「KUNDALINI TANTRA(クンダリニー・タントラ)/Swami Satyananda Saraswati(スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ)著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガの概要を紹介していきます。
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今回は、第1章の14節、性とタントラ・ヨーガの関係について。性生活をどのようにするべきかといったことと、性に関するヨーガの技法や、タントラにおける性の考え方などに関する部分です。
クンダリーニヨガの研究については、以下のページにまとめてあります。
性とヨーガとタントラの関係
ようやく第1章の最終節に来ましたが、ここで性とヨーガとタントラ(密教)の関係性について語られています。
性のエネルギーは、クンダリニー覚醒において重要な要素となるため、日本人は避けがちな話題ではありますが、しっかり意識しておく必要があるかと思います。
左道と右道、どちらを進むか
The science of tantra has two main branches, which are known as vama marga and dakshina marga. Varna marga is the left path which combines sexual life with yoga practices in order to explode the dormant energy centers. Dakshina marga is the right path of yoga practices without sexual enactment.
密教においては「vama marga 左道」と「dakshina marga 右道」があり、「左道」は男女の性行為を伴う行法で、「右道」は性行為を行わずに進める道ということで区別され、長い歴史の中で激しい議論が行われてきたようです。
チベット密教なども調べてみると、長い歴史の中で僧侶たちの間でも、かなりの熱量で議論されてきた様子が感じ取れます。
なぜ性に関する話が重要なのか
なぜ性に関して議論されるかというと、やはり性のエネルギーが大きな力を持っており、クンダリニー覚醒、そして人間の進化にも関係があるためです。
実際にアーサナ・プラーナーヤーマ・ムドラー・バンダといったハタヨーガの技法は、性的な能力を高める効果もあります。そこで高まった力を、どのように使うかということが重要かと思います。
左道を進むことができる人
様々な立場から議論されていますが、ここでのサティヤナンダ氏の結論としては、この節の末尾で以下のように述べられていますので先に引用しておきます。
Therefore, in my opinion, only those who are adepts in yoga qualify for vama marga. This path is not to be used indiscriminately as a pretext for self-indulgence.
ヨーガに熟達した人(adept アデプト)にのみ「左道」を進む資格がある、と述べられています。そしてその道は、決して自己満足のために進んではならないとしています。
もし性的ヨーガの力を都合よくとらえて、教祖が自己満足のために行法をつくりあげてしまうと、あやしい宗教に近づいていってしまうかもしれません。
成熟した真剣な心を持つ、サマーディを得るために修行を積み重ねた在家の修行者のみが、通ることのできる道であり、そうでないならば堕落の道になってしまうであろうと示しています。
男女の交わりについて
実際のところ、呼吸法やムドラー・バンダなどハタヨーガの技法を通じて、メンタルや生殖器まわりに関わるコントロールが格段に上達するため、性的能力や妊娠・出産などに良い影響を与える効果も十分にあるかと思います。
ヨーガの修行において、「ブラフマチャリヤ(禁欲・梵行)」というものが様々な解釈のもとに議論されていますが、クンダリニーヨーガの修行においては男女の交わりを断つべきなのかどうか、という話についてもここで説明されています。
Therefore, the yogis have tried to give a correct direction to the sexual urge. Yoga does not interfere with sexual life. Normal sexual life is neither spiritual nor aspiritual. But if you practise yoga and master certain techniques, then sexual life becomes spiritual. Of course, if you lead a celibate life, that is spiritual too.
タントラの行法を進めていく上で「男女の交わりを断つ必要があるのか」というよくある問いに対して、サティヤナンダ氏の示しているクンダリニーヨーガの行法は、性生活に干渉するものではない、と説明されています。
さらに、通常の性生活はスピリチュアルとは全く関係のないものですが、ヨーガの技法を正確に習得することで、性生活はスピリチュアルな意味を持つものに変わっていくといいます。
このあたりの意味は、先ほど挙げたようにハタヨーガの技法が骨盤底筋や呼吸の操作などにつながっていて、それが性に関する技術や感覚を磨き、そしてチャクラの覚醒にもつながっていることなどから理解できるかと思います。
クンダリニーヨーガの修行においては、男女の交わりを断つのではなく、それぞれの役割を理解し、快楽目的ではなく真剣に交わることでスピリチュアル的な覚醒へとつながっていくということのようです。
密教における男女のエネルギーに関する考え方
男女の交わりによって、エネルギーが集まる
During sexual interaction, however, they move out of their position of polarity, towards the center. When they come together at the nucleus or central point, an explosion occurs and matter becomes manifest. This is the basic theme of tantric initiation.
