セルフケアやヨーガの勉強などのために、私が読んできた書籍を紹介していきます。
今回は、「現代仙道百科―心身改革の秘法体系/小野田大蔵(著)」です。
この記事の目次
簡単に言うと、どんな本?
仙道に関する様々な技法や哲学について、幅広く網羅された本です。
仙道は気功やヨーガと共通する部分も多く、セルフケアに関する有用な知識や、ライフスタイルの参考になる哲学も多く掲載されています。
情報量がとても多い本なので、順番にすべて読んでいくよりは、自分の知りたい部分を選んで事典的に活用するのに適しているかもしれません。
どんな人にオススメ?
仙道・気功に興味のある人には、その目的や哲学から、入門的な技法、上級の技法まで幅広く学べる本です。
とても情報量が多く、また重複する部分もあるので、順番に全部読んでいく読み物的なものとして活用するよりは、事典的に知りたいところだけ活用したい人に向いている本かと思います。
仙道というと仙人になるための修行法というイメージもあり、一般の人にとっては、苦行のようなもの?とよくわからないモノかもしれません。
しかし比較的簡単にできて効果もある日々の健康法・体操なども多数あり、日々の健康習慣を探して迷走している人にとっては意外と良いヒントになるかもしれません。
またハタヨーガや気功などをやっている人にとっては、仙道にもそれらと共通する概念が多数あることに気づくきっかけになるかと思います。
私個人の読んだ時期・感想
呼吸法や瞑想法について調べていたときに、気功に出会い、そして仙道にも出会いました。
気功について知るために役に立ったのは、以前紹介した以下の本です。今回の現代仙道百科にも、この本と共通する技法が多く載っていました。
「気功革命・治癒力編―気功・按摩・薬膳・陰陽バランスを使って病気を治す・パワーを溜める」盛 鶴延 (著)
気功から辿っていき、最初に仙道に興味を持ったきっかけは、以下の本でした。
「秘法超能力仙道入門―天地に充満する気を練成し超人になる」高藤 聡一郎 (著)
こちらは見た目とてもアヤシイ本ですが、その基本となる行法は、以前紹介した「密教ヨーガ」などにも出てくるクンダリニーヨーガの技法に近いものでした。
実際、本山博氏もよく「小周天」などの仙道の行法について言及しています。
小周天は、気の流れを導いて、背骨を通して頭頂に上げ、体の前側を通しておろしてきて、一周させる技法です。その際の呼吸法や意識の使い方などについて、上記の超能力仙道入門は詳細に解説しています。
今回紹介している現代仙道百科の中にも、小周天は当然入っていて、そこに至るまでの呼吸法や、その後の仙道のゴールへ至るための高度な技法なども書かれています。
小周天・大周天に限って言えば、超能力仙道入門のほうが図説入りでわかりやすく書かれていると思います(今では手に入りにくい本ですが)。
私は小周天やその他の仙道の高度な技法について興味があったのでこの現代仙道百科を手にしましたが、実はそれよりも日々のセルフケアに使えそうな簡単な技法がたくさん載っているのが気に入りました。
現代ヨガの華やかなアーサナに比べると地味な技が多いですが、気の流れを整えるヨガのパワンムクターサナにも通じるような、八段錦法などのとても効果的な体操が示されていました。
また、体の中に気を通すときの重要な箇所として、チャクラと同様なものと思われるいくつかの「精宮」について定義されています。少し位置が異なりますが、このあたりの生理学は、ヨーガと共通するものを感じます。この「宮」という表現は、サマエル・アウン・ベオール氏の書籍の中でチャクラが「宮殿」と呼ばれているのと少し共通点を感じました。
「ロゴス・マントラ・テウルヒア」サマエル・アウン・ベオール (著)
チャクラやナディ、経穴や経絡といった理論は世界中に数多存在し、その定義は少しずつ異なって混乱を極めています。
こういった知識はヒントにはなりますが、やはり大切なのは自分で実践し、気づくことだと思います。
気づきを得るために、まずは体と心を浄化して流れをよくする、といった日々の実践をするのは重要なことだと思いますので、ヨガの太陽礼拝やパワンムクターサナやプラーナーヤーマを行うのも良いし、仙道の技を使ってみるのも良いかと思います。執着せず、今の自分にあったものを探してみましょう。
「現代仙道百科―心身改革の秘法体系」の目次
- 第1章 仙道とは何か―真実の生き方を追求する
- 第2章 導引―歪みを正して気の流通をはかる
- 第3章 服気―宇宙元気で生命力を充実する
- 第4章 安処制感―気を収め生命の実相を直視する
- 第5章 練精―精を練って不死体を形成する
- 第6章 坐志―道と合体して自在に生きる
- 第7章 却病―気の運用で病気をなおす