「クンダリニー・タントラ/スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガ(クンダリニーヨーガ)の概要を紹介していく連載記事です。
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今回は、第2章の1節、チャクラとは何か、チャクラはどのように知覚されるのか、また覚醒を妨げているグランティとは何か、といった部分です。
クンダリーニヨガの研究については、以下のページにまとめてあります。
この記事の目次
チャクラとは
科学や哲学で理解するのは難しい、微細なもの
Many scientists and philosophers are confronted with a great difficulty when it comes to accepting and explaining the existence of the chakras. They do not know whether the chakras are to be found in the physical body or in the subtle body.
チャクラのことを知ろうとしても、なかなか一筋縄ではいきません。(一筋縄ではいかない、ということがこの最初の項で語られています。チャクラとは?ということに関しては次項以降で説明されていきます。)
多くの科学者や哲学者たちが、チャクラの存在を理解し説明しようと試みてきました。
チャクラとは、肉体の中にあるのか、それとも微細な体の中にあるのか?
肉体の中にあるとしたら、どこにあるのか?
もちろん、微細な体についてはまだ現代の解剖学で解明できるものではありません。
チャクラやナディを科学的に測定する試み
An eminent Japanese scientist, Dr. Hiroshi Motoyama, has invented sensitive machines for measuring the vital energy of the body.
ここで、本山博氏の実験のことが少し語られています。
彼は独自の測定機器を開発し、ナディがどの臓器と関係しているかを測定したり、病気が現れる前のナディの状態を測定したりする実験が日本の病院で行われてきたと説明されています。
Another invention is ‘the chakra machine‘, which records the impulses that emanate from the psychic centers in the spinal cord. On this machine it is possible to register definite impulses from these areas in individuals who have been practising yoga for many years, and who have awakened their psychic faculties.
また、彼の開発した「チャクラマシーン」による測定によれば、ヨーガを長年実践した人や、超常的な能力が目覚めた人の脊椎において、チャクラから生じると思われるインパルスを記録できたといいます(「目覚めた人」の前提条件は何なのか?など、彼らの科学的根拠については注意深く読み解く必要がありますが)。
病気とナディ・チャクラの関係性は、東洋医学の経絡・経穴と鍼灸治療などにも関連していて、機器と実験の話も含めて本山博氏の本にも詳しく書かれています。
This research shows that energy is definitely activated by the yoga practices. However, we still have a lot of research to do in order to provide more scientific explanations.
これらの実験によれば、ヨーガの実践によって特定のエネルギーが起こることは明らかであるが、より科学的な説明をするためには、さらなる実験が必要であろう、と述べられています。
宗派や流派によって異なる、様々な解釈
The thinkers of theosophical movements and their predecessors have their own interpretations of the chakras, their location points, colors, etc.
神智学運動の思想家やその先駆者たちも、チャクラに関しては独自の解釈を持ち、薔薇十字団や他の組織、タントラの教典も、明らかに違った解釈をしているといいます。
チャクラに関しては、位置や色などに関して、様々な解釈があります。
私もそのあたりについては過去に研究していて、以下のページにまとめています。
参考:チャクラに関する研究まとめ2 〜チャクラの構造と位置〜

チャクラはどのように知覚されるか
人それぞれ異なる、チャクラの感じ方
The chakras, kundalini and the mind have subtle aspects on all levels of vibration. This is extremely complicated and most of the realization of these levels must be very personal.
チャクラやクンダリニーなどに関しては様々な解釈があり、どのように知覚するかは人それぞれ異なるようです。
For instance, if they have realizations about the chakras, these will be colored by their own personal tendencies.
それは人それぞれの性向によって色付けされて、様々な視え方で視覚化されるといいます。
自ら経験せよ
However, rather than trying to understand the chakras through the written or verbal descriptions of others, you must experience them for yourself and gain your own personal knowledge.
様々な視え方の情報が混在する中、密教的なことを学ぶ上で重要なのは、やはり「実践」を通じて自ら経験せよということでしょう。
クンダリニーやチャクラといった微細なものに関する智は、本を読んだり他人の言葉の説明によって学んだりするのではなく、自分自身で経験することによって学ぶべきであると、ここでも念押しされています。
蓮華のシンボル、各チャクラの花弁の数
各チャクラによって異なる性質
Each chakra has a particular color, mantra, situation and range of experiences associated with it.
