりも高位にもチャクラは存在し、それは神聖な意識を表しているといいます。つまりサハスラーラは人間にとってゴールではありますが、より高次の神聖な領域における進化の最初のステップでもあると説明されています。
チャクラについて読み進めるにつれて、クンダリニーは、人生におけるすべてをコントロールするものであることに気づくであろう、といわれています。クンダリニー・シャクティは進化に影響を与え、動物たちが動いたり食べたり寝たり恐怖したり群れをつくったりすることを導いているといいます。
動物と人間の進化の違い
自然に進む進化と、意志で進める進化
However, once kundaiini reaches mooladhara chakra, evolution is no longer spontaneous, because a human being is not completely subjected to the laws of nature.
動物の進化は自然の流れの中で行われますが、人間の進化は自分の意志で進めなければならない、ということが説明されています。
For example, animals only mate in particular seasons. At other times, even if they live together they will not mate. But, because man is free from the laws of nature, he can mate whenever he wants.
その理由として、人間はエゴと自由意志を持っており、自然の法則から解放されているからであるといいます。たとえば動物は決まった時期にしか性交をしませんが、人間は自由な時期に行うことができます。
人間は動物に比べて高次な意識を持っているため、クンダリニーはムーラーダーラで眠った状態にあり、意識的にプッシュしなければ通常目覚めることはないといいます。
進化するかしないかも含めて、人間は自由意志で選択できるようになっている、ということなのでしょう。
自分の進化の段階を表すチャクラを探す
クンダリニーの上昇と進化
Of course, when the shakti awakens suddenly in mooladhara, it cannot rise immediately. It may wake up and sleep again many times. … Sometimes it even ascends to swadhisthana or manipura only to return to mooladhara again to sleep. However, once the shakti goes beyond manipura chakra there is no going back.
クンダリニーは、寝起きの子供のように再び二度寝してしまうことも多く、覚醒してマニプーラへ至ってもまたムーラーダーラへ戻ってしまうことが多いですが、マニプーラを越えて上昇していけば、再び下へ戻って眠ることはないといいます。
マニプーラを越えて上がっていく場合、どこかのチャクラで上昇がストップすることもあるといいます。時にはそこで長年ストップしたり、一生留まっていることもあるようです。
クンダリニーが留まった場合に現れる超能力
Sometimes, when kundalini gets blocked in a chakra during transit, you begin to exhibit some of the siddhis or psychic powers associated with that chakra.
クンダリニーが特定のチャクラで留まった場合、シッディ(超能力)が目覚めることがあるといいます。これによって傲慢になってしまう人も多いですが、実際は進化が止まっていることを意味するため、結局のところ無知・エゴの雲の中に囚われてしまい、進化からはさらに遠ざかってしまうことになります。
クンダリニーがスムーズに上昇していけば、シッディは現れることはないか、現れたとしても数日の内に消えるようです。
前世までの経験と、進化の段階
Of course, some of our lower chakras may already be functioning without our knowledge. We are all at different levels on the scale of evolution, and therefore it may not be necessary to start the process of awakening from mooladhara.
人それぞれ、生まれながらに進化の段階は異なり、必ずしもムーラーダーラの覚醒から始める必要はないと説明されています。
前世までの経験、両親の行いなどに応じて、マニプーラまでのチャクラがすでに目覚めた状態で生まれることもあるといいます。しかし前世までの経験は忘れていることが多いように、クンダリニーの状態も忘れていることが多いようです。
高位のチャクラまで目覚めている人は、低位のチャクラに関する行法を行っても大きな変化は起こらないようですが、目覚めているチャクラのところまでたどり着くと、途端に何かが起こり始めるといいます。
どのチャクラから、クンダリニーヨーガをスタートするか
So, before you commence the practices of kundalini yoga, you should try to find out at which point your ascension will actually start. In order to do this, the best method is to concentrate on mooladhara daily for 15 to 30 minutes. Then swadhisthana for 15 days, manipura for 15 days and so on up to sahasrara. You will soon discover your point of evolution.