なぜ男女の交わりに重大な意味があるのか、ということを、ここではエネルギーの観点から説明しています。
男女は逆の極のエネルギーを持つ存在であり、それらが交わる時、男女はそれまで留まっていた極を離れてエネルギーは中央に集まり、爆発的な力が現れるというように述べられています。
集まったエネルギーを、どのように扱うかが重要
This subject has been thoroughly discussed in all the old scriptures of tantra. Actually, more important than the energy waves that are created during the mutual union, is the process of directing that energy to the higher centers.
男女の交わりは大きな力を生み出すことはよく知られていますし、そのために執着する人々も多いわけですが、そこで生まれたエネルギーを高次のセンター(サハスラーラ)へ導く方法については、ほとんど知られていないことであるといいます。
性のエネルギーは、暴走してしまえば悲劇を生みますが、正しい方向付けをすることによって、快楽を得られるだけでなく、人間の進化にもつながる崇高なエネルギーとなります。
If the conjugal experience, which is generally very transitory, could be extended for a period of time, then the experience of enlightenment would take place.
そういったことを知っておくと、夫婦間の経験も一時的で儚いものではなく、より長い期間続く祝福に満ちた経験になっていくといいます。
こういったところを理解したうえで行法を行っていくと、セックスレスなどの問題の改善にもつながる可能性を感じますね。
仙道の房中術や気功などでも、発生したオーガズムのエネルギーを、背骨を通して頭へ到達させることの重要性がよく言及されています。
ナディを調整しスシュムナーを覚醒させておくことは、性行為をより高次の意義のある行いへと発展させるようです。
エネルギーを濫用せず、正しく用いるべし
The elements that are brought together in this process of union are known as Shiva and Shakti. … Therefore, when the union between man and woman is practised in the correct way, it has a very positive influence on the development of spiritual awareness.
先にも述べられてきたように、クンダリニー覚醒は骨盤底で目覚めた女性神(シャクティ)のクンダリニーが、スシュムナーを通って上昇し、頭頂にいる夫の男性神シヴァと合一するという神話的描写で語られます。
この描写は、性行為のときに発生するエネルギーの扱い方を表しているととらえることもできるようです。エネルギーを濫用せず正しく扱うことによって、スピリチュアル的な覚醒をもたらすといいます。
精力を保持せよ
Actually, the source of bindu is in the higher centers of the brain. But due to the development of emotions and passions, bindu falls down to the lower region where it is transformed into sperm and ova. At the higher level, bindu is a point. At the lower level, it is drop of liquid, which drips from the male and female orgasm.
性に関する男女それぞれに対する注意点がここから説明されていますが、男女ともに、精力を濫用せずしっかり保持しておくようにという指示があります。
これは仙道などでもよく議論されるところですが、射精や性行為の頻度など具体的にどうするべきかについては、諸説分かれるようです。
ここでは、「ビンドゥを保持せよ」という表現が用いられています。
ビンドゥは物質世界を創る素になるようなもので、その源は脳の高次センターにあり、感情の高まりなどによってビンドゥは低次領域へ落ちてきて、精子や卵子へと変わると説明されています。
そしてハタヨーガには、ビンドゥを保持するために役立つ様々な技法があります。
精力を保持するためのハタヨーガの技法
In hatha yoga there are certain practices which must be perfected for this purpose. You should begin with asanas such as paschimottanasana, shalabhasana, vajrasana, supta vajrasana and siddhasana. These are beneficial as they place an automatic contraction on the lower centers.