クンダリニーヨーガやクリヤーヨーガを実践するならば、チャクラに関する様々な色やシンボルについて知っておくべきであるとサティヤナンダ氏は述べています。
それぞれのチャクラは、固有の色・マントラ・状態・関連する経験の次元などを持っているといいます。
チャクラは蓮華に喩えられる
Whereas the various esoteric cults and spiritual systems use different symbols to represent the chakras, in tantra and yoga the chakras are symbolized by lotus flowers. As a symbol, the lotus is very significant.
秘教的な教えの中では、流派によって様々なシンボルが用いられていますが、タントラにおけるチャクラのシンボルには「蓮華」が用いられます。
The lotus also exists on three different levels – mud, water and air.
蓮は、池の泥の中で芽を出し、水中を通って成長し、水面にたどり着き空気と太陽の光を得る、という3つの段階を経て花を咲かせる植物です。
人間も、1)無知、2)努力と熱望、3)悟り、という3つの段階を通って悟りに至るといい、蓮華は悟りのシンボルとしても用いられます。
チャクラの花弁の数
So each of the principal chakras can be visualized as a lotus flower with a specific color and number of petals as follows:
Mooladhara Swadhisthana Manipura Anahata Vishuddhi Ajna Sahasrara
– 4 petalled deep red lotus
– 6 petalled vermilion lotus
– 10 petalled bright yellow lotus
– 12 petalled blue lotus
– 16 petalled violet lotus
– 2 petalled silver-grey lotus
– 1000 petalled multicolored or red lotus.
ここで、各チャクラの蓮華の花弁の数と色が説明されています。
- ムーラーダーラ:4枚・深い赤色
- スワディシュターナ:6枚・朱色
- マニプーラ:10枚・明るい黄色
- アナーハタ:12枚・青
- ヴィシュッディ:16枚・紫
- アージュニャー:2枚・シルバーグレー
- サハスラーラ:1000枚・多色または赤
また、各チャクラには、1)色、2)花弁の活、3)ヤントラや幾何学模様、4)ビージャマントラ、5)動物的シンボル、6)神聖なシンボル、の6つが関連付けられているといいます。
チャクラの覚醒に際しては、いままで進化の過程で得てきた動物的な本能が現れる場合もあれば、高次元の意識が現れる場合もあり、湧き上がるエネルギーの扱いには特に気をつけるべきである、という話は第1章に出てきました。
参考:クンダリニー・タントラ 第1章 10節:覚醒の4ステップ
チャクラの色と周波数
Your experiences are just as valid as mine, but one thing is definite, as you move up through the chakras, the frequencies of the colors become more subtle and more powerful.
色に関しては、サティヤナンダ氏が述べたものではないものが視える可能性もあり、それがその人にとっての真実であるといいます。
見え方は人それぞれ異なるけれども、確実に言えることは、チャクラを上昇していくにつれてその振動は微細で強力なものになっていく、と説明されています。
振動というのは、光の周波数や振幅を表しているのでしょう。一般的な虹の7色の場合、赤から紫へ向かって周波数は上がっていくため、チャクラの色もその7色で説明されることも多いですが、その解釈も様々であり、人によって見え方は異なるということになると思われます。
チャクラのクシェートラム(体表における場所)
体内に集中するのが難しい場合、体表の点に集中する
In many of the practices of kundalini yoga we have to concentrate or focus our awareness on the chakra trigger points in the spinal cord. However, many people find it easier to concentrate on the chakra kshetram located on the front surface of the body. In kriya yoga particularly, the chakra kshetram are utilized in many of the practices.
チャクラの覚醒のために、脊椎の中の各所にあるトリガーとなるポイントに意識を集中する必要がありますが、体の中にある点に集中するよりも、体の前面にある点(クシェートラム)に集中するほうが多くの人にとって容易であり、クリヤーヨーガの多くの実践においては、脊椎内の点の代わりにこのクシェートラムが活用されます。
ムーラーダーラは対応するクシェートラムを持ちませんが、スワディシュターナからアージュニャーまでのチャクラは、それぞれのチャクラから正面へ水平に引いた線上の体表にクシェートラムがあるといいます。
各チャクラのクシェートラムの位置は、以下の通りです。
各チャクラに対応するクシェートラム(体表にある点)
- ムーラーダーラ:(無し)
- スワディシュターナ:性器の真上
- マニプーラ:へそ
- アナーハタ:心臓
- ヴィシュッディ:甲状腺付近の喉のくぼみ
- アージュニャー:ブルーマディヤ(眉間)
グランティ(節・結び目)とは
覚醒を妨げる、微細な節
There are three granthis (psychic knots) in the physical body which are obstacles on the path of the awakened kundalini.
