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研究の軌跡_20250519 姿勢を整えるには、肉体だけでは不十分

肉体的に姿勢を整える限界

姿勢を整えるために、肉体的なアプローチだけでは不十分なようである。

あぐらを組んでいる状態で、猫背で座っている人がいるとする。

その人に、背骨が伸びた「良い姿勢」をつくろうとして、骨盤が後傾しないように仙骨を後ろから押し、胸骨を上げて、頭を高い位置に持ってこようとサポートする。

一時的に良い姿勢はできるが、その姿勢はその瞬間の本人にとっては「快適ではない」という場合が多い。

そして「その姿勢をとりたくはない」という反発さえ生んでしまう。

肉体だけ整えても、良い姿勢は定着しない。

ではどのように姿勢を整えていくのが良いか。

そもそもなぜ姿勢は悪くなるか

そもそも姿勢はなぜ崩れるかというと、「前方を見ようという欲求」や「手を前に伸ばして作業をするという意志」などによって、体が偏り、それが慢性化することによって、悪い姿勢が定着してしまう。

偏り自体は、悪ではない。偏らなければ我々は、行動できない。

偏りが慢性化することで、崩れたバランスが定着してしまうので、偏った後にはバランスを整えなくてはならない。

バランスを整えるには、肉体的にだけではなく、欲求・意志といった高周波数帯の偏りを整える必要もある。

欲求の偏りを整える

姿勢を悪くする欲求の偏りの中で、代表的なものは「スマホやパソコンの画面を見る」という行動の元になる「前方を見たい」という欲求と思われる。

前方を見たいという欲求によって、顔は前へズレていき、ストレートネック・猫背になっていく。

その偏りを整えるには、「視野を広くする(上下左右へと欲求を広げる)」「後を見るような意識をする(後方へと欲求を広げる)」あるいはシンプルに「目を閉じる」というのも有効である。

欲求の形というのは、感覚体(アストラル体)として反映される。自分の欲求の方向や形状、どのように感覚を偏らせているかを、感じ取るというのもひとつの手である。感覚体の姿勢を整えることで、肉体の姿勢も自然に整っていく。

意志の偏りを整える

多くの場合は欲求の偏りによって肉体的姿勢は崩れるが、意志の偏りが原因という可能性もある。

感覚・欲求とは別で、行動を引き起こす意志もまた、慢性的に偏っていれば癖となって定着し、肉体的な偏りも生む。

意志は、職業などにも反映される。その職業は、自分にとって快適であるかどうか。自分が生まれた使命を果たせているだろうか。

「今やるべきこと」ができていないとき、それはストレスとなり、思考の濁りを生み、姿勢の偏りにもつながる。

そのような意志の偏りに気づいたら、瞑想などによって雑念を払い、行動を修正していく必要がある。

カルマ(運命)の影響

たとえば生まれつきの障害や、不運な怪我などによって、姿勢が崩れるということもあり得る。

どうしようもない力によってそうなったならば、悪い姿勢・不自由な体を得て生きるというのが、今世での使命なのかもしれない。

それに気づいたのなら、運命を呪ったりせず、その体でできることを精一杯経験することである。五体満足では経験できなかった貴重な経験が、来世に生かされるかもしれない。

ただ、カルマのせいではないのにカルマのせいにして逃げてしまうということもある。それは運命なのか運命ではないのか、高度な気づきの精度が必要となるが、やはり頼りになるのは自分の感覚であり、「違和感」が一片でもあるならば、より良い行動ができるのではないかと、探究してみる必要がある。

こういった話は、神智学でも定義される各体を意識すると、わかりやすいかもしれない。これらはアストラル体・メンタル体・コーザル体の話である。

書籍紹介:神智学大要 第1巻 エーテル体/アーサー・E・パウエル(編) 仲里 誠桔(訳)

参考:セルフケア論

参考:姿勢の崩れ・心身のアンバランスの改善に関するヒント

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