パスチモッターナーサナ、シャラバーサナ、ヴァジュラーサナ、スプタヴァジュラーサナ、シッダーサナなどのアーサナから始めるべしという指示があります。これらは、低次のセンターの自動的な「収縮」を助けるといいます。
ここで「収縮」という言葉が使われていますが、チャクラの刺激のためにバンダが用いられる際、意識の集中のみで行われる場合と、筋収縮が用いられる場合があります。
ここでは、心のコントロールをせずともアーサナを行うだけで筋収縮が自動的に行われる、というニュアンスが感じられます。
Sirshasana is also important because it ventilates the brain so that all of one’s experiences will be healthy experiences. When these postures have been mastered, shambhavi mudra is perfected in order to hold the concentration steadily at bhrumadhya.
シルシャーサナもまた重要であり、脳を整理して風通しをよくし、全ての経験を健康的なものに変えていくといいます。
これらのアーサナに熟達した後、目を上へ向けて眉間を凝視するシャンバヴィームドラを行い、アジュニャーチャクラの覚醒につながるブルーマディヤ(眉間)への集中を練習するべしというように説明されています。
このあたりの詳細なやり方は、第3章で説明されます。
男性のための重要な行法
射精を避け、精力を保持する
According to tantra, ejaculation should not take place. One should learn how to stop it. For this purpose, the male partner should perfect the practices of vajroli mudra as well as moola bandha and uddiyana bandha. When these three kriyas are perfected, one is able to stop ejaculation completely at any point of the experience.
ビンドゥを保持するという目的から、射精は避けるべきであると示されています。ここは仙道や気功などでも本当に諸説分かれるところです。「接して漏らさず」といった言葉も昔から言われていますね。
参考:現代仙道百科―心身改革の秘法体系/小野田大蔵(著)|書籍紹介
射精は完全に避けるべきなのか、減らすべきなのか、逆に推奨されるべきなのか、いろいろな意見があります。密教行者たちの間でも激しく議論されてきたことなのでしょう。
in spiritual life, bindu must be preserved at all costs.
サティヤナンダ氏は、スピリチュアルな目的のためには、できるだけビンドゥを保持せよという見解のようです。
射精を止めるためのハタヨーガの技法
ハタヨーガの数々のバンダやムドラーは、射精を止める練習のためにも役立ちます。
Then vajroli mudra has to be practised together with moola bandha and uddiyana bandha in kumbhaka. Practice of kumbhaka is necessary while the ejaculation is being held. Retention of the breath and the bindu go hand in hand. Loss of kumbhaka is loss of bindu, and loss of bindu is loss of kumbhaka.
性器を引き込み下腹部に力を入れて泌尿器全体を収縮させるヴァジローリームドラーは、その中心的な男性向けの行法として後に紹介されています。またムーラバンダ、ウディヤナバンダも重要であり、とくにクンバカ(止息)は射精を止めるために必須であるといいます。
このあたりは無理に行うと別の症状をもたらす危険があるともいわれているので、慎重に行う必要のある部分です。
女性のための重要な行法
オーガズムを高め、長くする
女性が性のエネルギーを高め、長時間維持するために、重要な行法として膀胱括約筋を収縮させるサハジョーリームドラーが挙げられています。これは男性におけるヴァジローリームドラーに対応しています。
また、とくに女性に対しては、オーガズムを高めて維持するための解説が詳しくされています。これらの情報は、性生活の改善などにも非常に役に立つことになるかもしれません。
子宮頸口にある第1チャクラで、オーガズム(覚醒)が起こる
In the female body, the point of concentration is at mooladhara chakra, which is situated at the cervix, just behind the opening of the uterus. This is the point where space and time unite and explode in the form of an experience. That experience is known as orgasm in ordinary language, but in the language of tantra it is called an awakening.