クンダリニーヨーガを開始する前に、どのチャクラまでが覚醒していて、どこからスタートするべきなのかを確認するようにという指示があります。
その確認のやり方として、まず最初にムーラーダーラへの集中を15〜30分毎日行い、それが終わったら、15日間はスワディシュターナへの集中を行い、その後マニプーラへの集中を15日間、というように上のチャクラへ上がって行くようにしいきながら、自分の進化の段階を確認するようにと説明されています。
Even if a higher chakra such as anahata has awakened at random, you must try to awaken the lower chakras also.
もしすでにアナーハタのような高位のチャクラが目覚めていたとしても、それに気づいていないことも多いため、クンダリニーを覚醒させて上昇させていくためには、やはりまずはムーラーダーラから順番に行法を行っていき、自分の進化の段階を確認し、全てのチャクラを覚醒させて全ての脳の部分を目覚めさせておくべきである、とまとめられています。
チャクラの覚醒による心の変化
チャクラの覚醒は、人間の進化に大きく関わっています。具体的にチャクラの覚醒によって、特に心や意識にどのような変化が起こるのか、ということがここで説明されています。
… the purpose of awakening the chakras, sushumna and kundalini should be related to our day to day life.
我々の通常の心の状態では、人生で起こる全てのことに対応することができません。そのため、心の変容に関わるチャクラ・スシュムナー・クンダリニーの覚醒は、超常的な話だけではなく日常生活にも大きく関わっています。
心の周波数が変化し、気づきが高まる
One’s consciousness becomes very receptive because the frequencies of the mind change.
チャクラが覚醒すると、「心の周波数」が変化して感受性がとても高まり、通常は気づかないような小さなことに気づいたり、周囲の世界への感覚が磨かれるといいます。
慈悲や愛といった、高い周波数の思考が芽生える
Every form, every sound and every color has a certain frequency. All sounds, colors and forms do not have the same frequency. In the same way, every thought has a frequency, some are of a low frequency and some are of a high frequency. I’ll give you an example of a high frequency idea.
全ての音や色にも周波数があるように、思考にもまた周波数があり、高い周波数の思考もあれば低い周波数の思考もあります。
チャクラの覚醒によって、たとえば慈悲や愛といった高い周波数の思考が芽生えてくるということが説明されています。
感受性が変化することによって、同じ現象をみたときにも他人とは異なる感情が起こることがあります。りんごが木から落ちるのを見て、多くの人は何も思わないかもしれませんが、ニュートンは物理学の法則を思いつき、動物が矢で射られるのをみてブッダは慈悲の心が起こったけれど弟子は何も思わなかった、といった例が示されています。
そのように多くの人が気づかない発見や、多くの人には芽生えない高次元の思考などが、チャクラの覚醒によって起こるようになっていくといいます。
チャクラの覚醒によって、心は自然に変化していく
When the chakras are awakened the mind automatically changes. Your values in life also change and the quality of your love and relationships improve immensely, enabling you to balance out the disappointments and frustrations in life. Therefore you are able to live a little higher than you do now, and your attitude towards yourself and towards this life is much better.
チャクラの覚醒によって心は「自動的に」変化していくといいます。
それによって、より高次元な生き方ができるようになったり、この人生における自分自身に対する観方も、より良いものに変わっていくと説明されています。
特にスピリチュアルの教えにおいてはアナーハタ(心臓)、アージュニャー(眉間)、ムーラーダーラ(骨盤底)の覚醒に重点を置くことが多く、ヨーガ実践者に対してはアージュニャーとムーラーダーラ、そして全ての人に対してアナーハタの重要性が主張されています。アナーハタの覚醒によって、慈悲や愛といった高次元の心が現れるようになり、神や自分の家族や全てのものに対して素晴らしい関係性が持たれるようになるといいます。
人にとって必要なものは、簡単に言えば、幸せな心と幸せな家族を持つことであり、幸福と内面的な満足が全てであり、真にそれを得られるのは、体系立てられたチャクラ覚醒の実践によってのみである、と説明されています。
この節では様々なチャクラの名前がでてきましたが、ここから各チャクラについてより詳しく語られていきます。まずは眉間のアージュニャーチャクラからです。
次記事:「クンダリニー・タントラ」を読む【30】第2章 3節:アージュニャーチャクラ
前記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【28】第2章 1節:チャクラ入門
参考文献
「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)
「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)
「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)
「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)