微細な体の中には、クンダリニーの覚醒を妨げる、以下の3つのグランティ(節・結び目)があるといいます。
- ブラフマー・グランティ:ムーラーダーラチャクラの領域に作用する
- ヴィシュヌ・グランティ:アナーハタチャクラの領域に作用する
- ルドラ・グランティ:アージュニャーチャクラの領域に作用する
ブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァは、ヒンドゥー教で宇宙の創造・維持・破壊/再生を担う三神の名前で、ルドラはシヴァの前身あるいはシヴァと同一とされます。
これらのグランティは、マーヤー(幻・物質世界)、無知、物質への執着の特に強い意識レベルを表しているものであるといいます。クンダリニーが上昇する道を開くために、3つのグランティという障害を超越していく必要があります。
各グランティの作用
Brahma granthi functions in the region of mooladhara chakra. It implies attachment to physical pleasures, material objects and excessive selfishness. It also implies the ensnaring power of tamas – negativity, lethargy and ignorance.
ブラフマー・グランティはムーラーダーラチャクラの領域に作用し、身体的幸福、物質、過度な自己中心性への執着を表し、また消極性・無気力・無知などのタマス的な性質を表しているといいます。
Vishnu granthi operates in the region of anahata chakra. It is associated with the bondage of emotional attachment and attachment to people and inner psychic visions. It is connected with rajas – the tendency towards passion, ambition and assertiveness.
ヴィシュヌ・グランティはアナーハタチャクラの領域に作用し、感情的執着や人々への執着の束縛を表し、内的ビジョンにも関係しているといわれます。また、感情的傾向、熱望、自己主張などのラジャス的性質を表しているといいます。
Rudra granthi functions in the region of ajna chakra. It is associated with attachment to siddhis, psychic phenomena and the concept of ourselves as individuals. One must surrender the sense of individual ego and transcend duality to make further spiritual progress.
ルドラ・グランティは、アージュニャーチャクラの領域に作用し、シッディ(超能力)や超常的現象、そして我々の本性に関係しているといわれます。スピリチュアル的に大きく成長するためには、真の自己の意識に委ね、二元性を超越する必要があると述べられています。
心や意識に関連する特徴を持つグランティですが、先に述べられたように、この本の中で行われる行法においては心に直接アプローチするのではなく、身体的にグランティのある箇所へアプローチする方法が中心となり、そのために様々なムドラー・バンダなどが用いられます。
「変換のセンター」としての、チャクラの役割
別次元とエネルギーをやり取りする
Besides functioning as control centers, the chakras work as centers of interchange between the physical, astral and causal dimensions.
チャクラはコントロールセンターとしての役割をするだけでなく、物質的次元とアストラル次元・コーザル次元をつなぐ役割も果たすといわれます。
これは、アストラル次元やコーザル次元の微細なエネルギーを、チャクラを通して物質次元へ変換して運んでくることができるということで、長期間地中に埋められて生き延びられるのか?という実験をしたヨーギはこの原理を利用し、ヴィシュッディチャクラの活性化によって飢えや乾きをコントロールし、アムリタ(ネクター)の形で微細なエネルギーを得て生き長らえることができたと説明されています。
ドラえもんの四次元ポケットのような感じで、三次元の空間上では小さな「点」だったとしても、別次元からのエネルギーや物質はその「点」から無限に湧き出てくる可能性はあります。そのように別次元とのトンネル的な役割も、チャクラは担っているということです。
物質世界と微細な世界をつなぐ
Thus the chakras are seen to be intermediaries for energy transfer and conversion between two neighboring dimensions of being as well as facilitating the energy conversion between the body and mind.
チャクラを通して、物質的エネルギーを微細なエネルギーに変換することもでき、また物質次元におけるメンタルエネルギーに変換することも可能であるといわれます。
このようにチャクラは、隣接する次元間をつなぐエネルギーの転換・伝達のための機能を果たすものであると説明されています。
チャクラが覚醒すると心が元気になったりするのは、そういう原理が働いてエネルギーが湧き出ていると言うこともできるでしょう。チャクラが覚醒するとひらめきや気づきがあったりするのは、別次元から「情報」というエネルギーが湧き出てくるという原理と思われます。
こういったチャクラの機能を活用することで、人間はさらに進化していくことになります。
次記事:「クンダリニー・タントラ」を読む【29】第2章 2節:チャクラを通じた進化
前記事:「クンダリニー・タントラ」を読む【27】第1章 14節:性とヨーガとタントラ
参考文献
「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)
「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)
「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)
「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)


