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姿勢の崩れ・心身のアンバランスの改善に関するヒント

姿勢の崩れ・心身のアンバランスの改善に関するヒント

ニュートラルを悟り、いつでもそこへ戻れるならば、大胆にアンバランスへと飛び込める

姿勢の崩れや、日常生活の中で生まれるアンバランス・偏り。根本的に改善するにはどうしたらいいか。

いろんな次元の話を交えて書いていきますので、自分にとってピンとくるところから始めてみてください。

この記事の目次

よくある姿勢の崩れ

ヨガを習っていると、日常生活で姿勢の崩れに気づくことが多くなります。

デスクワークをしている人によく見られる崩れとしては、前にあるスクリーンを見ようとして顔が前に出ていき、首が前へ伸びてしまってストレートネックになり、それを補うために背中が後ろへ丸くなるという猫背の形です。

しかし、崩れないように気をつけて、常にまっすぐな姿勢をとろうとしても、なかなか難しいですね。

すべての部位にも意思にも意識があり、なにかをムリヤリしようとすると、それは反発と新たな偏りを生みます。

姿勢が崩れる根本原因

そもそもなぜ姿勢が崩れるかと言うと、「見たい」「キーボードやスマホを触りたい」という「欲求の偏り」が、顔や腕を前へ偏らせているのが原因であることが多いでしょう。

体をいくら直しても、こういった心の偏りがあれば、すぐにまた体も偏ってしまいます。

では心の偏りが悪なのか?というと、それがなくては私達はこの世界では生きていくのが難しいでしょう。

偏りは、実はこの世界で生きるために必要

多くの人は、行動し、いろいろなことを経験するためにこの世界に生まれてきたのでしょう。

行動するということはつまり、偏りを自ら意図して生み出しているということになります。

歩くためには、片足を前に出してアンバランスな状態をつくる必要があります。止まっていればバランスが取れているけれど、人は自ら望んで歩き始めます。

こういった根源的な欲求と行動は単細胞生物にすらあり、たくさんの細胞の集合体である人間は、より複雑な欲求のバランスの中で生きています。

ちょっと哲学的・物理学的にもなりますが、宇宙が在る前はもともと無だったとしたら、そもそもこの世界が「有る」というだけで、すでに「偏り」です。偏りがいやなら「無」に戻ればいいのですが、世界は意図的に「有」を保ち続けています。(最初がゼロなので、「マイナス(反宇宙)」も反対側に有るのでしょう)

人も世界も「有ろう」とする意志を持って生まれ、「なんかいろいろ経験したい」という欲求を持ったり持たなかったりしながら活動しているので、偏りは常に生まれます。

なので、欲求や偏り自体を嫌悪するのではなく、気づきを磨きながら偏りをうまくコントロールしていくのが現実的かと思います。

参考:ヨーガスートラ解説 1.15-1.16(修習と離欲)

偏りの慢性化が、肩こりや病気などの原因

偏り自体はこの世界が有るために必要であるけれども、偏りが慢性化してしまうといろいろな病気や歪みにつながります。

実際、ほとんどの症状の原因は、何かの偏りの慢性化によるものです。姿勢が偏り続ければ肩こりや腰痛などになりますし、体が冷え続ければ風邪をひきますし、何かに執着して心が偏り続ければ心の病気になります。

偏りの慢性化を防ぐために、一つ考えられるのは逆側の刺激を与えるということです。

姿勢が丸くなり続けていたのなら、背骨を反らすのは逆の刺激になり、偏りの改善につながるでしょう。

しかし、逆の刺激、そのまた逆の刺激…と繰り返していても、なかなかバランスにたどりつけないことも多いかもしれません。

「ニュートラル」な状態を見つける

偏りの慢性化を防ぎ、偏りを整えてうまくコントロールする上で重要なのは、「心身のニュートラルな状態」を見つけることかと思います。

ニュートラルは、ガチっとかためた姿勢ではなく、ゆらゆら揺れることもできる自由な状態です。

ニュートラルな状態からは、どの方向にも全力で動き出すことができます。

背骨の場合でも、周りの筋肉が50%ずつ均等に使われているニュートラルな位置を見つけておけば、どの方向にも最大の可動域を生み出すことができます。

ニュートラルをうまく見つけるには、「ニュートラルを保とう」という意志で固めるのではなく、適度に休んで待っている状態、あるいは全体が50%余裕を持って待機している状態、というようなイメージが役立つかと思います。

ガチっとかためていたり、偏りが慢性化している状態では、常に全体が仕事をしていることになり、それをやめるのに不安になって執着してしまい、うまく変化することができません。

しかし、適度に余裕のある状態で待機していれば、新しい仕事を始められます。

日本人はとくに、休みがあると不安になる人が多いため、おそらく0%では不安になってしまうので50%で待機するというイメージが有効な場合が多いように思えます。

「ニュートラル」に、いつでも戻れるようにするテクニック

ニュートラルに戻る鍵はいくつかあるので、自分に合ったものを持っておくのが良いでしょう。

  • 深呼吸(1呼吸に10秒以上かけて呼吸できるように練習しておく)
  • 体を揺らす、心地よく細胞が振動する様子をイメージするなど
  • 一度おもいっきり力を入れて、一気に脱力する
  • グラウンディング(頭頂から骨盤底へ通る体の中央のラインが、地球の中心とつながる意識をする)
  • センタリング(骨盤底から頭頂へ通る体の中央のラインが、宇宙とつながるイメージをする)
  • ニュートラルなオーラを纏うイメージをする
  • 自分の信じる神様に祈って、全てを委ねる

これらの多くは瞑想法(観想法)でもあります。他にもいろいろなワザがありますので、自分に合ったものを選ぶと良いかと思います。

せっかく鍵を持っていても、使うのを忘れてしまうことも多いでしょう。気づいて実践していけば、少しずつ自然に使えるようになっていきます。

いつでもニュートラルに戻れると思えば、大胆に行動することもできます。

そもそも究極のニュートラル(無)から意志を持ってこの世界に生まれてきて、またニュートラルに帰るのだから、この世界に敬意を持っていろいろ経験させてもらいつつ、ただし執着する必要はないということかと思います。

ニュートラルがわからなかったりすぐに戻ることができない人は、変化を恐れ、常に余裕がなく、現状維持に執着してしまい、変化をもたらそうとする人を攻撃してしまいます。現代によく見られる光景ですね。諸行無常、この世界で変化しないものなどないので、現状維持しようとするほうが無理をすることになります。良い悪いではなく自然の流れですし、それを無理に食い止めようとすれば別の歪みを生みます。人々の気づきが磨かれていけば、また世界も変化していくでしょう。

たとえばヨガで体がなかなか柔らかくならない人も、このあたりに鍵があるかもしれません。自分の癖に気づいてありのままを見つめ、いままで頼ってきた心身の使い方を手放すのは、確かに勇気が要ります。

もしニュートラルに気づき、執着していたものを手放すことができれば、変化は訪れます。

参考:セルフケア論

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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