まず集中するべきポイントであるムーラーダーラチャクラは、女性の場合は子宮頸口にあるといいます。
ムーラーダーラチャクラのある子宮頸口では、一般的には「オーガズム」が起こり、タントラではそれを「覚醒」と呼ぶ、と説明されています。クンダリニー覚醒はオーガズムのエネルギーである、という説明は、この本の他の部分でもよく出てきます。
しかし先程述べられたように、通常のオーガズムはすぐにおさまってしまいますが、その感覚・覚醒した状態を長く保持するために、ハタヨーガの技法が用いられます。
オーガズムを高め、長くする技法
In order to maintain the continuity of that experience, it is necessary for a buildup of energy to take place at that particular bindu or point. Usually this does not happen, because the explosion of energy dissipates throughout the body through the sexual medium. In order to avoid this, the woman must be able to hold her mind in absolute concentration on that particular point. For this, the practice is known as sahajoli.
オーガズムで生まれたエネルギーは、本来は後頭部にあるビンドゥ・ヴィサルガへ上昇させることができれば理想的なのですが、それは最初のうちは難しく、エネルギーは散っていってしまいます。
それを避けるために、まずはサハジョーリームドラーを実践し、特定の場所にエネルギーを集中できるようにせよといいます。
Actually, sahajoli is concentration on the bindu, but this is very difficult. Therefore, the practice of sahajoli, which is the contraction of the vaginal as well as the uterine muscles, should be practised over a long period of time.
サハジョーリームドラーは、本来は後頭部の上部にあるビンドゥ・ヴィサルガへの集中を行うものですが、そのための練習としてまずは膣と膀胱括約筋(小便を途中で止めるための筋肉)を意識的に収縮することを繰り返します。
これは「ケーゲル体操」として妊婦さん向けなどにも、骨盤底筋のコントロールの練習法として用いられているようです。
(ただ、フレアプラスにマタニティヨガをしに来られた方に聞いてみても、教わったことはないという人が多いようです。残念ながらあまり普及はしていないのかもしれません。)
子供のころから、インナーマッスルを使う練習しておくと良い
If girls are taught uddiyana bandha at an early age, they will perfect sahajoli quite naturally with time. Uddiyana bandha is always practised with external retention. It is important to be able to perform this in any position.
女性は子供のころからウディヤナバンダを練習しておくと、サハジョーリーは自然にできるようになるといいます。
ウディヤナバンダは、息を吐ききった後、お腹全体を凹ませてキープする行法です。
また、どんな姿勢をとっていても、これができるようになっておくと良いと説明されています。性行為は坐っている姿勢で行われるわけではないので、どんな状態でもバンダを行えるようにしておくと良いでしょう。
主なバンダは3つあり、喉を収縮するジャーランダラバンダと、骨盤底を収縮するムーラバンダがありますが、ウディヤナバンダを練習することでその他2つのバンダも自然に起こるようになるといいます。
参考:「バンダ」とは〜プルプルしないでヨガポーズをキープ・呼吸法でエネルギーの流れを制御〜
チャクラの覚醒には、「意識の集中」または「筋肉の収縮」を行う
Years of this practice will create a keen sense of concentration on the correct point in the body. This concentration is more mental in nature, but at the same time, since it is not possible to do it mentally, one has to start from some physical point. If a woman is able to concentrate and maintain the continuity of the experience, she can awaken her energy to a high level.
チャクラの覚醒などにおいて、特定の場所に意識の集中をすることが必要になってきますが、最初のうちは難しいため、まずは肉体の特定の筋肉を収縮することで練習していくのが良いであろう、と示されています。
意識のコントロールよりも簡単かもしれないとはいえ、骨盤底筋のコントロールは、なかなか難しいと感じる人も多いかと思います。しかしそれを練習することは、性生活においても、日常生活やスポーツなどにおいても、様々なメリットがあります。
高度なオーガズムに至る
According to tantra, there are two different areas of orgasm. One is in the nervous zone, which is the common experience for most women, and the other is in mooladhara chakra. When sahajoli is practised during maithuna (the act of sexual union), mooladhara chakra wakes up and the spiritual or tantric orgasm takes place.
タントラでは、オーガズムが起こる場所は2つあると定義しており、ひとつは神経の領域であり一般的な女性に起こるもので、もうひとつはムーラーダーラチャクラであるといいます。ムーラーダーラチャクラの肉体上の位置は、子宮頸口にあります。
マイトゥナ(性的結合)の際に、サハジョーリームドラー(小便を止める筋肉を収縮させる)を行うことで、ムーラーダーラチャクラの覚醒につながると説明されています。
maithuna マイトゥナというサンスクリットの語がこの節ではよく使われていますが、単に性行為という意味だけでなく、union(結合)という意味合いの強い言葉のようです。
マイトゥナについては後でまた説明されますが、見た目は同じようにみえても、意識の状態などは全く異なるものであるといいます。
高度なオーガズムを持続させる技法
When the female yogi is able to practise sahajoli for say 5 to 15 minutes, she can retain the tantric orgasm for the same period of time. By retaining this experience, the flow of energy is reversed. Circulation of blood and sympathetic/parasympathetic forces move upward.
サハジョーリームドラーを5〜15分でも続けて行えるのであれば、それと同じ時間だけオーガズムは持続するといいます。一般的なオーガズムのイメージよりもかなり長い時間で感じられることになります。
そのタントラ的なオーガズムが持続することで、エネルギーの流れは逆転し、血流や自律神経の力は上昇する方向へ向かっていくといいます。
At this point, she transcends normal consciousness and sees the light. That is how she enters the deep state of dhyana. Unless the woman is able to practise sahajoli, she will not be able to retain the impulses necessary for the tantric orgasm, and consequently she will have the nervous orgasm, which is short-lived and followed by dissatisfaction and exhaustion. This is often the cause of a woman’s hysteria and depression.
そのとき意識は、先に述べられたような超越的な状態になり、深い瞑想を行っているときの状態に入り、光が視えたりするようです。
サハジョーリームドラーを行わない場合、神経的な通常のオーガズムしか起こらず、それは短い時間で収束し、不満足感や疲れなどが残るだけであるといいます。
多くの女性がヒステリックになったり抑うつ的になるのは、このあたりに原因があると説明されています。
このあたりは、現代社会における課題にもつながる、重要なヒントを含んでいるように思えます。
So, sahajoli is an extremely important practice for women. In uddiyana, nauli, naukasana, vajrasana and siddha yoni asana, sahajoli comes naturally.
以上のようにサハジョーリーはとても重要な行法であり、ウディヤナ、ナウリ、ナウカーサナ、ヴァジュラーサナ、シッダヨーニアーサナなどを実践していくと、自然にできるようなると示されています。
タントラにおける男女の役割
歴史の中で変化していく男女の関係
現代社会でも、男女の社会的関係性は、文化圏それぞれにおいて異なっています。
性に関することはもちろん男女で異なっており、性との関わりが大きいハタヨーガ・クンダリニーヨーガにおいては、男女で行法が異なる部分もあるでしょう。
ここでは、歴史上のタントラにおける男女の役割の違いや関係性について説明されています。
創世記の男女の関係
Just as in the scheme of creation, Shakti is the creator and Shiva the witness of the whole game, in tantra the woman has the status of guru and the man of disciple. The tantric tradition is actually passed on from the woman to the man. In the tantric practice, it is the woman who initiates.
創世紀において、シャクティが創造者であり、シヴァは全ての目撃者であったといいます。タントラにおいては、女性が師匠で男性が弟子であり、タントラの伝統は女性から男性へ伝えられ、男性の霊的参入を認めるイニシエーションを女性が行っていたといわれます。
高度な性行為における、男女の立場
It is only by her power that the act of maithuna takes place. All preliminaries are done by her. She puts the mark on the man’s forehead and tells him where to meditate. In ordinary interaction, the man takes the aggressive role and the woman participates. But in tantra, they switch roles.
マイトゥナを行う際は、女性の力をもって始められ、全ての準備は女性によって行われると説明されています。
現代社会では一般的に、男性がリードする場面が多いですが、タントラにおいては逆で、女性が主導権を持って進められるといいます。
In tantra it is said that Shiva is incapable without Shakti. Shakti is the priestess. Therefore, when vama marga is practised, the man must have an absolutely tantric attitude towards the woman. He cannot behave with her as men generally do with other women. Ordinarily, when a man looks at a woman he becomes passionate, but during maithuna he should not. He should see her as the divine mother, Devi, and approach her with an attitude of devotion and surrender, not with lust.
シヴァはシャクティなしではなにもできず、シャクティは聖職者のように扱われます。
そのため左道タントラを行う際は、男性は女性に対して、一般的な男性が女性に対して欲情を抱くように接してはならず、聖母や女神のように、敬意と献身をもって接する必要があると説明されています。
たしかにクンダリニーヨーガの流れとしては、女性的なエネルギーであるクンダリニーが動き出さなければ何も始まりませんので、女性が主導権を持っているというのも理解できます。
What we are discussing here is not patriarchal society versus matriarchal society, but tantra, particularly left hand tantra.
男性優位社会とか女性優位社会とかいうことを議論しているわけではなく、左道タントラではそのようになっている、ということです。
快楽主義とは全く異なる、タントラの道
高度な性行為「マイトゥナ」
In tantra, the practice of maithuna is said to be the easiest way to awaken sushumna, because it involves an act which most people are already accustomed to. But, frankly speaking, very few are prepared for this path. Ordinary sexual interaction is not maithuna. The physical act may be the same, but the background is totally different.
タントラにおいては、「マイトゥナ」が最も容易なスシュムナー覚醒の道であるとされています。それはほとんどの人が性行為を行うことができ、作法としては慣れているためですが、しかし見た目は同じようでも、「マイトゥナ」は通常の性行為とは全く異なるものであるといいます。
「マイトゥナ」は、ここまで述べられてきたように、高度な意識を伴った性行為ということになるかと思います。
最も容易とは言っていますが、それを実際に行う準備を整えるには、長い期間を要するということのようです。
心身を浄化し、入念に準備するべし
In the relationship between husband and wife, for example, there is dependency and ownership, but in tantra each partner is independent, one unto himself. Another difficult thing in tantric sadhana is cultivating the attitude of passionlessness. The man has to virtually become brahmacharya in order to free the mind and emotions of sexual thoughts and passion which normally arise in the presence of a woman.
多くの人にとって、性行為は肉体的・感情的な満足のためや妊娠のためなどに行われますが、マイトゥナは全く異なり、それはスシュムナーを覚醒させ、ムーラーダーラチャクラからクンダリニーエネルギーを上昇させ、脳の眠っていた部分を呼び覚ますために行われるといいます。
Both partners must be absolutely purified and controlled internally and externally before they practise maithuna. This is hard for the ordinary person to comprehend because for most people, sexual interaction is the result of passion and physical or emotional attraction, either for progeny or pleasure. It is only when you are purified that these instinctive urges are absent. This is why, according to tradition, the path of dakshina marga must be followed for many years before the path of vama marga can be entered. Then the interaction of maithuna does not take place for physical gratification. The purpose is very clear – awakening of sushumna, raising the kundalmi energy from mooladhara chakra, and exploding the unconscious areas of the brain.
そのため、多くの人にとっては難しいことですが、マイトゥナが行われる前に、心と体は浄化され、完全にコントロールできる状態にしていなくてはならないということです。
つまり左道タントラへ入る前に、右道タントラによって長い期間をかけて心身を浄化しておく必要があるということです。
先に結論を引用しておきましたが、左道タントラは、ヨーガの達人になって心身のコントロールができるようになってから行われるべきである、と説明されていました。
実際クンダリニー・タントラの行法も、性行為を伴わないものを中心に始められていきます。(他の密教の本には、エロ本のようなものもたくさんありますが。)
性に関する要素にも、真剣に取り組む
ようやく第1章の最終節まで読み終わりましたが、この節に書かれていたことは、男女それぞれの幸せな人生を考えたり、社会の構造を考えるたりする上でも、とても重要な内容を含んでいるように思えます。
性に関することは、一般には避けられがちな話題ではありますが、私も真剣に研究を続けています。タントラの技法となるとまた怪しい目で見る人も多いかもしれませんが、人々にとって役立つことは、真面目に性教育として一般に広まっていくようになると良いでしょうね。
このあと、チャクラに関する全体的な説明が始まり、そのあと各チャクラに関する説明に入っていきます。
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参考文献
「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)
「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)
「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)
「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)


